スタパ齋藤

イケてるかも!! のiModeメール



■ iModeが騒がれる中、俺は……

F501i HYPER F501i HYPER
35,900円。連続待ち受け約180時間、重量約92g。データ通信速度9,600bps
 その人気と収益と多忙さから周囲には常時数人のスタッフや付き人やマネージャなどが常駐しまくりと思われる超人気アイドルの広末涼子でさえも、自らの手で銀行振り込みをしちまうほど魅力のあるドコモの新サービス、iMode。登場する前からみんなiModeだiModeだと騒ぎ過ぎだという感じがしていた。モバイル好きな人や電話好きな人が騒ぐのならまだしも、電話もモバイルもそーんなに好きじゃないしケータイなんか基本的に大して好きじゃないという人まで、iModeでしょiModeだよiModeってナニと騒ぎまくっていた。

 なるほどさすが広末涼子という感じであるが、俺としては織田祐二のcdmaOneていうかWAPをぜひ使っていきたいと思ったが、cdmaOne端末の(関東圏における)発売はまだチョイ先ってことで、とりあえず手持ちぶさたモードでドコモショップへ端末の解約をしに行ったのであった。もちろん、今度cdmaOneちゃん端末ちゃんが登場ちゃんなので、それに備えて余剰回線をなくそうと思ったわけだ。ついでに、iModeなんか別にどーでもいいやって感じで、ほんの米粒大の興味はあったものの、恐らく買わないだろうと思っていた。

 んで、ドコモショップ店頭。相変わらず盛況なドコモショップにおいて、俺はやはり30分程度待たされたわけだが、その待ち時間に何となくiModeのパンフレットを読んだ俺がうかつだった。
 なんかiModeはイロイロできるようだ。電子メール、モバイルバンキング、チケット予約に旅行予約。それからWebページも見られて数え切れないほどの情報サービスもありまくり。パンフレットを読めば読むほど、ソレを試したくなってきた。いやでも'99年の俺はcdmaOne野郎になるんだそうだこれからはIDOだよなIDO!! だがこのiModeもおもしろそうだ。ダメだダメだダメだこれ以上ドコモに貢いじゃダメなんだ!!

 でもモバイルバンキングやってみてぇ!! しかし今日の俺はドコモのフザケた音の端末を解約しに来たのであって解約した途端ウチ帰って酒飲んで寝るんだちくしょう!! しかしiModeの電子メールサービスは良さそうだなぁ。いかん!! こんな黄色いパンフレットに騙されちゃイカン!! 貴様それでも電話野郎か!! たるんどる!! 腕立て256回!! 腹筋1,024回!! ヒンズースクワット1,677万7,216回!! イエスサー!!

 そして俺による俺のしごきにより俺が意識を失ったと思ったら、第二の俺が勝手に出現して「あの~えーと、このiMode対応の電話とコレを機種交換したいんですけどぉ」などと言ってサインして金払って領収書もらってしまったのだから、やはり俺には禁欲が向かないのだなぁと思った。



■ iModeってこんなモノ

iMode端末 F501iに続いて発売されたiMode端末。左がN501i HYPER(42,800円)、右がD501i HYPER(39,800円)。一般的には液晶の広いN501i HYPERが人気があるようだ。ただしiModeの場合、データは9,600bps止まりで、cdmaOneのように切れにくいとか音がいいというメリットもないので、電話マニア以外はもうすこし様子を見たほうがよいかもしれない
 そんなわけで、初のiMode対応端末であるF501iをゲット(ていうか当初コレしかなかったヨ!!)。速攻で使い始めてみた俺であった。ちなみに、現在のところiMode対応端末は、富士通製のF501i、NEC製のN501i、三菱製のD501iの3機種がある。現在の俺としては、ぜひともD501iを使ってみたいと思っているが、別に富士通の端末がダメなわけじゃないっス。F501iに関してだけ言えば、なかなかこなれた操作性で、大人っぽいクールなデザインもなかなかのもの。まあフツーと言えばフツーだが、わりと気に入っていたりする。なお、各端末の詳細についてはこちら( http://www.nttdocomo.co.jp/i/lineup/index.html )を参照願いたい。

