1996年に誕生し、以来20年もの間ビジネスマンのハードな仕事を支えてきたレッツノート。いよいよ21年目を迎える2017年の今年、その節目にふさわしい新型モデルが登場。「レッツノート XZ6」。タブレットとして、あるいはノートPCとして、1台2役をこなすタブレットモバイルPCで世界最軽量(※1)を誇るこのモデル、“究極”のビジネスノートPCを探していた人にはまさに待望の1台と言えるだろう。

レッツノートシリーズは、過去に14年ほどサラリーマンとして会社に勤め、その後4、5年、ライターとしてさまざまな業種の方と触れ合うなかで筆者が知る限り、ビジネス向けノートPCとしてもっとも信頼性、安定性が高いという「良い評判」しか聞いたことのない製品でもあった。考えてみると1996年は、筆者がちょうどライターの仕事を(学生アルバイトの立場で)始めたころである。どうりで社会人になってから現在まで、「ビジネスノートPCと言えばレッツノート」という印象が頭から離れないわけだ。

21年目で大きな進化を遂げたそんな「レッツノート XZ6」は、これまでどおりビジネスシーンで活躍するのはもちろんのこと、筆者のようなライティングを生業にする人にも同じように最適なPCだ。筆者個人の1日の仕事を例に、具体的にどんなポイントが最適なのか、量販店などで購入可能な店頭モデル(LTE非搭載)をベースにその魅力を紹介したい。

※1 12インチ以上のディスプレイを備え、インテル Core iシリーズプロセッサー Thermal Design Power 15W搭載の着脱式ノートPCにおいて(2017年1月12日現在、パナソニック調べ)

“ダブル”でバッテリーを備え、新しい使い勝手を実現

店頭モデルの「レッツノート XZ6」は、第7世代Intel Core i5を搭載するWindows 10 64bit版プリインストールのタブレットモバイルPC。一般的なノートPCと同じように使えるのに加え、ディスプレイとキーボードを分離しタブレット単体で使うこともできる、いわゆる「2in1デバイス」型だ。ただし、妥協の一切見られない細部までこだわった作りが、やはり「レッツノートはレッツノートである」と主張しているようで、「2in1」などという単なるマーケティングワードで括ることのできない完成度の高さを感じさせる。

  • 「レッツノート XZ6」

まず、これまでも“軽さ”にこだわってきたレッツノートらしく、店頭モデルでもっとも軽量なタイプは全体で約1019g。そして、タブレットになるディスプレイ部のみでもペットボトル並みの約550gとなっている。とにかく軽い。箱から初めて取り出したときは「モックアップかな?」と勘違いするほどだった。「どうせバッテリーが別にあるんだろう」と疑ったら、たしかにバッテリーは外れていたのだが、装着後も「モックアップでしょ?」と再び同じ感想を抱いてしまった。もちろんきちんと動作する製品だったのだが。

ちなみにこのバッテリーは、キーボード側に装着するものだ。タブレットとして使えることから想像できるとおり、ディスプレイ側には当然バッテリーを内蔵しているので、キーボード側と合わせてダブルでバッテリーを使えることになる。タブレットとして使っている間にバッテリー切れになっても、キーボードにドッキングすればすぐにノートPCとして使え、ドッキング時はタブレット側のバッテリーが充電されるので(※2)、「モバイルバッテリー風に使えるキーボード」と捉えることもできる。この使い勝手は、これまでの一般的な2in1デバイスと呼ばれるPCにはなかったものだ。

※2 タブレット部への充電は、ACアダプター未接続時、本体が電源オフ/スリープ状態/休止状態時のみ可能。

キーボード側のバッテリーは交換可能

ビジネス向けノートPCとして、インターフェース類の充実度も見逃せない。キーボード側にはUSB 3.0ポート×3、4K/60p対応のHDMI出力、VGA出力、ギガビット対応イーサネットポート、SDXC対応カードスロットを備える。ディスプレイ側はビデオチャットなどに使えるカメラだけでなく、Windows Helloの顔認証機能にも対応する赤外線カメラも内蔵。データ転送と充電を兼ねるUSB Type-Cポートを1つ装備しているのも最新機種ならではだ。

  • キーボード側のインターフェース類

  • VGA出力は、ビジネス向けとしてはうれしい装備

  • ディスプレイ側にはUSB Type-Cが搭載

オフィスで執筆作業:ノイズの少ないキーボードと、2タイプのホイールパッドが疲れを最小限に

筆者は取り立てて取材などの外出の用事がない限り、住居とは別に借りている事務所で仕事をしている。一応ライターという職業柄、だいたい朝から夜遅くまで、一日中PCの画面に向き合ってキーボードを叩いているので、キーボードの打ちやすさと触感、つまりは打鍵感みたいなものがPCにおいて大事な要素の1つではある。

そういう意味でレッツノート XZ6のキーボードはどうか。例えば、この原稿をはじめいくつかの原稿を書くのに使ってみたところでは、指に負担の少ない柔らかくしっとりとした打ち心地で、打鍵音も静かというか、余計な“ノイズ”があまりないように思えた。文字入力からEnterの押下までを擬音にすると「スコスコスコ……チャッ」という感じだ。指への負担や“ノイズ”の少なさは、長時間使い続けた場合の疲れにくさにそのままつながるだろう。

ノイズの少ないキーボードは、長時間のタイピングでも疲れにくい

打鍵感の良好なキーボードのほかに、レッツノートらしさを象徴するともいえる円形のタッチパッドと、その外周を円状になぞるだけで快適に画面スクロールできるホイールパッドの機能も、マウスカーソルや画面の操作にかかわるストレスを軽減してくれる。しかも今回、タブレットとして使用している間もマウスカーソルと画面の操作を楽にする「ホイールパッド・タッチLite」が用意され、物理タッチパッドに近い操作感を実現している。

  • 円形のタッチパッド。外周(ホイールパッド)を時計回りまたは反時計回りになぞると、スムーズに画面スクロールできる

  • タブレットとして使っているときは、同じ操作感を実現する「ホイールパッド・タッチLite」が便利

ホイールパッド・タッチLiteは、社内でミーティングする際にも役立った。事務所でほかのスタッフとミーティングする際には、PCの画面を見せながら話し合うこともあり、そんなときはキーボードを机に残してタブレット部だけ持ち運ぶことが多い。テーブルに平置きして相手に画面を見せながら操作したり、操作してもらったりするのだが、画面内に小さなリンク要素が多いWindows 10では、直接タッチで操作するよりホイールパッド・タッチLiteで操作する方が確実性が高い。また、タッチ操作する手で画面が隠れるスペースが最小限で済むのも、ミーティングで情報共有する際には重要なポイントではないだろうか。

社内ミーティングではやはりタブレットとして使用。リンク要素が小さいWindows 10をタッチで使う時は、ホイールパッド・タッチLiteが役に立つ

取材先でのメモ取り:“頭でっかち”じゃない、重量バランスの良さを実感

筆者の場合、仕事で外出する際の主な理由は、編集部との打ち合わせか、インタビュー取材か、イベント取材のだいたいどれかである。打ち合わせについては、タブレットとして使えることや、ホイールパッド・タッチLiteの操作性など、社内ミーティングで感じた便利さそのまま、といったところなのだが、取材ではレッツノート XZ6の新たな魅力をいくつか発見することができた。

  • ノートPCの形だと、画面で何かを説明したい時に少し姿勢がつらい

  • 打ち合わせのときも、社内ミーティングと同じようにタブレットで

1つは、熱を感じにくいことだ。従来型のノートPCと違ってキーボード側ではなくディスプレイ側にPC本体が包含されていることにより、熱の発生源もディスプレイ側となっている。例えば発表会などのイベント取材では、会場に用意された椅子に座ってプレゼンを見守ったりする。このとき、ノートPCを置くテーブルがない場合は膝の上に載せることになるのだが、しばらく使っていると通常のノートPCではキーボード側からの排熱で膝や太ももが強烈に温められるのだ。しかし一方のレッツノート XZ6は、ディスプレイ側の側面2カ所に排熱口が設けられており、キーボード側には発熱源となるものがほとんどないから、長時間同じ姿勢で使い続けても熱さに悩まされることはない。

