年が明けて早くも2カ月が過ぎようとしています。気温が寒い日々が続きますが、パソコンショップはどこも寒い日々が続いているようです。気温が低い上に、雪が降ったり冷たい雨が降ったりと天候も今ひとつパッとしない日々が続いていることもショップにとっては辛い事です。お察しの通り、天候が悪ければ秋葉原に出向いてくる人の数も少ないですから、必然的に売り上げも良い方向へは行きにくいでしょう。景気の良い話はあまり聞かないのが現状です。
ただ一つ良いこととしては、円高になってきたことです。輸入品を中心としているパーツ系ショップにとって、円高になることで予想外の仕入れ価格の下落となります。実際に売価に反映されたかというと、為替のレートに比べてずっとゆっくり反映されるのが通例です。逆に円高になる直前にたくさん買ってしまったショップやメーカーは苦しいかもしれません。為替レートの動きは激しいので、タイミングをみて円高の時に海外に送金するなど大変な日々です。パソコンのパーツ市場は為替や新製品の登場情報、その他の大きなトピックで大きく変動します。「先物取引より難しいかもしれない」とは筆者のショップにいるメモリの仕入れ担当のお言葉。先が読めないことが多すぎて大変なようです。
Voodooチップ搭載3Dビデオカードは登場当初、それほど売れませんでした。当時、いくつかの競合3Dチップを搭載したビデオカードが登場し、互換性が無かったためです(Microsoft Direct X対応なら互換性はありましたが)。ところが、時間が経つにつれ、Voodoo対応もしくは専用のゲームが徐々に増えていきました。大きな人気タイトルも生まれ、いつのまにかVoodoo対応が標準的となり、Voodoo搭載ビデオカードも非常に売れる商品へと変身していきました。
その後VoodooはVoodoo Rushという2Dの機能も統合したバージョンも出て、それなりに売れました。そういう筆者もQUAKE2( http://www.idsoftware.com/ )というソフトをやりたいがために、12月にVoodooを搭載したMagic3Dというカードを衝動買いしています。はっきり言って、このクオリティとスピードは一度、手にしたらVoodooの無い環境には戻れないと思います。筆者もVoodooに魅せられた人間の一人なのですが、同じようにVoodooに魅せられたパソコンゲームユーザーはかなりの数に上ると思います。Voodooは新しいコミニティを生んだと言えます。
そのVoodooの次期バージョンであるのが「Voodoo2」です。否が応でも期待は高まります。かなり前より話題に上がっていたのですが、ついにVoodoo2を搭載したビデオボードが3月初めには出てきます。今回のVoodoo2共通の特徴はまず、速くなることはもちろんですが、ビデオメモリが多く持てることがあります。そして何よりもゲー
ムユーザーを熱くさせるのが2枚差すと約2倍の速度になるという機能があることです。この機能はSLIと言うのですが、なんとマニアックな機能なのでしょう。
Voodoo2を搭載したビデオカードをまず最初に販売するのは、Voodoo搭載ビデオカードをおそらく日本で一番販売したであろうDiamond Multimediaと、Voodoo市場に初参入のサウンドカードで有名なCreative Technologyでしょう。
まずCreative Technologyの3D Blaster Voodoo2は何がすごいかというと、その商品名です。今までのVoodoo搭載のビデオカードでは「Voodoo」という名前が商品名に入っていません(Voodoo搭載ビデオカードとは謳えます)。それは3Dfx社の商標だからです。
ところがCreativeは交渉がうまいというか、お金の有効な使い方を知っているというか、販売戦略がうまいのか分かりませんが、なんと「Voodoo2」という商標を3Dfx社より“買ってしまった”のです。新規参入という不利を一気に吹き飛ばしての、この殴り込み方は素晴らしいの一言に尽きます。一つ難点と言えば、3D Blasterというネーミングが過去のイメージから決して良いとは言い難いところでしょうか。(^^;
もう一社のダイヤモンドはMonster 3D IIという商品名で出てきます。製品は8MBバージョンのみです。もちろんSLIはサポートされます。Voodoo搭載のMonster 3Dを作っていたメーカーですから製品についての安心感はあります。筆者はこちらを2枚買って、2枚差そうかと考えています。SLIにしたいので、3D Blaster Voodoo2の12MBは必要なく、安価なMonster 3D IIにしようと思っています。
