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古いパソコンユーザーには馴染みの深いソフトハウス……では、もちろんない。こちらの「STARCRAFT」は、リアルタイムに展開する戦闘シミュレーションゲーム。開発は「WARCRAFT」の、というよりも「DIABLO」の、といった方が通りがいいであろう米Blizzard Entertainmentだ。未来の宇宙植民惑星を舞台に、地球人(Terran)、ザーグ(Zerg)、プロトス(Protoss)の3つ巴の戦いが展開される。ちなみにショップに行くと、この3つの種族がパッケージに描かれた3種類の「STARCRAFT」が並んでいるが、内容はどれも同じ。当然、どのパッケージでプレイしても同じ内容なので、深く悩まず、好みで選んで大丈夫だ。
イントロムービー。かなり力の入ったムービーに仕上がっている | モード選択画面。大きく分けてキャンペーン、マルチプレーヤーの2モード | ゲームの最初に種族を選択。最初は地球人を選択するのが無難 |
すべてのユニットは、生産のために資源を消費する。ミネラルと呼ばれる鉱物と、ベスペネゲイザーと呼ばれるガス。この2種類の資源を、いかに効率よく集めるかが重要なポイントになっている。これらの資源を集めるためには、“SCV”と呼ばれる作業用のユニットが必要とされ、このユニットを多く生産すれば資源の回収効率も高くなるが、“SCV”を生産するのにもミネラルが必要となる上、ミネラルの保有量には上限があるので、生産と採掘のバランス感覚が求められることになるだろう。“SCV”は、資源の回収のほかにも建造物の建設や修理にも必要とされる。建造物は、一定以上のダメージを受けると破壊されてしまうので、余裕を持って修理できるように“SCV”を配置するよう心掛けたい。
ユニットは、最初からなんでも自由に生産できるわけではない。たとえば、強力な火炎放射器を持つ装甲襲撃騎兵「ファイヤーバット」を生産するには資源のほかに「アカデミー」と呼ばれる建造物が必要になるし、その「アカデミー」は「バラック」がないと建設することはできない。このように、徐々にレベルの高いユニットを生産し、軍備を整えていくことが、最終的な勝利のためには、なによりも重要になっていく。最初から生産できるユニットは、消費する資源も少ないかわりに戦闘力もさほど高くない。
●秀逸なシナリオが魅力のキャンペーンシナリオ
このゲームのプレイモードは大きく分けてふたつ。CPUの操る敵を相手にするシングルプレーヤーモードと、ネットワークを介して対戦プレイを行なうマルチプレーヤーモードだ。このうちマルチプレーヤーモードは、さらにLANを介するIPX接続とモデムを介しての接続、シリアルケーブル(リバース)直結、インターネットを介してのBattle.net接続の4つに分けることができるので、全体では「DIABLO」と同じ、5つのモードが用意されていることになる。基本的にはシングルモードで練習を積み、自信がついたらネットワークで対戦プレイ、ということになるだろう。これも基本的には「DIABLO」と同じだけれど、大きく異なるのは「DIABLO」が主に協力プレイだったのに対し、こちらは対戦プレイになるという点。そして、ロールプレイングゲームではないので、全てのプレーヤーが同じ条件のもと、世界中のプレーヤーを相手に対戦を楽しむことができうるという点を挙げることができるだろう。
シングルモードはキャンペーンシナリオになっていて、複数のマップを順に転戦していくことになる。このシナリオがなかなか秀逸で、シミュレーションに不慣れな人間でも楽しめるように考慮され、こと序盤のシナリオは初心者にもわかりやすく、簡単なシナリオが用意されている。熟達したプレーヤーにとっては単純で、退屈かもしれないが、後半になればかなり歯ごたえのあるシナリオも用意されているので、そこにはひとつ目をつぶって、初心者になったつもりで一からプレイしていただきたい。
各シナリオのクリア条件はさまざまだけれど、たいていの場合敵の殲滅や基地の敵破壊などが目的となる。あるいは「資源を○○集めろ」とか「○○を建設しろ」といったもの、あるいは「○○分間敵の攻撃から基地を守れ」といった、リアルタイムであることをうまく利用したシナリオもある。逆に、敗北条件は味方の全滅、特定のユニットや基地の破壊など。これらの条件は各シナリオの開始前に表示されるほか、プレイ中にも確認することができる。ゲームのセーブは各シナリオのプレイ中にしか行なうことができないが、勝利条件を忘れてクリアできなくなるようなことはないので安心していい。また、うかつにセーブして、どうしても勝てないような状況に陥ったときでも、そのシナリオを最初からやり直すコマンドもあるので、ハマることもないと思う。こうした、プレーヤーのことを第一に考えた親切なシステム設計には好感が持てる。ゲームの進行速度もプレーヤーの技量にあわせて変更することができるので、システムさえ把握してしまえば誰にでも楽しむことができるはずだ。
キャンペーンは、地球人、ザーグ、プロトスの3つの種族ごとに用意されている。最初は地球人からプレイするようにメッセージが表示されるけれど、地球人シナリオをクリアしなくても残りのキャンペーンを始めることは可能だ。ただ、ゲームの難易度を考えると、いきなり先のマップをプレイするのと同じことになるので、あまりお薦めすることはできない。こと、この手のゲームに不慣れな方は、素直に最初のシナリオから順にプレイしていくようにしよう。
隊列を組んで移動中に敵兵と遭遇。袋叩き状態で仕留める | ミネラルの採掘を行なっているところ。基地をミネラルの近くに移動させるのもよい | ガンガン増産しているが、闇雲に増産させるのは間違い。行動は計画的に…… |
●オンラインプレイで、もし問題があったときは
実はこの「STARCRAFT」、Battle.netに関してちょっとした問題が持ち上がっている。パッケージを購入した方ならご存じと思うが、インストール時にソフトの不正ユーザーを防止するためにCD-ROM毎に設定されたシリアルナンバーを入力し、Battle.netではこれをチェックしていたのだが、このシリアルをハッキングして不正に使用するユーザーが現れ、そのため正規ユーザーがBattle.netに接続できないというトラブルが発生しているのだ。国内の正規代理店ソースネクストでは、これらのトラブルに遭った正規ユーザーから問合わせがあった場合、従来のシリアルを使用不可にするとともに、新しい番号の発行を行なっている。また、それ以外の各種トラブルについても窓口を用意しているということなので、もしもなんらかのトラブルが発生した時は、一度問合わせをしてみることをおすすめしたい。
ちなみに、この件に関し「Battle.netに接続すると個人情報を勝手に読み出してユーザーの確認を行なうようにシステムが改変された」という情報が流れたことがあるが、ソースネクストに確認をとったところ「アクセスできなかったユーザーに確認を求めるために、Blizzard Entertainmentが連絡を取ったのが、歪曲した情報として報道されたのではないか」ということだった。この情報を聞いてセキュリティに不安を感じ、手を出しあぐねていた方も、安心してプレイしてほしい。
(C)1998 SOURCE CORPORATION
(C) 1998 Blizzard Entertainment
今回、ソースネクスト様からプレゼントを提供していただきました。「STARCRAFT」Tシャツを5名様にプレゼントいたします。ご希望の方は、下記のフォームにご記入の上、送信してください。ちなみにシャツのデザインは地球人(Terran)と、ザーグ(Zerg)、プロトス(Protoss)の3種類です。
【応募方法】
応募締切 :7月6日 12:00(正午)到着分まで
応募のしかた:電子メールでご応募ください。Subjectは、[present] としてください。本文に送付先ご住所(勤務先でもけっこうです。宅配便の受け取れるところにしてください)、お名前、お電話番号をご記入ください。
メール宛先 :pc-watch-present@impress.co.jp
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