ユーザーが実際に新作ゲームを遊べるイベントとして、すっかり定着した「東京ゲームショウ」。毎年春と秋に開催され、毎回規模を拡大し、5回目を迎える今回は、91社が出展している。
今回は、春のゲームショウで初めて登場したPCコーナーが継続して設置されたほか、初めてネットワークゲームコーナーを併設。この他にも会場のあちこちでネットワーク対応のPCゲームを見かけた。来場者もネットワークゲームにはかなりの興味を示しているようで、PCの前で歩を止めて試しに遊ぶ姿が数多く見受けられた。
●キーワードは“インターネット対戦”
前回の東京ゲームショウ'98春で初めて開設されたPCゲームゾーンが、規模は縮小されたが、今回も開設された。ただし、ネットワークゲームゾーンが隣に併設され、かなり巨大なステージも設置されているので、実質的には前回より面積を増しているような感じを受ける。
PCゲームゾーンでの注目はセガ・エンタープライゼスの「サクラ大戦」。開発中であることは表明されていたが、初めての一般公開となる。その隣ではカプコンが「バイオハザード2」と「ロックマンX4」を展示。バイオハザード2はかなりのクオリティで十分遊ぶことができる。ただし、会場ではゾンビが徘徊しているので襲われないように注意したい。さらに注目なのはアスキー。こざっぱりしたブースだが、人気ロールプレイングゲーム女神転生シリーズの「偽典・女神転生」を遊ぶことができる。さらに遊ぶことはできないが、Windows 95/98版の「ベストプレープロ野球」が展示されている。
もちろんマイクロソフトのブースでは「Age of Empires」の拡張パック「The Rise of Rome」や「Microsoft Flight Simulator」のエンジンを利用した空戦モノ「Microsoft Combat Flight Simulator」、リアルなピンボールシミュレータ「Microsoft Pinball Arcade」など新作を遊ぶことができる。
PCコーナーの横にあるのが、今回新設されたネットワークゲームコーナー。ネットワークに対応したゲームが展示されている。エレクトロニック・アーツ・スクウェアの「ウルティマオンライン:ザ・セカンド エイジ」「Tiger Woods 99 PGA TOUR GOLF」、先週発売されたばかりのコーエー「信長の野望Internet」、WORLD PC EXPO98に続いての展示となるシステムソフトの「リアルタイム版大戦略+インターネット対戦」など。このほか、海外ではすでにいくつものネットワークゲームを発売しているVR・1がコンバットタイプのフライトシミュレータを展示。実際にインターネットと繋がっており、アメリカのユーザーとの対戦が楽しめる。
また、ネットワークゲームコーナーの巨大なステージではゲーム大会が開催されているので、腕に覚えのある人は参加してみてはどうだろうか?
ただし残念なことに、PCゲームコーナー、ネットワークゲームコーナーは中央通路から北側のかなり奥まったところに位置するため、見落としやすい。場所は、4ホールの北側で飲食コーナーBの隣となる。ぜひとも一度立ち寄って欲しいコーナーだ。
このほか、6-中央-7ではMTCIが、30人までインターネット対戦に参加できる「netWAR」を展示。その場で対戦を楽しむことができる。これは俯瞰視点のアクションゲームで、1回の対戦時間は20分程度。バリバリと敵を撃ち殺していくゲームで、ストレス解消にはもってこいだ。
2-南-3ではゲーマーズドリームが16台のPCをつなぎ、ロールプレイングゲーム「Dark Eyes」を体験できるようになっていた。大手コンシューマーゲームブースに囲まれているわりには、遊ぶために常に行列ができており、来場者の興味は高かった。
PCゲームに関してはこの他、1-南-3のコーエーで「信長の野望 烈風伝」「Winnnig Post 4」が楽しめるほか、6-北-10のTGL、5-中央-3のパイオニアLDCなどがソフトの展示を行なっている。
●ニューハード出そろう、次世代ゲーム機頂上作戦!
今回の東京ゲームショウは通称「東京ハードショウ」と言われるほどニューハードの展示が相次いでいる。セガ・エンタープライゼスのDreamcastをはじめ、ソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーション用PDA「PocketStation」、先日発表されたばかりのバンダイの携帯ゲーム機「WonderSwan」、エス・エヌ・ケイの小型ゲーム機「NEOGEO POCKET」などなど。さらにエニックスなど一部のブースでは「ゲームボーイカラー」まで展示されている。
一番の注目株はやはり「Dreamcast」。ブース内は人、ひと、ヒトで、すし詰め状態。数多くのゲームを実際に楽しめるほか、ここで初めて発表されたタイトルもあるので必見だ。また、Dreamcastの内部が展示されていたり、デザインコンペで争い破れた現在とは違ったデザインのDreamcastも見ることができる。ちなみにゲームショウの会場「幕張メッセ」の最寄り駅となる海浜幕張駅に降り立つとそこはDreamcastの垂れ幕だらけ。駅の構内でもDreamcast袋を配っていた。
会場で初公開となったソニー・コンピュータエンタテインメントのPDA「PocketStation」。この製品は、PlayStationのメモリに液晶画面などを付け、簡単なゲーム機としても使えるようにしたもの。細かな仕様も公開されたが、それによると、IrDAに対応しており、パソコンとデータのやりとりも可能なようだ。
また、対応ソフトとしては、同社の「クラッシュ・バンディクー3」、テクモの「モンスターファーム2」、そして「ファイナルファンタジーVIII」となっている。スクウェアが対応を表明したのは大きいと言えるだろう。
この他ではバンダイ、エス・エヌ・ケイの2社が携帯ゲームを展示している。それぞれ、独自のアプローチで完成させているので比べてみると会社のカラーがよくわかって面白い。これらのハードメーカーはすべてホール2と3に集中している。ソニー・コンピュータエンタテインメントとセガ・エンタープライゼスがちょうど斜め向かいに位置するためその間を多くの人が行ったり来たり。某メーカーの人によれば「まるで、洗濯機のようにグルグルと人が行き交っていた」とか……。
□東京ゲームショウ'98秋ホームページ
http://www.cesa.or.jp/cesa/tgs/index.html
□関連記事
【7月14日】東京ゲームショウ '98 秋の概要決定。ネットワークゲームコーナーを新たに設置
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980714/game_s.htm
【3月24日】東京ゲームショウ'98春、会場レポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980324/g_show.htm
('98/10/9)
[Reported by funatsu@impress.co.jp]