狭いのイヤっ!! XGAが好き好き好きっ!!
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ソニー PCG-505RX オープンプライスだが、実売は30万円を少し超える程度で、XGA表示のノートとしては安い。低温ポリシリコン液晶を搭載して、液晶部はさらに薄くなった(ちなみに画面右側が白っぽいのは写真のせいですスミマセン) |
だがノートパソコンユーザーはそうもいかない。ノートパソコンのLCD(液晶ディスプレイ)には、解像度の上限がある。「狭いのイヤっ!! XGAが好き好き好きっ!!」と思ったら、XGA表示ができるLCDを搭載したノートパソコンを買うしかないのだ。
で、俺の場合、以前はSVGAでオッケーだと思っていたのだが、ソニーの最初のVAIOノートのPCG-715(XGA表示なんダ!!)を使ったその日から、ノートパソコンに対して強く「狭いのイヤっ!! XGAが好き好き好きっ!!」と思い続けてきた。でも残念なことに、サブノートと呼ばれる範疇のノートパソコンには、まるで全然XGA表示のマシンなんてなかった。ゆえに、XGAが好きだけどサブノートっつーモンがもっと好きな俺は、多少の我慢を交えてSVGAのサブノートを使ってきた。……まあSVGA程度あれば十分なんですけどね……でもXGAのサブノートだったら机上もお外も同じく広い画面でイーヤッハァなんですけどね……、とまあそんな感じで。
ところが先日VAIOの505にXGAのモデルが出るとの発表が!! そうなのか!! ついに出るのか!! すげえ!! B5でXGA!! いったいどんなのだろう? きっと素晴らしいに違いない!! そうだ素晴らし過ぎて欲しくて欲しくて死ぬんだ俺は!! いや、そう簡単にXGAがB5に収まるなんて考えられん!! そうだきっと505の薄さとか価格の安さとかのメリットに悪影響を及ぼすに決まってる!! そうだそうに違いない!! そうだよそうだゼ例えば値段が激高とか厚さが従来の505の倍とかそういう残念さに満ちたマシンに違いない!! ていうか実際どうなんだろう? 見たい!! 俺はそのXGA505を見てえんだよアニキ!!
インターフェイスは左側面にある。こうして見ると、RJ-45やAC電源など、本体部はすでにコネクタの幅からいって限界の厚み。薄くするためには、ポリシリコン液晶を採用するなどして、液晶部で薄くするしかないことがわかる |
で、まずグッとキたのは、やはり505のサイズでXGAというのはすんげえイイ!! この画面をSVGAのVAIOユーザーが見たら「ズルい!!」と思うだろう。とりあえず何も問題なくXGAになっており、しかもXGAになったからと言って液晶部が厚くなったりなんかしておらず、逆に従来の505より数ミリ薄くなっている。精細さや発色なども、今までのLCDと比べて遜色ないものだ。
ちなみに、505RXに採用されているLCDは、最近話題の低温ポリシリコン液晶。高精細化と薄型化を同時に可能にする液晶だそうな。ただ、なんか、TFTに比べるとギラッとしたコントラストに欠けるような気がしなくもない。また、お借りした505RXのLCDにはほんの少し、画面の明るさにムラがあった。まあこのムラは、普通では気づかないのだが、例えばデスクトップを淡い青にしたりするとわかる。フツーの人ならまるで気にならないレベルだ。
とにかく、すげ~。この超薄っぺらいノートパソコンにXGAのLCDが載っていて、MMX Pentium 266MHzでメモリ64MB(最大128MB)でHDDが4.3GB。タイムマシンで3年前にワープし、この505RXを当時のノートパソコン野郎に見せたら、きっとソレを信じないだろう。信じないどころか「こいつはきっと魔女だから燃やしてしまえ!!」とかゆーコトになるだろう。過度なカルチャーショックを受けて血迷った人々により、俺は磔の刑だし投石だしリンチだしで死ぬのだ。ヤバい。非常にヤバい!! 505RXは非常に危険なマシンである。
まず、その価格が危険だ。予約とともに505RXを購入した人によれば、ヨドバシカメラ新宿西口本店価格で309,800円(税別)という実売価格だったという。消費税込みで325,290円である。ちなみに、ヨドバシカメラのゴールドポイントカードを使えば、この325,290円に対して10%(カード払いの場合8%)のポイント還元があるので、実質上32,529円値引き!! さすが価格破壊のヨドバシカメラ!! やっぱ買い物はヨドバ……そうじゃなくて要するに、505RXは発売直後に実質上30万円を割る価格で買えたってことだ!! こここ、これは安いような気がしてならない!! いや安い!! まあ30万円というのは大金だが、30枚の1万円札と505RXをハカリにかければ、505RX側がズドーンと下がるというイメージが一気に俺の脳内に広がった!! くわッ!!
それから、もちろんVAIO505シリーズならではの魅力的なデザインや存在感、モノとしての良さと楽しさがある。最近特にイケてると思うのが、英語キーボード交換サービスだ。これは505シリーズの日本語キーボードを、2万円で英語キーボードに交換してくれるというソニー純正のサービスだ。
そんな感じで、この年末において、どうもリアルに検討しがちな機種なのである。ボーナス出た~!! サブノート~!! カッコ良くてパワフルで画面広くて安いの~!! ということになると、やはり505RXは確実に候補に上がるマシンだと感じ、俺などはまさにこういう候補にガポッと飛びつく消費者なのであり、そういう意味においてPCG-505RXはヤバいマシンなのである。
そう言えば、VAIOが登場する直前あたりは、なんかこう、パソコン市場全体(特にノート市場)に元気がなかったような気がする。いや本当は元気があったのかもしれないが、俺としては“おもしろいはずのパソコン市場がつまらなかった”のだ。努力して考えないと欲しいマシンが浮かんでこないような、そんなつまらなさを感じていた。が、VAIOシリーズが登場し、それにつられて他のメーカーが活気づくとともに、俄然パソコン市場がおもしろくなった。ともあれ、VAIOシリーズは大きな波をパソコン市場に起こしたのだ。
VAIOシリーズの中でやはりいちばん着実に進化しているのは、505シリーズだろう。大したモンである。最初にドガンと売れたのももちろんだが、尻窄みにならず、処理速度やストレージや各種機能の強化など、徐々に徐々により完成されたマシンへの道のりを進んでいる。正直な話、最初の505ブームはもしかしたら色物登場における短期間のお祭り騒ぎになるのでは!? というヒネた見方もしていた。一発屋の登場かな、と。が、そうではなかった。しっかり根付き、ある意味業界全体を活性化させた。
で、最新モデルが505RXを始めとする“Rシリーズ”。特に505RXは、最初の505を買った人も、最初の505を買わずに見送ってきた人も、こりゃどう考えても手を出したくなるモデルだ。こういうシリーズは強いと思う。カッコ良さや話題性を持ち、しかもそこに着実さが加わっている。もちろんきっと来年になればもっとすげえのが出るんだろうし、そういう想像をさせる505シリーズの“不滅感”が当たり前のものとしてある。
505が暴れ続けると同時に、売られた喧嘩は買うんだゼと気合を入れる各パソコンメーカー。来年もきっと続くぞ、来年もこういう活気が見られそうだなぁと、505RXを前にしみじみ思う冬の夜の俺であった。
□ソニーのPCG-505RX製品情報
http://www.sony.co.jp/ProductsPark/Consumer/PCOM/Note505RX/index2.html
[Text by スタパ齋藤]