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Intel Developer Forumレポート

Mercedのサンプルチップをデモ、64ビットWindowsとLinuxが動く

'99年8月31日~9月2日 開催(現地時間)

会場:米パームスプリングス


■Mercedのサンプルチップを使ったデモを公開。64ビットWindowsとLinuxが動く

 今回のIDFの目玉のひとつはMerced。Mercedのチップの実物が登場、クレイグ・R・バレット社長兼CEOのキーノートスピーチでは実際に、その上でOSやアプリケーションを動かすデモが行なわれた。MercedのサンプルはOEMに9月に出荷されるという。また、IDFではMerced用の460GXチップセットやMerced搭載のホワイトボックスの4Wayサーバーと2Wayワークステーション用マザーボード「Big Sur」なども公開された

ワークステーション向けの筺体とマザーボードの規格「WTX」に収まったMerced。左の黒いフィンを載せているのがMercedで、右の銀色のフィンを載せているのは電源ユニット。Mercedは電源ユニットから、マザーボードを通さずに直接電源供給を受ける仕組みになっている。WTXで、Mercedのデュアルプロセッサ構成までが可能。Mercedの上のボードはメモリユニットで、PC-100 SDRAMのDIMMが8本。銀色のフィンを載せているのはメモリコントローラチップの82460GX MDCと82460GX MAC。同じ構成メモリユニットがその上にもあり、最大でSDRAM DIMMが16本、16GBのメモリ構成が可能。このモデルを見ると、WTXがIA-64を視野に入れて設計された規格であることがよくわかる。ちなみに、4Wayサーバー用ボードでは最大64 DIMM搭載で64GBのメモリ構成が可能

バレット氏はMerced開発スタッフを壇上に呼び、Mercedのサンプルシリコンがついに完成したことを報告 バレット氏のキーノートスピーチでは、Mercedの本当に動くチップを使って、64ビットWindowsとLinuxを動かすデモが行なわれた
Mercedのソケットを上から見たところ Merced用マザーボード。正面左手の黒い2つのチップはシステムコントローラチップの82460GX SDCと82460GX SAC。
Mercedのソケット。ピン数は見たところ418ピン前後。電源供給は別なコネクタから Mercedのカートリッジの底面。ピンが並ぶ。チップ本体とソケットとの距離をできる限り短く均一にするために、底面にピンを配置したという。このピンの裏側に、BGAタイプのパッケージに載ったフリップチップ実装のMercedチップ本体がある。Mercedチップは、カートリッジ上面のヒートスプレッダに直に接触して、熱を逃がすしくみになっているようだ。手前が電源供給用のコネクタ



■Intelが広帯域ネットワーク時代の家庭"Eホーム"のデモを公開

 Intelは、IDFで、広帯域ネットワークやホームネットワークが利用できるようになった時代の家庭向けPCやアプリケーションを展示したEホームを公開した。リビングルーム、子ども部屋、ティーンエイジャーの部屋、キッチンなど、家庭の各部屋を模したスペースに、次世代PCのコンセプトモデルを展示。コンセプトPCは、FlexATXマザーボードに、次世代の0.18ミクロン版Pentium III(Coppermine)を搭載したマシンが目立つ。チップセットはIntel 820、 Intel 810やその後継など。Intel 820モデルでは、RDRAMとAGP 4Xグラフィックスチップを搭載する。

コネクテッドホーム向けPCのコンセプトモデル「Entrata」 Stratosの制作したコネクテッドホームのためのコンセプトPC「Polaris」 子供向けPCのコンセプトモデル「Diva」 アプリケーションは、コンピュータ内のキャラクタに自分の顔をはりつけることができる「FaceMe」 米国で発売される、おもちゃメーカー大手米Mattelのパービーパソコン。FlexATXシステム
42インチのプロジェクションディスプレイを搭載したホームエンターテイメントセンター「Eyris」。ディジタルTVやDVDを楽しむことができる 子供向けPCのコンセプトモデル「Magic Bean」で動くスノーボードゲーム。右手のプレイヤが、PCに接続されたカメラの前で体を動かすと、実際にPCの中に表示された自分の姿が動き、スノボを操作することができる エンターテイメントPCのコンセプトモデル「Attivo」。ティーンエイジャー向けを意識している。グラフィックスチップはSavage4のAGP 4X版
キッチンPC用折り畳み式キーボード。普段は4つに折り畳んでおくことができる キッチンPCのコンセプトモデルで動く、BeOSベースのアプリケーション。写真は、料理のレシピを開いたところ USB周辺機器接続モジュールのコンセプトモデル。各種ドライブやモデムなどを、簡単に抜き差しするだけで付け替えることができる
Intelの新しい提案のUSB通信モジュール。小さなボックス型のモジュールにアナログモデムやDSLモデム、ケーブルモデムなどを内蔵。このモジュールを取り替えるだけで、簡単にモデムをアップグレードできる。モジュールとPC本体のインターフェイスはUSB

('99年9月3日)

[Reported by 後藤 弘茂]


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