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今回のCeBITは、ヨーロッパ市場において実質的に「Windows CE2.0」マシンが初めて一堂に会したイベントといえる。また、日本国内であまり知られていない海外モデルも多く、なかなか見応えのあるものだった。本家であるMicrosoftブースはもちろん、各社のWindows CE2.0関係スペースはかなり混み合っており、手にするのが難しいケースも多かった。主だったメーカーのWidnows CE2.0マシンについて簡単に紹介しよう。
●オシャレでスタイリッシュなフィリップス
日本国内ではほとんど目にすることのできないフィリップスのマシン。今回は昨年秋に発表されたH/PCの「VELO 500」と、この春発表されたばかりのPalm PC「NINO 300」を展示。積極的なハンズオンデモが行われていた。
なかでも注目を集めていたのは、1月のCESで発表されたカシオに続いて発表されたPalm PCである「NINO 300」だ。本機はシルバーボディーを採用した実にオシャレでスタイリッシュなモデル。液晶は320×240ピクセルの16階調で、付属のドックにセットすることでPCとの連携が容易にできる点はカシオE-10と同じ。プロセッサーは自社製のMIPSベースの75MHzのRISCチップで、メモリーは4MB。オプションで省エネ仕様の19.2Kbpsのモデムも用意されている。サイズは13.5×8.5×2.0cm、重さは200g。
H/PCの「VELO 500」は、モノクロ版のH/PCでこちらは昨秋発表されたモデル。プロセッサーは自社開発の75MHzのRISCチップで、メモリーは16MB。28.8Kbpsの内蔵モデムを採用したモノクロ液晶タイプだ。また、今回はヨーロッパを中心に広く普及している携帯電話網であるGSMによる無線通信のサポートをアピールしていたのが印象的だった。
●無線モデム内蔵のH/PCを発表したLG電子
韓国の大手でH/PCに積極的なLG電子は今回、ヨーロッパで主流になっている携帯電話網でダイレクトに無線通信できるGSMモデム内蔵のカラーモデルを出品。しかも、昨秋のCOMDEX/FALLのときと同じように、巨大なディスプレイモデルをブースの中心に据えてのアピール。ベースになっているのは、Windows CE 2.0搭載のカラー液晶搭載モデルである「PHENOM ULTRA」だ。
●早くもドイツ語対応モデルを出品したカシオ
Windows CEに積極的なカシオ。今回は早くもドイツ語版のカシオペアを出品していた。H/PCタイプではドイツ語特有の文字を配置した専用キーボードを搭載した「A-20G」を発表。Palm PCタイプは基本的にアメリカ仕様と同じもので、ソフトでの対応となるようだ。
●デジタルカメラ付きモデルを中心のアピールするシャープ
海外イベントではカシオペアと並ぶWindows CE 2.0の顔になっているシャープのH/PC。今回は、ドイツ語版キーボードを搭載して登場した。カラーモデルの「HC-4500」はその代表格といえる。もちろん、CeBITでもPCカード式のズームレンズ付きデジタルカメラユニットを装着したモデルを中心にアピール。他社との差別化を図っていたのが印象的。
●ドイツ語版キーボード採用のHP、Cシリーズを出品したCompaq
Compaqは米国仕様と同じCシリーズで、モノクロ仕様の「810」とカラー液晶の「2010C」を出品。いずれのブースも、H/PCのデモスペースはかなり賑わっており、windowsCE2.0マシンへの関心の高さを感じさせた。
□CeBIT 98のホームページ(英文)
http://www.messe.de/cb98/index_e.html
□参考記事
プロカメラマン山田久美夫のCeBIT 98レポートインデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980331/cebit_i.htm
('98/4/2)
[Reported by 山田 久美夫]