 さて、iModeだが、コレは、平べったく言えば、デジタル携帯電話(PDC)を使ったパケット通信のひとつのスタイル。いわゆるデータ通信の範疇に入るものだ。デジタル携帯電話と(9,600bpsの)データ通信カードを使ったデータ通信とどこが違うのかと言えば、パケット通信は通信時間に対して(通話)料金が課金されるのではなく、送受信したデータの量に対して課金されるという点。例えばiModeで5万時間接続しても、送受信したデータが0バイトの場合、料金はかからない。まあ実際はそんな極端な接続時間も、0バイトという送受信データ量もあり得ないが、つなぎっぱなしでじっくり情報を読んだりするには非常に有利な通信方法だ。

 iModeを使ってできることは非常に多い。多くて多くてしょうがねえので、詳しいことはこちら( http://www.nttdocomo.co.jp/i/left.html )を見ていただきたい。のだが、とりあえず俺が目を付けたサービスと、その使用感などをお伝えしたい。



■ イケてるかも!! のiModeメール

 まず、iModeメール。これは、全角で250文字までのメールを送受信できるサービスだ。通信料金としては、250文字ビッチリ書かれたメールを送ったり受けたりした場合でも約4円。10円メールならぬ4円メールと言えよう。iModeメールはインターネットを経由してやりとりできるので、一般のパソコンユーザーとメールをやり取りできる。ちなみに、iModeメールのメールアドレスは、“携帯電話番号@docomo.ne.jp”となる。

 iModeメールの最強にナイスな点は、サーバー(iModeセンター)に着信したメールを速攻でiMode対応端末に送信してくれるということ。つまり、メールが送られたらすぐに携帯電話上にメールが出現するのである。これと似たサービスとしてJ-PHONEのSkywalkerサービス(E-mailサービスのオプション追加時)があり、こちらもサーバーにメールが届いた瞬間、携帯電話にメールを送ってくれる。

 チョイ話が逸れるが、iModeとSkywalkerを比べてみたい。いったいどっちがイイのかな、と。まず、料金的には何万通受信しても全然料金のかからないSkywalkerが有利だ。iModeだとメールの文字数によって課金される。ただ、思ったより課金されない感じで、現在のところ毎日数通から数十通のメールをiMode端末で受信しているが、料金はまだ数百円という感じ。仕事柄どんどんメールが来ちゃう俺なので、月末には比較的驚く通信料を取られるかなぁとか思っていたのだが、今のところ500円未満となりそうである。まあSkywalkerの方は0円ですが。

 送受信できるメールのサイズについては、送信・受信とも最大全角250文字まで可能なiModeメールの方が有利だ。Skywalker(E-mailサービスのオプション追加時)は送信が全角64文字まで、受信は全角192文字まで。192文字と250文字の違いは些細に見えて実は絶妙な境目の上下だったりする。Skywalkerだとメールの論旨がイマイチわからないけど、iModeだとだいたいわかるという状況がけっこうあったりする。

 それから、iModeメールの方がメール“着信”の確実性が高いと感じた。Skywalkerの方は、例えば端末が圏外にいたり電源が入っていない場合は、何度か再送信してくれるが、それでもメールを端末に届けられなかった場合は、送信者に送り返してしまう。一方、iModeメールの場合は、端末にメールを送れなかった場合はサーバー(iModeセンター)にメールがプールされ、iMode端末からソレを読み出しに行く操作をすれば問題なくメールを受信できる。ソレってナンのこと支障あんの!? と思われそうだが、実際メール受信端末(もしくは着信確認&メール冒頭閲覧用)としてケータイを使う場合、iModeのようなシステムの方が便利で確実と感じる。なお、メールが端末に届く速さは、似たようなもの。どちらもメールが送られて数秒で端末に到着する。

 で、結論としてどーなのかというコトだが、俺としてはiModeメールがけっこう好きな感じである。お金をかけずかつ簡単・快適にモバイルメールするなら、恐らくJ-PHONE(Skywalkerでメールの着信を知る)とDDIの文字電話(1,000文字まで読めちゃうPメールDXでメールを読みまくる)の組み合わせだと思う。が、Skywalkerの方は1通のメールを最大3回に分けて読み込むという機構上、ほんの些細な不快感がある。アッ着信したと思って速攻でメールを読もうとするとまだ完全に受信されてないなどの、そういう些細な問題。単に着信が終わるまで待てばいいだけの話だが、せっかちな俺にとってはなんか未達成感があるっていうか残尿感があるっていうかスパッと気持ちよくなれないのだ。が、iModeメールだと、アッ着信だと思って即読んでも問題ない。着信の瞬間を狙ってすげえ速さでメール閲覧操作をしても、ヘンな問題は起きない。その辺はさすが最新のパケット通信サービス。こなれ感が高い。

 でもまあ、結局のところ、J-PHONEの端末でもiMode対応端末でも、“コレ1台でOK”というメール端末にはならない。コレ1台でOKな場合もあるのだが、仕事上では250文字を超えるメールってのはわりとザラにある。iModeメールは、“ちょっとしたメール”ならケータイ1本で読めるし送ることもできるという、ライトなメール機能だと言えよう。ていうかなんで250文字までに限っちゃったのだろうか? 500文字あたりまでにしてくれればけっこう便利だったのに。ていうかcdmaOneに対抗するなら2,001文字とかでしょうやはり。まあ簡単なメールのやりとりとか、お遊びメールならコレでも十分だが。

 ちなみに、F501iにおけるiModeメール周辺機能は、本体内にメールアドレスが300件登録可能、受信メール30件保存可能、送信メール10件保存可能など、わりと便利にできていて実用的だ。が、さすがにテンキーでの日本語入力は辛い。表示は最大で横8文字×縦6行の合計48文字で、これをスクロールさせながら読むのだが、けっこう読みやすい。



■ モバイルバンキングで振り込みまくり!!

 iModeメールの次に目を付けたのは、モバイルバンキング。iMode対応端末から銀行の口座残高を調べたり、振り込みや振り替えができる。できることは銀行のATMとだいたい同じなので、F501iはすなわち手のひらの中のATMと言えよう。

 俺の場合、モバイルバンキングは初めてだが、インターネットバンキングやテレホンバンキングは利用中である。ていうかナントカバンキングってナニって人のためにひとつ。これらのナントカバンキングは、つまり何らかの通信網を使って銀行の口座にアクセスして、預金の操作をやること。インターネットバンキングはWebブラウザ等を使ってATMみたいな預金操作ができるし、テレホンバンキングは、プッシュホン等を使って預金操作ができる。で、iModeを使ってやる預金操作が、モバイルバンキングというわけだ。

 モバイルバンキングを使うには、あらかじめ“自分の口座がある銀行への申し込み”が必要になる。iMode端末をゲットしたから即使えるっつーモンじゃない。また、銀行によってサービス内容やサービス時間がが違ったりもする。モバイルバンキングに対応している銀行は少なくなく、三和銀行、さくら銀行、住友銀行、あさひ銀行、第一勧業銀行、東海銀行、富士銀行、東京三菱銀行、大垣共立銀行、伊予銀行、紀陽銀行、滋賀銀行、西日本銀行、広島銀行、福岡銀行、北日本銀行、札幌銀行、スルガ銀行、肥後銀行、福岡シティ銀行などけっこういっぱいある感じであり、さらに今後も増えるというウワサだ。

