IBMビジネス総合フェア'98が、幕張メッセで開幕した。「e-business」と銘打った企業向けソリューションが中心の展示内容となっているが、展示ホール3の「テクノロジーゾーン」では、話題のウェアラブルPCや、DVD-ROMドライブを搭載したThinkPad 600、高精細TFT液晶ディスプレイなど、最新のハードウェアが数多く出展された。今回は、参考出品の製品を中心に紹介する。
9日に発表されたモバイルPentium II 300MHz搭載のThinkPad 600に、DVD-ROMドライブを搭載したモデル。DVD-Videoの再生は、ソフトウェアで行なっている。ビデオ出力機能も備え、テレビへの出力が可能。ビデオ出力端子は本体右側面に用意され、専用ケーブルで接続する。
基本仕様は、ThinkPad 600の最上位モデルと同じ。「参考出品のため、詳細は未定だが、発売は11月中を考えている。価格は、CD-ROMドライブ搭載モデルと同程度(688,000円)にしたい」とした。
□参考記事
【9月9日】日本IBM、モバイルPentium II 300MHz搭載のThinkPadシリーズほか
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980909/ibm.htm
【16インチ 高精細モデル】 | 【18インチ モデル】 |
120ppiを超える高解像度を実現したTFT液晶ディスプレイ3製品が出展された。10.5インチ(1,280×1,024ピクセル、157ppi)、16インチ(2,560×2,048ピクセル、200ppi)、20.8インチ(2,048×1,536ピクセル、122ppi)の3サイズが用意され、いずれも「当面は、医療用などのビジネス向けが中心となるだろう」とした。価格や発売時期は未定。
同時に、コンシューマー向けのモデルも出展された。18インチのTFT液晶ディスプレイで、最大解像度は1,280×1,024ピクセル(80ppi)。こちらも、「価格や発売時期は未定」としている、「現在、同じ解像度で16インチのモデルを発売しており、上位モデルとして製品化できないかと考えている」という。
●DVD-Video再生可能なポータブルDVD-ROMドライブ
ノートPC向けのポータブルDVD-ROMドライブで、DVD-Videoの再生に対応したモデルと、再生機能のない標準モデルの2種類を展示していた。発売時期、価格については「参考出品であり、詳細は未定」という。
転送速度は、DVD-ROMで4倍速、CD-ROMとしては24倍速で、バッテリ駆動にも対応する。インターフェイスはATAPIで、ノートPCとの接続は、CardBus対応のPCカードで行なう。
DVD-Videoの再生に対応したモデルは、本体背面にビデオ出力端子、ドルビーAC3対応の音声出力端子を備え、単体でのビデオ再生が可能。重量は、標準モデルより20gほど重く、約600gとなるが、基本仕様や筐体は同じ。
ミニPHSは、コンパクトフラッシュサイズのカードに、アンテナ、バッテリを除くPHSの機能を内蔵したもので、32kbpsデータ通信にも対応する。参考出品のため、「製品化などの詳細は未定」という。
ミニPHSの利用例として、「コンパクトフラッシュスロットとバッテリ、アンテナを備えたさまざまなデザインの筐体を用意すれば、着せ替え感覚でPHSの筐体を変えて楽しめる。ミニPHSを差し替えるだけで、同じ電話番号や設定を引き続き利用できるメリットもある」としている。
デジタルカメラで撮影した画像データを、フラッシュメモリカードから、容量640MBのMOに記録し、管理するためのもの。価格、発売時期とも未定。容量640MB対応のMOドライブのほか、Type2のPCカードスロットを備え、単体で、相互に読み書きができる。
SCSI-2インターフェイスも備えており、PCと接続して利用することもできるほか、展示では、同社の画像ソフト「デジカメの王様」がインストールされたノートPCと並べられており、PCとの併用を意識したものとなっている。そのため、ビデオ出力など、単体で画像データを再生する機能などは備えていない。製品化については、「現段階ではわからないが、ノートPCとの併用を考えて、画像ソフトをバンドルしたパッケージなどを考えている」とした。
携帯型情報端末「WorkPad」の中国語版が参考出品された。Internet World'98 Japanで日本語版が発表されたのに続くもので、中国語の手書き認識機能と、6,763文字のフォントを備える。中国語対応機能は、アドインアプリケーションとして追加されたもので、「本体は英語版と同じもの」という。
アドインアプリケーションの容量は、約150KB(フォント含む)に抑えられており、「できる限り少ない容量で中国語対応を実現した」としている。また、手書き認識は、文字の入力途中でも、その時点での文字候補を順次選択できるようになっており、「手書き認識の手間をできるだけ省けるようにした」という。
□参考記事
【9月3日】日本IBM、Internet WorldでPDA「WorkPad 日本語版」を参考出展
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/980903/workpad.htm
5月に発売された「ビアボイス カルロ」のキャラクタを、アニメ「鉄腕アトム」のアトムにしたもの。音声認識ソフト「Via Voice」の一部機能を組み込んでおり、声に反応して、デスクトップ上のキャラクタが挨拶したり踊ったりする。発売は11月の予定で、価格は未定。
□参考記事
【5月19日】日本アイ・ビー・エム、音声認識対応ソフトウェア3種
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980519/ibm.htm
□IBM総合フェア'98のホームページ
http://www.ibm.co.jp/event/sougou98/indexB.html
□IBMのホームページ
http://www.ibm.co.jp/
('98年9月16日)
[Reported by shiina@impress.co.jp]