さてさて、非常に楽しみ(筆者が一番楽しみなだけかもしれませんが)なVoodoo2搭載ビデオカードですが、すでにVoodoo2チップのメーカー間での奪い合いが激しくなっているようで、まず間違いなく品不足となるでしょう。どこがいちばん出荷できるかは分かりませんが、筆者はCreative有利と見ます。商標を買ったこともあり、3Dfx社と強いコネクションを作ったことは明らかです。また日本市場向けを重視するかどうかは各メーカーのアメリカ本社の意向となりますが、今までの筆者のショップでの経験から、どちらかというとDiamondよりCreativeの方が日本市場に多めに物を流してくれそうな気がします。こればっかりは蓋を開けてみないとわかりませんが、どうなることやら。筆者のショップでDiamondの担当営業さんとCreativeの担当営業さんが鉢合わせになると(これが結構ある)、なにやら怪しい雲行きとなり火花が散るから怖い怖い。(^^;
何が良いって、ワイド液晶でしょう。800×480ドット表示はミニノートには最適。サイズが大きくならずに表示画面を大きくする、最適のアプローチではないかと考えます。ワイド液晶というのは結構良い物で、最初にSharp Mebiusノートが採用したときは、かなり話題になりました。PanasonicのLet's note miniは正統派で800×600というアプローチをとりましたが、東芝はアクロバティックなやり方で、今までのLibrettoのイメージを崩さないところが素晴らしい。おかげで従来のLibrettoユーザーも欲しいこと間違いなし? でしょうか。
そして何よりもすごいのは価格。まだ発表されていないですし、正式なルートから入った情報ではないので細かい事はわかりませんし、また確定的とは言えませんが、一言で言うと「すごい」です。Librettoがよく売れた要因の一つは価格です。販売価格がユーザーにとって手に届きやすい20万円前後に最初から設定されていたことが成功の大きな要因です。「Libretto100もそれを踏襲しそう」ということだけ言っておきます。スペックアップをかなりしていますから、値段が多少は上がるかもしれませんが、大きな違いまではいかないと思います。もし今までのLibrettoに近い価格で出るとすると、大ブレイクは間違いなし。3月の発表が楽しみです。
またそれに付随する形で従来機種の値下がりが2月より急激に始まっています。旧機種を安い価格で買うなら今が狙い目かもしれません。しかし筆者はLibretto100に目が行ってばかり。Monster 3D II×2枚とLibretto100を全部買うには財布がかなり厳しい。(^^;
さぁ、売るぞ!
[Text by AMUAMU]
■新製品ラッシュ――筆者の注目商品
そのような中で、年度末の需要に合わせて大きな目玉となる、新製品が続けて発表されています。そのような中で、筆者が特に注目する2商品を取り上げます。●3Dfx社 Voodoo2 搭載3Dビデオカード
まず、これからの一番の注目で、おそらく今年最初の大きな目玉ではないかと思われるのが、3Dfx社のVoodoo2の登場です。
Voodooチップは3Dビデオの機能のみに特化したビデオチップであり、アーケード版(ゲームセンターなどにある業務用ゲームマシン)並みの3D性能を提供してくれるチップとして'96年、登場しました。2D等の基本的なビデオの機能は他の高性能なビデオカードに任せ、3D部分のみのクオリティとスピードを上げるというチップです。チップは3Dfx社が提供していますが、それを搭載したビデオカード製品を販売するメーカーは数社あります。
またもう一つの特徴として、メモリを12MB搭載したバージョンを用意することが挙げられます(8MB版もあります)。●東芝 Libretto100CT
もう一つ、筆者が注目するのはミニノートの代名詞、東芝Librettoの最新機種「Libretto100CT」です。PC Watchで既報の通り、東芝ヨーロッパが先行で発表“してしまった”のですが、このスペックは魅力的というほかありません。
いやはや、東芝には最初の機種のLibretto20も「やられた」と思いましたが、また思わせてくれそうです。絶対売れるこの機種の登場にショップとして期待せずにいられません。
●その他
その他のパーツ類ですと440BXマザーボードがフライングで登場するかどうかや、100MHzの外部バスに対応したマザーボードがたくさん出てくるのではないか等、いろいろあります。AMD K6の次のバージョンK6 3Dはどうなったのでしょう?
Pentium II 350MHzや400MHz、450MHzは出るのか? などなど、新しい製品のトピックスは山盛り。久々に市場が活性化するかどうか、この3月は過去1年間で一番期待できる月となりそうです。
【PC Watchホームページ】
ウォッチ編集部内PC Watch担当
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