 さて、俺の場合、三和銀行のテレホンバンキングに既に申し込んでいたので、F501iをゲットしたらすぐにモバイルバンキングができた。使い方はかなり簡単で、最初に使用開始の設定(というか登録/iMode対応端末のみで可能)をすれば、後は毎回4桁のパスワード入力だけで、残高照会や振り込みや振り替えなどの操作ができる。ヒジョーに楽勝だ。が、三和銀行の場合、振り込みをするには事前に書面による振込先の登録が必要なので、アッこれ買っちゃえ速攻で振り込んじゃえみたいな衝動買いにはイマイチ役立たない。まあ衝動買いする相手先を一定数に押さえておけば携帯電話による衝動買いが……とかってそーゆー話じゃありませんな。

 冷静に考えると、このモバイルバンキングは、例えば家賃の振り込みとか仕送りの振り込みとか養育費の振り込みなど、毎月毎月銀行に行って同じように行なう振り込み作業の手間を簡略化してくれるナイスなサービスだと言えよう。残高照会のためだけにATMや銀行窓口に行かなくてイイってのも便利だ。でもまあ、家賃を自動引き落とし(というか自動支払い)にしていたり、仕送りのかわりにキャッシュカードを渡していたり、養育費を慰謝料に含めて一発でドーンと渡していたり、宵越しの金を持たないので預金残高だっていつも0円だヨてな人にはそーんなに役立たない。常時持ち歩けるATMって、まあ別になくても支障はないけど、あればあったですげえ便利であり、俺のばあいは比較的便利な感じがしたと言えよう。



■ 全然使ってないコンテンツ各種

 俺にとってのiMode端末の魅力は、iModeメールとモバイルバンキングだけだ。その他のコンテンツに関しては、イマイチ興味がない。一応使ってみた(無料のだけネ)が、おもしろがれなかったし便利でもなかった。あっそう、という感じ。

 その他のコンテンツとは具体的に、コンサートチケット予約、トラベル予約、クレジットカード請求額照会、モバイルトレード(株式売買ですな)、書籍購入、生命保険モバイルATM(生命保険会社からお金を借りるシステムですな)、カラオケ(カラオケボックスの予約や場所探し)、FMオンエア情報、ネットワークゲーム(クイズ等)、占い、レストランガイド、モバイルタウンページ、モバイルレシピ、辞書検索、乗り替え案内、賃貸物件、ニュース、タウン情報、映画館案内、天気予報、株価情報、それからWeb接続など。どれもわざわざケータイでやんなくてもなぁと感じ、さらにやってみたら俺の住んでる場所とは全然関係なかったとか、情報誌1冊持ってればそっちの方が全然いいじゃんとかいう感じがした。まあ、この辺のコンテンツの充実はこれからという感じ。

 コンテンツの充実はこれから、なんて思うサービスに限って、コンテンツが充実する前にサービス自体が消え去ったりするものだが、iModeに関してはなかなかナイスな安全策が取ってある。それは、わりと簡単なルールに従ってWebページを記述すれば、それがそのままiMode対応のWebページを作れるということ。つまり、誰もがウェブマスターになれるように、その気のある人なら誰でもiMode端末に向けた情報を発信することができる。ドコモがあらかじめ用意したコンテンツがこの先充実しなくても、個人が発信するコンテンツが充実すれば、iModeがすげえおもしろくなる可能性がある。なお、iMode対応のWebページを作るための情報はココ( http://www.nttdocomo.co.jp/i/tag/index.html )に詳しく載っている。

 というわけで、iMode、最初は何とも思っていなかった新サービスだが、使ってみたらけっこう広がりを感じさせ、かつ、なかなか便利に使えるサービスであり、かつ、この先も期待できる雰囲気であった。

□ドコモのiModeサービス情報ページ
http://www.nttdocomo.co.jp/i/home.html
□iModeサービス開始および対応端末「F501i HYPER」ニュースリリース
http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/98/whatnew97.html
□iMode対応携帯電話「D501i HYPER」、「N501i HYPER」ニュースリリース
http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/98/whatnew117.html

[Text by スタパ齋藤]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp