【コラム】


スタパ齋藤

携帯電話メモリ編集ソフト2本をゲット



■シャープ端末とザウルス

 またもや携帯電話の話で恐縮だが、去年だか一昨年だか、必死でドコモのシャープ端末(携帯電話機)を探していたことがあった。型番は忘れてしまったが、それは銀色の端末で、他社の端末に比べると妙に四角くて平べったくて、それほどカッコイイとは思わなかったのだが、その端末はシャープのPDAのザウルスと接続できた。接続できて、ザウルス内のアドレス帳の電話番号データなどを、携帯電話に転送して利用できるという、凄まじい技を持っていたのだ。

 この端末を求めて走り回って電話をかけまくってネットを検索しまくった俺は、結局、それを手に入れることができなかった。もの凄く欲しかった端末だけに、手に入れられなかったという未達成感が重く心に残った。そして俺は、もしあの端末の新型が出たら絶対必ず速攻かつ即座かつ瞬時に、その新型シャープ端末を手に入れてザウルスのデータ転送してやるからそう思えよわかってんのかオラふざけんじゃねえぞこのタコ覚えてやがれ!! と誰に言うとでもなしに、啖呵を切って、その未達成感をやる気に変換・記録したのであった。

 で、手に入れたのが、こないだ紹介したドコモのシャープ端末であるSH206。やっと手に入れたゼ!! もう売り切れちゃってもかまわないよーん!! という思いに反して、なんか今度のシャープ端末は在庫が豊富みたいである。同時に、J-PHONEのシャープ端末であるDP-203も手に入れたのだが、こちらも在庫がけっこうあるようだ。せっかく俺がもの凄いテンションで手に入れたのにぃ~、こういう時に限って在庫多量なんだからヤんなっちゃうよな~、とテンションも下がり気味。

 でもまあSH206やDP-203は、ザウルスのデータをゴキュゴキュ飲み込んでくれて、それがそのまま携帯電話内の電話帳として使えるんだからもう最高っすよ最高!! と思って自らを喜ばし励ましテンションを上げて楽しんでいたら、またもや俺のそういうテンションを下げるモノが現れた。



■携帯電話メモリ編集ソフト

 ドコモのカタログを見ていたら、なんだかいくつかのメーカーの端末は、専用のケーブルとソフトを買えば、携帯電話内メモリつまり電話帳データをコンピュータで編集できるらしい。うっ糞やられた!! 携帯電話の電話帳データを携帯電話のテンキー以外から入力できるのは、ザウルスとシャープ端末だけの特権だったのに!! あーもう俺はダメだ。テンションガタ落ち。あー死ぬーあー眠い~。

 さらにダメ押し。Webで“携帯電話”や“メモリ”や“パソコン”や“編集”をキーワードに探してみたところ、ドえらいソフト発見。その名もMobileEditor。ソフトウェアとケーブルがセットになったパッケージで、コレがあれば携帯電話のメモリ内容をパソコン上で編集することができるらしい!! くわッ!! コレだ!! これしかない!! 即ゲット!! メールで注文!!

 というわけで、発売直後にMobileEditorを買ってヤッタぜコレだよコレを待ってたんだよ!! と喜んで使っていたのも束の間、他のメーカーからも続々似たようなキットが発売された。なーんか俺の自己満足的優越感がことごとく短期間でうち砕かれるような状況が続いたのであった。

 ともあれ、最初のシャープ端末から苦節……苦節だいたい2年くらいで、ようやく携帯電話の電話帳はコンピュータ上で作成するのが当然、という時代になったので、ここはひとつ、俺が使ってきた“携帯電話メモリ編集ソフト”を2本、ご紹介したいと思う。



■モバイル・エディタ

モバイル・エディタ
 モバイル・エディタは俺が最初に買った携帯電話メモリ編集ソフト。市販のソフト&ケーブルのパッケージの中では、最も早くに発売された製品だと思う。開発元はネオテクノ、価格は1,2800円。ドコモ、DDIセルラー、IDO、J-PHONE、ツーカーなど、各社の携帯電話に対応している。詳しい対応機種はネオテクノのページを参照して欲しい。

 このパッケージでできることは、携帯電話内の電話帳データをWindowsマシンに吸い出すことと、そのデータを編集することと、データを携帯電話に転送すること。扱えるデータは、メモリ番号、名前(漢字とカタカナ)、電話番号、グループ分け、シークレット設定などで、現在発売されている携帯電話の電話帳データはだいたい全部編集できる。また、編集したデータをCSV形式ファイルで保存したり、逆にCSV形式ファイルから電話帳データを読み込んだりもできるので、表計算ソフトを使って住所録を作っているユーザーなら非常に効率よく携帯電話の電話帳を作成できる。なお、シャープ端末やパイオニア端末にあるようなパーソナルメモなどの特殊なデータなど、つまり特定機種の特殊データは(現在のところ)編集できない。
 この製品、携帯電話の電話帳を携帯電話のテンキーで作成するかわりに、使い慣れたパソコンでやりましょう、というコンセプトの製品なわけで、使ってみた感じとしてはそのものズバリ、まさにカンタンにケータイのデンワチョーをサクセーできる。あ、カタカナを使えば簡単な感じを強調できると思ったが、なんか読みにくいだけですいません。

 それから、コンピュータで携帯電話の電話帳を作成できるということは、つまり携帯電話内のメモリをディスクにバックアップできるということ。同時に、モバイル・エディタは比較的新しい端末なら、キャリアを問わず対応しているので、別キャリアの端末で同じ内容の電話帳を使うことも容易だ。ちなみに俺は、モバイル・エディタを使って、ドコモ端末2台とJ-PHONE端末1台に、まったく同じ内容の電話帳を入れている。かなり便利である。もはやシャープの端末を手に入れてザウルスとつないでどうこうするという次元を通り越して、たいていの端末は、パソコンからデータを転送できるので、なーんかこないだうちのシャープ端末熱望的情熱ってなんだったのか~みたいに、過去における情熱の浪費を反省せざるを得ない。

 このパッケージで俺が気に入っているのは、設定をかなり細かくできる点。例えば、接続する携帯電話の電話帳件数とか文字数の上限とか転送スピードなどを、いちいち設定できる。機種によって入力できる文字数や件数が違う携帯電話の世界だけに、この辺を細かく設定できるのは、携帯電話野郎としては安心。また、電話帳データを1件だけ転送したり吸い出したりできるというのも良い。それから、携帯電話とコンピュータは、付属の専用ケーブルで接続するわけだが、接続中にはモバイル・エディタ画面上に“携帯電話へ入信している電波の強さのインジケーター”が表示されたりして楽しい。携帯電話の液晶パネルに表示される電波強度インジケーターは、多くが3段階くらいだが、モバイル・エディタは16段階で表示してくれるので、もしかしたら何かに役立つかもしれないような気がしなくもない。

 使い勝手だが、俺がずっと使い続けてきたソフトということもあり、非常にイイ感じだ。携帯電話・コンピュータ間のデータの転送速度だが、これは機種によって変わり、高速転送に対応している機種だとすんげえ速い感じ。逆に、一般的な携帯電話だと、まあこんなもんかな、という速度。



■ケータイ・エディ

ケータイ・エディ
 モバイル・エディタの次に手に入れたのがコレ、ケータイ・エディという名の携帯電話メモリ編集ソフト。コレもモバイル・エディタ同様、ソフトウェアとケーブルのパッケージだ。こちらも詳しい対応端末はWeb上で公表しているので、詳しくは発売元のインクリメントPで調べていただきたい。

 ケータイ・エディも、基本的な内容はモバイル・エディタと同じ。携帯電話のメモリを Windowsマシン上で編集したりするものだ。モバイル・エディタと違うのは、操作性や一部 機能、転送速度(最速を謳っている)、価格(9,800円)など。

 両者の大きな違いは、ケータイ・エディの方がイージーに使えるということ。細かいことを気にしないで、端末からデータ吸い出し→編集→端末へデータ転送、という手順で使えばスパッと携帯電話の電話帳編集が完了する。モバイル・エディタにあったような細かな設定はほとんど不要で、非常に簡単に使いこなせる。

 俺としては、決定的な差はないとは思うのだが、操作性や細かな機能のことや、それから使い慣れているということもあって、どちらかと言えばモバイル・エディタの方が気に入っている。また、細かい点にこだわった場合、モバイル・エディタの方がそのマニアックな要求に応えてくれる感じがするというのもある。

 ともあれ、両方のパッケージとも、携帯電話とWindowsマシンを持っているユーザーには非常に有り難い利便をもたらしてくれるものなので、ぜひ一度使ってみていただきたいと思う。

□ネオテクノのホームページ
http://www.neo.ne.jp/neo/
□モバイル・エディタ」製品情報
http://www.neo.ne.jp/neo/PRO01/MEMIGI.HTM
□モバイルエディタ2ベータテスター募集の案内
http://www.neo.ne.jp/neo/PRO01/info2.html
□インクリメントPのホームページ
http://www.incrementp.co.jp/indexj.html
□ケータイ・エディ製品情報
http://www.incrementp.co.jp/pc/eddy/index.html

[Text by スタパ齋藤]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp