RIVA TNT2のパフォーマンスを徹底検証する(続編)



 金曜日のこのコーナーではRIVA TNT2およびその廉価版であるVantaを搭載したビデオカードのレビューをお伝えした。今回の続編ではその時にお伝えできなかった、各ビデオカードでCPUを変更した際にベンチマークの結果にどの程度の影響を与えるのかについて考えていきたい。



■ RIVA TNT2およびVoodoo3には高速なCPUが必要

 今回CPUの影響をチェックするために実行したテストは3DMark 99 Maxで、解像度は1,024×768ドット 16bitカラーで実行した。テストに利用したCPUはPentium III 500MHz、Pentium II 450MHz、Celeron 433MHz、Celeron 366MHz、Celeron 333MHz、K6-III/400MHz、K6-2/400、K6-2/350、K6-2/300という9種類で、マザーボードはASUSTeK ComputerのP2BとMSIのMS-5169の2製品だ。なお、Vantaを搭載したWinFastS320VはなぜかMS-5169では動作しなかったのでK6シリーズに関する結果はない(なお、ほかのSocket 7マザーボードでは動作したので、決してSocket 7で動作しないということではない)。

 結論から言えば、RIVA TNT/RIVA TNT2もVoodoo2/Voodoo3も共に、そのパフォーマンスを最大限に発揮させるには高いクロックのCPUが必要であることがわかる。Voodoo系はSocket 7のK6-2およびK6-IIIにおけるパフォーマンスダウンが著しく、Socket 7で利用する場合にはRIVA系の方が高いパフォーマンスを発揮すると言える。どちらにせよ、RIVA TNT2なりVoodoo3が持つ本来の性能を発揮させるにはPentium IIIクラスのCPUが必要であるといっていいだろう。

 なお、ATI TechnologiesのRAGE 128 GLを搭載したRAGE MAGNUMは、CPUを高速にしてもパフォーマンスがそれほど変わらなかった。Celeron 433MHz、Pentium II 450MHz、Pentium III 500MHzの差は非常にわずかであり、CPUに必要な投資の割には得るメリットが少ないと言える。RAGE MAGNUMを使っているユーザーはCPUを高速にしても受ける恩恵はあまり大きくないということが言えるだろう。
 以上のように、現在持っているCPUとビデオカードが何であるかによりアップグレードしたほうがいいのかどうかは変わってくる。

 ATI RAGE MAGNUMMagic TNTWinFast S320IIWinFast S320VSPECTRA 3200R2Graphics Blaster Voodoo2(SLI)Voodoo3 3000Voodoo3 2000
RAGE 128RIVA TNT2RIVA TNT2VantaRIVA TNTVoodoo2Voodoo3 3000Voodoo3 2000
Pentium III 500MHz2,7714,3174,3432,8813,0973,7444,6314,229
Pentium II 450MHz2,7513,8123,8022,8383,0183,6063,9443,918
Celeron 433MHz2,7363,1933,1972,7312,7972,8033,4183,427
Celeron 366MHz2,6892,8972,9012,4022,7252,7083,0613,061
Celeron 333MHz2,6302,7142,7332,3692,6152,6282,8592,848
K6-III/4002,7173,0383,042n/a2,6042,0552,3652,355
K6-2/4002,5152,6522,675n/a2,4271,8652,0962,105
K6-2/3502,4542,4682,472n/a2,3211,7541,9761,977
K6-2/3002,3752,2752,248n/a2,2131,6521,8581,807
*WinFast S320Vは、今回のベンチマークではK6-2およびK6-IIIで動作しなかったため、表中ではn/aとした


■ 現時点でのお奨めの選択は?

 このような結果と前回の記事におけるベンチマークの結果を踏まえて、現状では以下のような選択を筆者のお薦めとしたい。

1. 3Dを使わない人

 どのビデオカードでもほとんど差はない。
 3Dゲームを全くやらないというユーザーであれば、どのビデオカードでもほとんど変わらない。ただ、高解像度における表示品質には製品間で若干の差があり、好みに応じて選択した方がよい。気になるのであれば、店頭などで自分の好みと合致しているかは確認した方がよい。

2. 既にRIVA TNT+Voodoo2×2という構成を持っている人

 既にRIVA TNT+Voodoo2×2(SLI)という一世代前の最高環境を持っているユーザーは、今回のビデオカードは見送っても差し支えないだろう。むしろ、予算に余裕があるのであればCPUのパワーアップを行なった方がより高いパフォーマンスでゲームができると思う。既にRIVA TNTとVoodoo2の2枚に高い投資をしているのだから、それを無駄にしないためにもCPUのアップグレードを行なった方が賢いだろう。

3. RIVA128など2世代ないしは3世代前のビデオカードの人

 RIVA128、Intel740、3D RAGE PROなど2世代ないしは3世代前のビデオカードしか持っていないユーザーは、高い解像度(1,024×768ドット)でゲームができるようになるというメリットがあるので、Voodoo3やRIVA TNT2、RAGE 128を搭載したビデオカードを購入する意味があると考えられる。どれを選ぶかは好みの問題で、パフォーマンスを追求するのであればVoodoo3、それに加えてフルカラー表示によるクオリティなどを重視するのであればRIVA TNT2というのが現状での選択となるだろう。

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【5月1日号】RIVA TNT2とVanta搭載の最新ビデオカードが3社から登場
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