ヒキが強い!! 強過ぎる!!
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松下電器 Let's note comm/C33 オープンプライス。独自のコミュニケーションコネクタを搭載、この端子に35万画素CCDを接続したモデルと携帯電話インターフェイスを装備したモデルの2機種を用意した。スクロール機能などを持つスマートポインター採用 |
最後の“くわッ”をキメてFIVAを買いに行こうとしていたちょうどその時、IMPRESS社から女性編集者がやってきた。
「あ、どうも。これ、松下の新しいマシンなんですけど、例の仕事の記事用に持ってきました~」
なんだこのアマ!! 俺が気合に気合を重ねてFIVAへの物欲を最強に強め、そしてついにその頂点にFIVA欲が達せんとしたところを仕事だの記事だの邪念を……あっ、もしかしたらソレはcommだなFIVAも欲しいがソレも超触りてえんだよ俺はオイコラ渡せソレよこせってんだとっとと渡さねえとこの携帯電話のフリップで目ン玉えぐり出すぞオラオラオラがるるる~、と言わずに思って無言で近づいたら、俺が発散する地獄の殺戮者的オーラを察したのか、女性編集者は手を震わせ歯をガチガチ鳴らし後ずさりしながらcomm入り箱を差し出した。
commこと松下のLet's note commは、CCDカメラ付きのB5サブノートマシンで、俺が以前買ったソニーのVAIO C-1に真っ向からぶつかってきたと思われるマシンだ。C-1所有者の俺としては気にしない方がいい(ていうか気にすると苦悩しちゃう)と思われるマシンだったので、敢えて気にしないでいた。
ところが、実際に現物に触れてみたら、カメラ付きとかなんとかよりも、まずその手触りが非常に良かった。剛性のあるマグネシウム合金ボディのズッシリ感に加え、液晶パネル背面はアルミニウムでヘアライン磨き加工が施され、滑らかだわ高級感アリだわで凄まじい質感的魅力に溢れていた。液晶パネルを開けた状態もいい感じで、ガンメタリックのパネルとグレーのキーボードが800×600ドットの精細な8.4型TFT液晶と相まって、パナソニックマシン史上かつてないサイバー感を漂わせていた。
こっ、これは、欲しい!! そうだ欲しいんだよアニキ!! でもFIVAも欲しい!! だがFIVAを買えばcommは買えない!! でもこのcommもすっげー欲しいんだよどうすりゃいいんだよ欲しくて欲しくてしょうがねえんだよーっ!! と思いつつハアハア息づかいを荒くしていたら、メーカーから借りたマシンを強奪されるかもしれない~と危険を感じた女性編集者が、目を泳がせながら言った。
「あのあのあの、そ、そのパソコンは(汗)、あのあの、あげるんじゃなくてあの(激汗)、火曜日までしかお貸しできないんですぅ~(超汗)」
なんだとこのアマふざけやがって!! このように素晴らしいハードウェアを俺に手渡しておきながら、貸すだけだと!! しかも返却が明日だと!! たった2日!! つまり36時間後には俺とこの魅惑のマシンを引き離しに来るのか貴様は!! 人でなし!! 見せびらかしマニア!! 鬼!! よーしわかった、貴様のマシン返却要求に対する俺の答えはこれだッ!! 必殺、近くにあった鈍器のようなもので頭部数カ所を殴打し死亡させその死体をビニールシートにくるんで狭山湖に沈め作戦!! と言わずに無言で思い、近くに鈍器のようなものはないかなぁ~と見回した瞬間、「キャァァァァーッ!! やややややっぱり来週の金曜日までだいじょうぶですぅーそれじゃあさよならーっ」と叫びつつ脱兎的逃走を敢行したので、俺はじっくり松下のLet's note commを堪能できるようになった。
スクロール機能や、四隅に機能を割り当てできるタッチパッド「スマートポインター」を採用 | |
最大の特徴は、独自の「コミュニケーションスロット」を装備したこと。ここにCCDカメラを装着するも良し携帯電話インターフェイスユニットを装着してモバイル野郎となるも良し
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そして話題のカメラが、これもまたよくできている。35万画素のCCDで撮れる画像は色もコントラストも上々で、“付属のカメラ”にしとくのはもったいないほどしっかり写真を撮れる。また、カメラ自体の機構もよくできていて、ピント合わせ、ヒンジ軸に合わせた首振り、左右へのパン機構など、非常に扱いやすい。ただ、マシンのヒンジ部分にあって便利かどうかは使用者の好みによるところかもしれない。
カメラ部分が脱着式になっているというギミックもイカシてる。この部分には、用途に応じてカメラユニットか、あるいは携帯電話アダプターユニットを接続できるのだ。で、カメラユニットのかわりに携帯電話アダプターユニットを付けると、ケーブル無用で携帯電話がつながる、非常におもしろいコネクタとなる。具体的には、通常はバッテリのようにヒンジ部分に収まっているのだが、使用時にはそのユニットの一部が横に起きあがり、携帯電話をホールドするためのアームが前後に開く。楽譜立てのようなものが、ユニットから開いてくるという感じだ。そこへ携帯電話を挿せば、通信準備完了。携帯電話を置くスペースや、携帯電話につなぐケーブルを意識せずデータ通信ができるのである。
commはスペック的にもオッケーのマシンだ。MMX Pentium 233MHz、96MBメモリ、3.2GBのHDD、V.90/K56flexモデム内蔵。そしてB5で800×600ドットで1kgで225×182×25.4mm!! 手触りのいいボディ!! カメラユニット!! 携帯電話ユニット!! ついでに相変わらずコントラストが高くて明るいTFT!! ひひひ、ヒキが強い!! 強過ぎる!!
困った、実に困った!! FIVAにするのか、commにするのか、非常に困った!! ていうかなんで買うことが前提なんだよ>俺。C1使い倒して我慢しろ>拙者。
ところでここしばらく、ノートパソコンの登場サイクルがかなり短くなっている感じだ。ソニーに歩調を合わせているのか、3カ月サイクルくらいでドシドシ新しい世代のマシンが登場している。すなわち、コレだ!! と思って買って半年くらいしたらもうアナタのマシンは旧世代。ワタシのも旧世代。みんな悲しく旧世代。諸行無常の世代交代サイクルなのであった。
そんな中、東芝が画期的とも言えるナイスなサービス“パソコンアップグレードサービス”を始めた。これは「東芝製ノートパソコンを末永く使ってくださいネ」という感じのサービスで、具体的には東芝製ノートパソコンのHDDやCPU、LCDなどのパーツを有償で交換するというもの。もちろん、より高い性能のパーツに交換してくれるわけだ。同時に、マシンの塗装関係のサービスとかOSのバージョンアップ関係サービスとかグッズ販売サービスも行なわれる。これらのサービスの中には、同社が以前から行なっていたものもあるが、今回からは交換パーツの種類が超大幅に増え、対象機種も激大幅に増えている。それから、IBMやソニーが行なっていたようなマシンの回収とアップグレード後の配送、ピックアップ&デリバリーのサービスも行なうようになった。
なんか、東芝製ノートユーザーとしては、ある種感動に近いものが感じられるサービスである。興味のある方はぜひココをご覧いただければと思う。ていうかなんか、このサービスを見越して、東芝製ノートを買うっていうテもある気がする。
□松下電器のLet's note comm製品情報
http://www.pcc.panasonic.co.jp/letsnote/prod/c33/index.html
□「東芝ノートPCグレードアップ安心サポート」サービス情報
http://www2.toshiba.co.jp/pc/upgrade
[Text by スタパ齋藤]