すーっげぇ!! COOLPIX950!! |
ニコン COOLPIX950 125,000円。211万画素CCD搭載。絞り優先オート、シャッター速度優先オートのモードを備える。人気のため発売以来品薄が続く、この春いちばんの注目機種 |
そのページには、COOLPIX950のサンプル画像が掲載されていて、どの画像も俺をビビらせた。例えばマクロモードで撮影された指輪の接写!! 被写体にこんなに寄れてインカ帝国!! インダス川!! ていうかギャグが古いし小学生並み!! ていうかその指輪を構成する物質の質感から温度までしっかり伝わるようなナイスな接写!! 最高で2センチまで被写体に寄れるらしい!! さらに絞り優先オートモードの女性ポートレイト!! 肌のシワから衣服の毛糸から髪から目の粘膜まで全部見えまくり!! ついでにスポット測光で撮られた女性は肌と壁と衣服の色合いとシャドウ部の漆黒まで、まるで一眼レフカメラで撮ったかのような出来映え!!
これは欲しい!! 欲し過ぎる!! 欲し過ぎて逆に欲しくなくなってきたのをさらに通り越して以前の約128倍(当社比)欲しくなっている!! こうなったらヨドバシカメラWeb通販で今すぐ直ちに買うぜ!! Netscape起動!!
URL入力!! ターゲット表示!! チェック!! そして支払いを処理敢行し……ああっ品切れだ!! こうなったら片っ端から通販Webサイト調べてCOOLPIX950ゲット作戦!! 検索検索検索!! 閲覧閲覧閲覧!! か~ッ、ない!! なさ過ぎる!! ないゼないゼなくて死ぬゼ~ッ!!<
糞っ!! とりあえずムカつくから消毒用エタノールを原液で500ml一気飲みして爆睡してLAOX入間店に走るかと思ったらもう昼間!! LAOXへ直行!! COOLPIXゲットと思ったら在庫ナシ!! だったら注文だ!! これで確実に手に入るゼ!! 注文注文注文!!
よっしゃァ注文した!! 一応ホッとした!! が!! 約32msホッとしただけでやっぱり今すぐ欲しい!! COOLPIX950が欲しいんだよ俺はな!! だからLAOX入間店で注文したにも関わらずサトームセン入間店にも行くぜ行くぜ行くぜーッ!!
そして超小型・高性能内燃機関を轟かせつつマイカーでサトームセンに直行!! がッ!! ない!! 在庫ナシ!!
じゃあ注文注文注……ていうか複数の店で注文してどうする>俺!! でも欲しさ全開なのでLAOX新所沢店に行くぜ行くぜ行くぜ!! 走れマイカー!! 加速加速加速加速加速ぅ!! 時速80km/h……120km/h……160km/h……そしてついに200km/hの大台!! さらに240km/h……280km/h!! ていうかつまりそのくらいの心意気で走った!! けど比較的渋滞で平均時速25km/h程度!! でも目的地に到着!!
よっしゃァ買うぜLAOX新所沢店でCOOLPIX950ゲットするん……ああっやっぱり在庫切れ!! ちくしょうどうなってやがるこの俺の燃え上がった物欲でLAOXが全焼しそうだゼ!! ていうか一応店員さんに在庫の件を伺っていきたい!!
「あのあのあのあのCOOLPIX950ありますかニコンの新しいあのデジカメのあの211万画素のあのスーパーモンキーズの人っていうか現在MAXの4人のあの……」
「あ、齋藤さんですか? 実はLAOX入間店から連絡ありましてCOOLPIX950を入間店に明日送ることに。つまりその齋藤さんのご注文の品が現在ココにございますが」
「くわッ!! それくれ!! 入間店への配送は俺がやる!! ていうかココで買わせてもらっていいスか?」
「どうぞどうぞ。入間店へは当店から連絡を入れておきますので」
というわけでめでたくCOOLPIX950ゲット!! LAOX新所沢店さんありがとう!! 新所沢店で買っちゃってごめんなさい入間店さん!!