  • 排熱口はディスプレイ側の側面2カ所。写真でいうと左側のスリットと、右側の銅板が見える部分がそれ

  • 発表会やセミナーなどではテーブルがないことも多い。レッツノート XZ6なら、膝上に載せて使っていても熱さを感じることがないのがメリット

また、ドッキング状態で最大限に開いても倒れにくい、重量バランスと構造面のメリットも挙げておきたい。これまで使ったことのある2in1デバイスは、どうしてもタブレットになるディスプレイ側が“頭でっかち”の状態で、キーボード側より重たくなっていることが多かった。開いた状態でほんの少しディスプレイ側を突っついたりするだけで簡単に倒れてしまうほど不安定だし、そのせいでキーボード操作にも悪影響を及ぼしていたりした。

ところがレッツノート XZ6は最大限に開いても実に安定している。発表会などで膝上に載せながらの作業中、手で押さえていないと倒れてしまう、なんてこともない。細かいところだが、レッツノート XZ6がノートPCとしてフツーに使えるのは、こうしたバランスの良さも大きいだろう。

ときには公園で緊急的に作業することもある。レッツノート XZ6なら、こんなベンチで膝上に載せて作業していても、バランスを崩して足元に転がることはない

もう1つは、インタビュー取材で邪魔になりにくいところ。インタビュー中にメモを取るべくテーブルに置いているノートPCが、インタビュー相手の会話の様子を写真撮影する際に妨げになったりするのだが、レッツノート XZ6ならそれを避けられる。タブレットとしてテーブルに寝かせたまま使えるからだ。

  • インタビューの場面をシミュレーション。通常のノートPCを使っていると想定した場合、カメラで相手の手元も映したいのに、ノートPCが邪魔してしまう

  • タブレットとして使っていれば、視界の邪魔にならず、相手の手元もしっかり視界に入れられる

取材時にタブレット状態だと心配になるのが文字入力。ソフトキーボードは高速にメモを取るのには向いていないが、別売りオプションのスタイラス「アクティブペン」を使って、手書きで重要なポイントをメモしておく(話している詳細な内容はあとで録音を聞いてまとめる)、という使い方はけっこう良さそうだ。むしろそのように手を動かしたほうが、相手の話を理解しやすく、原稿にまとめる時も効率よくできたりするものである。

タブレットのときのメモはアクティブペンでの手書きがグッド。手書き文字入力の認識率も高い

取材のはしご、遠方出張:バッテリー持ちだけでなく、セキュリティや高解像度にも注目

取材先からまた別の取材先へ、はしごすることも少なくない。遠方に出張し、丸一日イベント会場などに缶詰になる場合だってある。そういった充電するチャンスがないケースでは、今回のレッツノート XZ6のバッテリーもちの良さを実感するところだ。

タブレットのみの場合は約4.5時間、本体とドッキングした状態では2つのバッテリーを組み合わせて約9~15時間稼働するとしている。基本的に文字入力が必須となる筆者のような仕事では、ほぼ常にドッキング状態で使うわけだけれど、約15時間も動けばまったく問題なし。充電なしで半日以上しっかりもつのはありがたい。

  • 取材をはしごしたり、遠方出張したりする時は、充電できないこともあるが……

  • ドッキングすればキーボード側のバッテリーと合わせて最大15時間稼働する

Windows Helloに対応する顔認証が可能な赤外線カメラを備えているのも、持ち歩くことが多くセキュリティをできるだけ高めておきたいモバイルPCではうれしいポイント。どこかに置き忘れてなくしてしまった、なんて事態に陥ることはあまり想像したくはないけれど、その可能性はゼロではない。万が一のときのことも考えて、重要なデータを確実に保護してくれる高度なセキュリティ機能は、必ず設定しておきたい。

