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■アクションパズルにハマれ!
思考型ゲームの風潮を一気に変えたものに、有名な「テトリス」がある。ゲームセンターに通いつめるゲーマーだけでなく、ちょっとゲームを楽しむ程度の一般層にも広く楽しまれ、ひとつのブレイクスルーになったことはまだ記憶に新しい。続く「コラムス」や、そのほか落下してくるブロック状のものを組み合わせて消していく、いわゆる「落ちモノ」のゲームは次々と登場している。これらは「アクションパズル」というジャンルに分類され、さらに新たなルール・形式による非常に多くのバリエーションを産んできた。今回は、このアクションパズルゲームをふたつ紹介しよう。
■足し算パズル「Ten's」
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アクションパズルのバリエーションのひとつに、ブロックが落下してくるわけではなく、画面の上からすでにある程度積みあがっているブロックが、だんだんと下に向かって侵略してくるのを、用意されたブロックをはめ込むことによって消していくタイプのものがある。この「Ten's」も、そのタイプのひとつだ。
ゲームの目的は、縦11×横7のフィールド上で、画面上方から迫ってくる数字ブロックの列に、用意された数字をぶつけて、足して10にして消すことだ。用意される数字は画面の下に並んでいて、左から順に打ち出すことができる。操作はカーソルの左右で移動、カーソル上またはスペースキーで数字の発射、カーソル下で、迫ってくる数字ブロックを強制スクロールすることができる。ジョイスティックでの操作にも対応している。
数字の足し算は、ブロックをいくつ使ってもかまわないが、[6]+[6]+[8]のように20にしても消えたりはしない。打ち出す数字ブロックには、3つの特殊アイテムがある。[+]と[-]は、当てたブロックの数字を+1、-1するアイテムだ。これはフィールド上にあるすべてのブロックに適用され、[+]を9に当てたり[-]を1に当てると、そのブロックは消えることになる。もうひとつは砂時計型のアイテムで、これを当てると一定時間、ブロックの侵略が止まる。
ブロックの侵略スピードはだんだんと上がってくるので、とにかく早めに消していくしかない。あまり大きな数字を残さないようにするのがコツだが、かなり慣れないと難しいだろう。頭の回転をフルスピードにしてプレーしよう。
□作者のホームページ
http://www.freepage.total.co.jp/sukisuki/
■3Dパズル「ざこだま」
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テトリスのブームからしばらくして、BLOCK OUTという、見下ろし型の3Dブロックを使ったゲームが現われた。これは人間が瞬間的に3次元物体の把握がしづらいことも手伝って、非常に難易度が高くなっていた。それ以来、ほとんど3Dのアクションパズルゲームは登場しなかった。
この「ざこだま」は、3Dパズルの欠点をうまくカバーしたゲームだ。ゲームの内容は、ちょうどコンパイルの名作「ぷよぷよ」を3D化したような感じで、上空から降ってくる2つに繋がった4種類のざこだまを、5×5×5のフィールド内で、3次元的に5個以上繋げることによって消していくものだ。フィールドの高さ以上にざこだまが積み上がってしまうとゲームオーバーだ。
ざこだまのフォルダ内には[zakodama.ini]という設定ファイルが用意されており、これをエディタなどで編集すると、環境の設定ができるようになっている。基本的にデフォルトのままで問題ないが、ウィンドウモードで楽しみたい場合は、FullScreen=1という項目を0に書きかえればOKだ。詳しくはヘルプファイルを読んでほしい。
操作はカーソルキーでざこだまの移動、[A]と[S]でざこだまの左右回転、[Z]で落下。そして[X]と[C]では、フィールドを回転させて視点の移動ができるのだ。ルールとアイテムの構造が簡単なのでパニックに陥りにくく、また視点を変えることができるので、積みあがったブロックの向こう側も確認することができるわけだ。なお、6ボタンのジョイスティックにも対応している。
とはいっても、やはり難易度はそれなりに高い。ざこだまの落下スピードも上がってくるので、とにかく同じ色を集めること、中央には高く積み上げないことに注意していけば、色数が少ないので思わぬ連鎖が起きて、ピンチを切り抜けることもできるだろう。インターネットハイスコアにも対応しており、同じフォルダにある[HiScoer.exe]を実行すれば、ホームページにスコアの登録ができる。ハイスコアを目指してがんばってほしい。
□作者のホームページ
http://www.jade.dti.ne.jp/~unnoh/
■最後に
ほとんどのゲームは、ゲームデザイナーの作ったパターンを読み解くパズルと、それを実行するためのアクションが合成されたものといっていい。それに対してアクションパズルは、ランダムからプレーヤー自身が生み出すパターンを読み解くという、自分自身との対戦ゲームに近い。テトリス以前にもアクション性を持ったパズルゲームはそれなりにあったのだが、ランダムという要素がほとんど排除されていた。このランダム部分がないと偶然が生まれないため、パズルの解答に幅がなくなってしまうのだ。アクションパズルの面白さはこのあたりに集約されていて、あとはいかにわかりやすいルールと、難易度のバランスを実現するかにかかっている。今回紹介したふたつのゲームも、うまくこの点をクリアした秀作といっていいだろう。
[Text by 鹿山雅志]