さて、冷静に見ていきたいが、例によってCOOLPIX950の詳細はニコンのWebサイトを参照していただきたい。ここでは使ってみた感触や印象などを。
まず、ちょちょちょっといじった時点で、画質の良さに驚いた。
オートで何となく撮っても、ビシッとピントが合って、フィルムに負けないくらいキレイな写真が撮れる。撮った画像をディスプレイで見ると、一眼レフカメラにリバーサルフィルム(スライド用フィルムですな)を入れて撮ってスキャンした画像を見ているような感じ。もちろん、解像度的にはリバーサルフィルム+フィルムスキャナには及ばない(及ぶシチュエーションもある)し、画質や画像サイズの設定にもよるが、けれども一見、コレってホントにデジカメの画像なのかと疑うほどキレのいい画像が得られる。
おおこりゃスゴいってことで、今度は最高2cmまで被写体に寄れるというマクロモード撮影にトライ……した瞬間さらに驚いた。
例えば500円硬貨とかペンチの先っちょとかキーボードのキートップとかを撮り比べると、確実にしっかりマテリアル感や重量感や表面の滑らかさなどが再現される。ここまで寄った写真となると、一眼レフカメラのマクロレンズやベローズを使わないと、フツーは撮れない。なのにCOOLPIX950と来たら、労せず撮影可能。現在ある他のデジカメにはちょいとマネできない接写能力と表現力を備えている。
あまりにも驚いたので、この接写性能をテキスタイルデザイナー(布地をデザインする職の人ですな)に自慢してみた。どうだオラ!! この最強に強まったデジカメはなぁ~布切れのなぁ~繊維までなぁ~、写るんです、ってソレは富士フイルムだゼ~と、妙にマニアックなジョークを織り交ぜて自慢した。
すると、
「アラほんとだわ布地の目が写ってるし繊維の質感もわかるわ。すごいねそれ。ソレって仕事に使えそうだからちょうだいちょうだいちょうだい!! ていうか買おっと。何だっけソレ、富士フイルム? 写るんです?」
だから写るんですはジョークだっつーの、という状況になった。テキスタイルデザイナーに限らず、被写体のマテリアルを正確に撮りたいと思う職業の人は多いようで、そのためにランニングコストの低いデジカメを試すが、これまではたいてい使い物にならなかったと言う。が、COOLPIX950の接写機能は、そんな人のお眼鏡にもかなう。ていうか実は俺も接写がすげえ好きで、一眼レフのマクロレンズはもちろん、接写用ストロボからベローズまでたいていの本格的接写アイテムを持っている。接写のコトなら拙者に任せろ~みたいなコトを言って場をサムいものにする接写カメラ小僧なのであった。そんな俺にとって、COOLPIX950の接写性能はかなり衝撃的だ。何せ手軽。一眼レフで撮ると露出だの光の当たり方だのでけっこう失敗の多い接写だが、デジカメなら何度も何度も気楽に撮り直しができる。やったァこれからはCOOLPIX950で接写しまくっちゃお~っ、てな感じ。
それから、駆動速度が速いっていうかレスポンスが軽快な点もいい。撮ってる画像は1,600×1,200ピクセルなのに、パシャパシャ連続して撮影できる。多くのデジカメは、撮影と撮影の間に画像保存のためのブランク時間が数秒あったりするが、COOLPIX950は「あんたホントに画像とか保存してますか?」と疑いたくなるほどブランクがない。メーカー側は1,600×1,200ピクセルのNORMAL画質で秒間約1.5コマ撮れると言っているが、これは超ホントである。そう言えばこのデジカメ、電源投入時の起動速度や、モード間移行速度、画像の表示速度などもかなり速い。動作速度については、実用上ほとんどストレスがない感じ。
あとは、35mm判カメラ換算で38~115mm(F2.6~4)の光学ズームレンズを搭載している点も使いやすい。最大2.5倍の電子ズーム機能を使えば、さらに被写体を大きく写すズーム撮影が可能だ。ちなみに、一応、光学ズームと電子ズーム(デジタルズーム)の違いをご説明。光学ズームを使った場合は、レンズの焦点距離を変えてCCDに写り込む画角を調整しているので、画質の劣化はほとんどない。一方、電子ズームを使った場合は、CCDを通って得た画像(ピクセル)に電子的な拡大処理を行なっているので、倍率を上げるほど画質が劣化する。昆虫を顕微鏡で拡大しつつ観察した時と、昆虫の写真を顕微鏡で拡大しつつ観察した時の違いと同じだ。
カメラというものは基本的に、シャッター速度と絞りとフィルム感度(もしくはCCD感度)のバランスが最適になった時、初めて適正露出の写真が撮れるようになっている。話が複雑になるので、ここではフィルム感度が一定のものとして説明を進めよう。つまりシャッター速度と絞りのバランスが最適な時だけ、マトモな写真が撮れる。要は、レンズ越しに入って来る光が適量ならいい。光の量が多いと明る過ぎる写真となり、少ないと暗過る写真となる。
シャッター速度は、速くすれば光量が減り、遅くすれば光量が増す。絞りは、絞り値(F値)を高くすれば光量が減り、低くすれば光量が増す。基本的にはこのふたつをバランス良く調整すればマトモな写真が撮れる。でも、単にそれだけではない。シャッター速度やF値には、光量調節以外にも作画に欠かせない意味がある。
シャッター速度の場合は、それを速くするほど、動きのある被写体をブレさせずに撮影できるようになる。速いシャッター速度でホームランを打つ瞬間を撮影すれば、バッターやバットやボールが静止した映像となり、ヤケに緊張感のある写真ができる。逆に、遅くすればわざとブレた写真を撮れる。バッターやバットやボールがダイナミックに動いている様子が表現でき、写真にスピード感や躍動感が加わる。
F値は、高くなるほどピントが合う範囲が広がって、手前から奥までクリアに撮れる。逆に、低いとピントの範囲が狭まって、カメラから一定の距離の被写体だけクリアに写り、他はボケて撮れる。F値を調整することにより、目も当てられねぇ糞背景の中にいる絶世の美女だけに視点を絞ったり、間近の糞から遠くの糞まで全部クリアに写したりできる。
適切な光量を得ることと、シャッター速度やF値が写真に及ぼす効果などを考えつつ、意図した写真を創っていくのが、撮影というやつだ。マジメに考えると、撮影というのはけっこう大変な作業なのである。
でも世の中には「大変なコトなんてイヤ」と思う人が多いゆえ、比較的多くのデジカメや、わりと多くのフツー的フィルム式カメラは、シャッターボタンを押すだけで撮影終了となる。何にも考えずとも、マトモな写真が撮れるしくみになっている。これは、カメラ側が自動的にシャッター速度や絞りを決めてくれるからだ。これすなわち、シャッター速度やF値を勝手に決めてくれる機構であり、AEカメラであり、今時のたいていのカメラはAE式だ。で、押すだけで撮れる(激安簡単カメラ以外の)カメラの多くは、プログラムAE(AEは自動露出のこと)と言って、被写体や状況によってシャッター速度やF値を適宜コントロールしてくれているわけだ。
もちろんCOOLPIX950も、押すだけでマトモな写真が撮れるようなAEカメラなのだが、ちょっと融通の利くAEになっている。具体的には、プログラムAEに加え、絞り優先AEとシャッター速度優先AEが使えるようになっている。で、この絞り優先AEとシャッター速度優先AEのどこがイイのか。
例えば絞り(F値)優先AEだと、ユーザーが自由にF値を決められる。背景をボカしたいならF値を低く、逆に背景も写し込みたいならF値を高くすればいい。で、ユーザーが決めたF値に対応して、カメラ側が自動的にシャッター速度を決めてくれるのだ。シャッター速度優先AEはこの逆で、ユーザーがシャッター速度を決めると、それに合わせてカメラ側が自動的にF値を決めてくれる。こーゆーコトができると、撮る写真の表現力が高まり、撮影者のイメージに近い写真が撮れるようになる。また、押すだけ簡単系カメラにありがちな問題も激減する。例えば、会場の暗い講演会で、遠くにいるスポットライトを浴びた講演者をズーム撮影する時などは、シャッター速度優先AEにして高速シャッターを切ればブレずにキレイに撮れる。はいチーズみたいにキッチリ並んじゃくれねえ人々を撮る時などは、絞り優先AEで深いF値で撮ればみんなにピントが合う。
この他、COOLPIX950には、±2(EV)の露出補正機能(逆光撮影や美白肌撮影やダークなイメージの撮影に便利に使えるヨ)や、3種類の測光モードがある。特に注目したいのは後者。
COOLPIX950の測光方法には、マルチ測光と中央部重点測光とスポット測光がある。マルチ測光は画面中のいろんな箇所(256点)を測光しまくって露出を決める。順光に逆光にドアップにド望遠にと何でも来いの万能測光方法だ。中央部重点測光は画面中央部を測光して露出を決めるというヒジョーにフツーでノーマルな測光方法で、フツーの人がフツーに人物撮影なんかするのに向く。スポット測光は画面中央の一部だけを測光して露出を決める測光方法で、画面内の一部被写体をビシッと適正露出で撮りたいときに有利。これら3種類の測光方法をユーザーが選んで使えるのは、デジカメとしては非常に珍しい。一眼レフカメラ並みの凝った測光方式を搭載していると言えよう。でもなんか、俺としてはマルチ測光でだいたい事足りちゃったりしている。けどマニアックにキメたい人にとっては、3種類の測光方法と露出補正や各種AEモードはすげえ魅力的な“作画指向機能”だと言えよう。
それと、俺がかなり気に入っているのが、ボディのデザイン、感触、ホールドの良さだ。ていうか実は、コレ以前のCOOLPIXに関しては、まずデザイン面で全然ソソられなかった。性能はイイって評判だったけど、なーんか四角四面で素っ気ないデザインが、イマイチ好きになれなかった。ところが今度のには、F5やF100に通じる堂々とした風格と現代的ハードウェアのカッコ良さを感じる。マグネシウム合金の手触りとラバーのグリップ部が何とも一眼レフっぽい高級感を感じさせてくれる。このボディ、手にとってみるとわかるが、かなりしっくり来る持ちやすさがある。そしてこのボディにはすげぇ強力な機能が凝縮されている。ん~かなりいい買い物をした、と感じている。
逆に、イマイチ気にくわない点もあった。まず電源系。乾電池4本で動くのは、確かにどこでも電源を確保できていいのだが、俺としてはデカめのリチウムイオン二次電池とかにして欲しかったなぁ、と。まあこれは個人的な好み“だけ”なのだが。でも、オートフォーカスが始終動きまくっているせいか、バッテリはそーんなに長く持たない気がした。というわけで速攻でACアダプタを買ったのだが、コレがまたデカい。今時のサブノートパソコンに使われているのよりチョイとデカい感じで、富士フイルムのFinePix2700くらいのサイズに感じられる。ケーブルも太くて取り回しが悪い。ダメ押しに、カメラ上部にACアダプタケーブルを接続しなくちゃいけないのがこれまたジャマ(まあ他に接続する場所も見あたらないが)。
あと、細かい点だが、付属のレンズキャップ用のヒモがついてない点。ヒモを自分で調達しても、本体にそのヒモを結ぶ箇所がない。レンズキャップ用のヒモとそれを通す穴があるか、もしくはソニーのRuviに付属しているような“レンズ前にハメられて開閉するキャップ”みたいなのを付けて欲しかった。ヒモ関連について言えば、付属のストラップもなーんか大袈裟。本体を首から下げるためのストラップで、Nikonマークが入っていてカッコイイといえばカッコイイのだが、俺としてはケータイのストラップの太いの程度ので十分な気がする。まあこれも個人的な好み“だけ”なのだが。
それと、俺は広角野郎なので別売のワイドコンバータを買ったのだが、アレなんですねCOOLPIXってこーゆーアタッチメント付けると光学ファインダーが使えなくなって(付けたレンズの影になっちゃうのだ)しかもストロボも使えなくなっちゃう(付けたレンズに光が遮られちゃうのだ)んですね。知らなかった。ダメじゃん不便じゃん、と思った。まあ、実際はそれほど不自由してはいないのだが、オプションを付けたら従来の機能がヘボまるってのは残念だ。
というわけで、ほんの些細な残念点はいくつかあるものの、まあそんなこたぁどーでもいいやという感じの性能を持っており、カメラ好きの人ならたぶん触ったら即欲しくなっちゃうヨという製品であり、現在のところ本格派度においては史上最強の2メガピクセルデジカメだと思う。俺の場合、富士フイルムのFinePix2700も持っているわけだが、FinePix2700は泥酔中でも気軽に撮れる超高画質デジカメ、COOLPIX950はこだわるカメラ小僧モードで撮っても納得できる超高画質デジカメとして、超高画質デジタル画像ライフを楽しんでいきたいと思う。
最後に、てゆーか追伸、てゆーかなんか徹夜でこの原稿書いてたらソニーの新しいサイバーショットの発売日が明日なんですけど。最近2メガピクセルデジカメに目覚めがちな俺なんですけど。我ながら危険な気がするんですけど。買うかもーっ!! きゃーっ!! やめれーっ!! 破産するーっ!! でもアレですよ、最近買った2台の2メガピクセルデジカメ、両方とも“大当たり”な感じなんですよ。ヒット率100%って感じなんですよ。もはや2メガピクセル機が全機種気になるんですよ!! ふたつで十分ですよってか!! ノーノーツーツーフォーとも言う!! うっ。
□COOLPIX950ニュースリリース(ニコン)
http://www.nikon.co.jp/main/jpn/whatsnew/e950j_99.htm
□COOLPIX950製品情報(ニコン)
http://nikon.topica.ne.jp/ei_j/digicam/e950.htm
□関連記事
【'99年2月15日】ニコン、211万画素デジタルカメラ「COOLPIX 950/700」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990215/nikon.htm
【'99年2月15日】山田久美夫のニコン「COOLPIX 950」β機実写画像
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990215/950.htm
[Text by スタパ齋藤]