また、ノートPC時には、1カ所でタブレット部とキーボードベースを同時に固定してくれる「セキュリティロック」も採用されている。ロック時はリリースレバーが固定され、タブレット部とキーボードベースの着脱ができない構造になっており、セキュリティケーブルをボディから抜き取るような力技の盗難にも負けないように配慮されているので安心だ。

赤外線カメラ搭載により、Windows Helloの顔認証に対応。頻繁に持ち運ぶものだけに、セキュリティは重要

そして、最後に付け加えておくべきレッツノート XZ6のアドバンテージは、高解像度ディスプレイと、外部に4Kディスプレイを使えるパワフルさ。2in1デバイスのなかには、従来のノートPC的なものというよりも、どちらかというと性能面はそれよりもやや劣るタブレット的な位置づけになっていることがある。そのために、タブレットとしては快適だが、ノートPCとしては不満が残る、といった状況に陥っていたところもあるのではないだろうか。

レッツノート XZ6はそうではない。ハイエンドノートPCのような高い性能をもちながら、タブレットとしても使えるようにしたデバイス、といったほうがしっくりくる。ディスプレイは2160×1440ドットで、この解像度だと取材で撮影した写真をかなり細かい部分まできれいに映し出し、画像確認や画像編集の効率が高まる。この高解像度が出先で普通に使える、というのがポイントだ。また、タブレット時のアスペクト比は3:2なので、オフィス系のアプリとも相性が良く使いやすい。

撮影したRAW形式の写真を見やすく加工して現像する際も、解像度が高いほど効率が良い

事務所での作業時は、高解像度の外部ディスプレイに接続してデュアルディスプレイで画像編集する、という方法もとれるが、出先ではなかなかそうもいかない。でも、フルHDをはるかに超える解像度を標準ディスプレイで達成しているレッツノート XZ6なら、外部ディスプレイなしでも十分に画像編集がはかどる。そして、現在はほとんどデスクトップPCしか対応できていないような4K外部出力を、モバイルPCで実現してしまっているのは素直に驚きであり、早々に4K環境を整えたくなるきっかけにもなりそうだ。

取材先でのメモ取り:“頭でっかち”じゃない、重量バランスの良さを実感

このようにレッツノート XZ6は、事務所での普段の仕事から、出先での取材、遠方出張など、あらゆる場面でこれまでの仕事の効率を大きく高めてくれるデバイスだ。職業がライターということで、執筆作業ばかりならマシンの機能や性能は最低限でもいいのでは、なんて思われそうだが決してそんなことはなく、外出の多いほかのビジネスマンと同じように、高い性能があればあるだけ仕事をこなすのが楽……にはならないけれど、より高い品質で仕事を仕上げる助けになる。

ところで今回のレッツノート XZ6について、パナソニックは実は「2in1」という言い方を一切していない。これは製品戦略として何らかの理由でそう決めているためなのだろうけれど、実際に使ってみると、これまでのほかの2in1デバイスとは明らかに一線を画した、ノートPCであり、タブレットでもあると多くの人が実感できるに違いない。「レッツノートはレッツノートである」という絶対的なポリシーがあり、さらに「ビジネスに強いレッツノートはこれからも続いていくのだ」という熱いメッセージがそこには込められているのだと、筆者は勝手に感じ取っている。

Panasonic Store限定のXZプレミアムエディションにも注目

カスタマイズレッツノートでは、全モデルに800万画素の高画質なリアカメラを搭載。キーボードベースを持ち歩いていれば、現場や営業先でタブレットスタイルで撮った写真を、そのまま資料の作成に活用したり、メールで送ることも快適にできる。

また、天板とホイールパッドのカラーは、ベーシックカラーのジェットブラック、カシスブルー、シルバーダイヤモンドに加え、プレミアムカラーとして半光沢のライジングレッドも用意されている。また、ボディのブラックモデルが選べるのはPanasonic Storeのみだ。このカラーが欲しい人はPanasonic Storeで購入しよう。Panasonic Storeモデルの詳細はこちら

(日沼諭史)