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ゲームソフト
夢幻洞 & 煉瓦粉砕遊戯

 このコーナーでは、窓の杜編集部の協力を得て、Windows用のさまざまなオンラインソフトを月ごとにテーマを決めてレビューします。今月のテーマはゲームソフトです。掲載は毎週木曜日を予定しています。

【編集部】

 いわゆるビデオゲームとして私たちの前に最初に姿を表したのは、画面の右と左でボールを打ち合う「テーブルテニス」だった。これを発展させ、ゲーム性を高めたものが「ブロック崩し」だ。ボールをパドルを使って打ち返し、フィールド上にあるブロックに当てて消して行くこのゲームは、有名なアーケードゲーム「アルカノイド」をはじめ、いろいろなタイプの亜種を生み出している。そのほとんどは、ブロックの並べ方やブロック自体の性質の変更、またアイテムによってパドルやボールの性質が変わるものだが、まったく新しい発想によって、ブロック崩しというゲームの可能性を広げているものもある。今回は、そんなゲームを紹介しよう。


■全方位型ブロック崩し「夢幻洞」

夢幻洞
夢幻洞
  • ジャンル:ゲームソフト
  • 種別: フリーウェア
  • 作者:Mark氏
  • 対応OS:Windows 95/98/NT 4.0以降

ソフトウェアは作者のホームページから
ダウンロードできます

 夢幻洞のゲーム自体は、ふつうのブロック崩しとなんら変わるところはない。ただし、目標となるブロックは、画面中央に年輪のように輪を描いて並んでいて、自機のパドルはこれを中心にして画面周囲をくるくると回るようになっているのだ。

 操作はカーソルの左右だけだ。実際にやってみると、これはかなり難しい。ボールは奥に行くほど小さく、手前ほど大きく描画され、通常の画面ならば斜めに動くところは渦を巻くように運動する。最初のうちはブロックを狙うどころか、ボールをパドルに当てることさえ難しいだろう。すべてのブロックを崩せばゲーム終了で、新しいステージなどはない。ボールも1つしかないので、失敗すればすぐゲームオーバーだ。スコアもないので、手軽に遊ぶことができる。

通常モード 座標変換を行なっていない場合

 /sオプションをつけて起動すると座標変換を行なっていない普通の画面でゲームができるが、上下逆の画面でキー操作も逆。これはあくまでも「変換前はどんなふうになっているのか」を見ることができるおまけなので、これで遊ぼうとは思わないほうがいい。

 ゲームクリアへのコツは、ボールは基本的にバウンドが変わらない限り元の位置に帰ってくるので、それを見極めてあまりパドルを動かさないことだ。あとはボールの大きさと運動方向を見極めればOKだ。

□作者のホームページ
http://www.ccn.ne.jp/~mark/


■シューティング+ブロック崩し「煉瓦粉砕遊戯」

煉瓦粉砕遊戯
煉瓦粉砕遊戯
  • ジャンル:ゲームソフト
  • 種別: スコアアタック版:フリーウェア
      スペシャル版:シェアウェア(800円)
  • 作者:ORA氏
  • 対応OS:Windows 95/98

ソフトウェアは作者のホームページから
ダウンロードできます

 シューティングゲームといえば、自機を操って弾を撃ち、敵を破壊して行くゲームだが、この「煉瓦粉砕遊戯」は一味違う。自機を操るところは同じだが、弾を撃つのではなく、ブロック崩しと同じようにボールを打ち返し、そのボールを当てることによって敵を倒すのだ。

 操作はカーソルキーで自機の移動、[C]キーまたはスペースバーを押すと、ボールを強く弾くことができ、[Z]キーでパワーアイテムの発射になっている。また[C]キーを2秒押すと、遠くにあるボールを自機のそばに10回まで呼び寄せることができる。ジョイスティックでの操作にも対応しているので、ぜひゲームパッドなどをつないで楽しもう。

 ゲーム画面は縦スクロールシューティングと変わらないが、相手となるのはほとんどが行く手をふさぐブロックだ。これらの障害物を、ボールを弾いて当てて粉砕していく。自機はブロックやたまに現われる敵の弾に当たったり、スクロールしていく壁に挟まれたりするとダメージを受け、限界を超えるとゲームオーバーとなる。また、ボールが画面外に落ちていってしまうとストックのボールが減り、すべてなくなった場合もゲームオーバーとなる。

 [Z]キーで発射するパワーアイテムは、ゲーム中に現われるアイテムにボールを当てることによって手に入れなければならない。種類は画面上の敵を破壊する[POW RING]、反射するレーザーがしばらくの間破壊を続ける[LASER]、ボールの周りにフィールドを張って広い場所の破壊ができるようになる[WIDE SHOT]があり、獲得したアイテムはストックされて、順に使うことができる。また、ボールの数が増えるアイテムも用意されていて、このアイテムにボールを当てるとすぐにもうひとつのボールが画面上に現われる。

 ボーナスアイテムは[A]、[B]、[C]の3つがあり、順番に当てて行くとボールがひとつ増える。ただし、[A]の次に[C]を当てた場合はまた[A]から集め直しになる。

 煉瓦粉砕遊戯には、ゲームが3面構成になっているシェアウェアの「スペシャル版」と、フリーウェアの「スコアアタック版」が用意されている。どちらもインターネットスコアに対応しているので、作者のホームページ上にスコアを登録したり、ランキングを見ることもできる。また、スタート時に[トレース]ボタンを押すと、プレイデータを保存・再生することも可能で、ホームページ上にはハイレベルなプレイデータも公開されている。

 このゲームの難易度はかなり高い。クリアを目指すには、マップを覚えて自機をなるべく前方に置き、ブロックや敵が出てくるはしからどんどん壊していくことと、アイテムの使いどころがコツになってくる。あとは気合いでクリアを目指そう。

□作者のホームページ
http://home4.highway.ne.jp/ora_soft/main/ora.htm


■最後に

 まったく新しいゲームを作ることは非常に難しい。現在あるゲームも、そのほとんどは従来からあるゲームにアレンジを加えたものだ。そのアレンジのしかたこそが、おもしろいゲームの命といっても過言ではないだろう。「夢幻洞」では、ブロック崩しのゲームシステムにはまったく変更を加えないまま、視点を変えるだけで、今までとはまるで異なった感覚を作り出しているし、「煉瓦粉砕遊戯」では、ほかのジャンルであるシューティングとの融合によって、アクション性・パズル性共に向上させ、斬新なゲームとして成立している。この2つのゲームは、もちろんゲームバランス、グラフィック、演出なども高いレベルにあるが、やはりそのアレンジのアイディアに拍手を送りたい。

[Text by 鹿山雅志]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp