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製品の仕様などについては、発表時の記事をごらんください。
(編集部)
コダックのデジタルカメラは長野オリンピックのオフィシャルカメラなのだから、やるのではないかと思っていたけれど、案の定、低価格メガピクセルモデルで独走する「DC210ZOOM」の姉妹機であり、さらに低価格を実現した、単焦点レンズを採用の普及版モデル「DC200」を“長野オリンピック開催記念モデル”として発表した。
一見してわかるように本機は、「DC210ZOOM」と同じ筐体を使い、レンズを固定焦点式の単焦点レンズ(35ミリカメラ換算で39mm相当)に変更したモデル。レンズ以外の部分ではIrDA転送機能が省かれていることくらいで、あとはほぼ完全に同一というもの。
価格は「DC210ZOOM」より1万円安い71,000円!!
なにしろ、DC210ZOOMは発売当初から、量販店では実質5万円台半ばの実販価格となっていたわけで、もし、同じ値引き率で市場に投入されれば、史上初の49,800円という世界も夢じゃない、超低価格モデルになりそう(これが実現すれば、「今年前半にはメガピクセルが49,800円になる!」という、今年の私の予測が実現するんだけど……)。
はやくも本機のベータ版モデルが入手できたので、その印象と実写結果を簡単にレポートしよう。
●気持ちのいい操作性
まず、ベースが「DC210ZOOM」と同じであり、操作性なども同一なので、それらの点は以前掲載した「DC210ZOOM」のファーストインプレッションと実写画像続報を参照いただきたい。
正直いって、はじめて手にしたときの印象は、さほど強いものではなく、「ああ、確かにDC210の単焦点版だ」といった程度のものだった。
しかし、実際に使い始めてみると、これが結構、気持ちいい。なにしろ、ピント合わせ不要の固定焦点式(70cm~無限遠)であり、ズーム操作もないので、当然のことながら、撮影時に操作する部分がない!
こうなると、あとはシャッターを押すだけで、ほとんど、簡易コンパクトカメラやレンズ付きフィルムのような感じで、実に気持ちがいい。
もちろん、画像記録時間は従来通りで時間はややかかるが、レンズ付きフィルムで連写するわけでもないし、肩の力を抜いて、気軽にスナップするなら、これで十分という感じがするから不思議。しかも、撮影後すぐにに液晶で画像が見られるし、失敗したら点灯中に、液晶左下のごみ箱ボタンを押すことで、メモリーカードへの記録をキャンセルできる点もうれしい。
●自然な描写できれいな肌色
画質面では、まだベータ版であり、比較実写をしたわけではないが、全体に比較的明るい雰囲気を備えており、露出レベルもよく、肌色の写りなど実にきれいで感心する。また、固定焦点式ということで遠景や近景のシャープネスがやや懸念されたが、いずれも実用範囲といえそう。メガピクセル機といっても、オリンパスやコニカのような解像力重視のカリカリしたものではなく、適度に丸みのある自然な描写といえる。レンズ設計上はズームよりも単焦点式のほうが解像度の点で有利な部分もあって、こと、写りに関しては、DC210ZOOMに引けをとることはない。
もちろん、まだまだボディーが大きいし、デザインもやや個性的で好みが分かれる部分があるが、実販5万円のメガピクセル機だと思うと、妙に納得してしまう部分もある。これで、もうちょっと小さくなると、いよいよ、誰もがコンパクトカメラ感覚で、気軽に使える“デジタル・コンパクトカメラ”という感じで、気の早い話ではあるが、本機の後継機はかなり期待できそうだ。
今年はメガピクセル機がブレイクし、一気にポピュラーな存在になることが予想されるが、本機はそれを予感させるに十分な、今年初めてのメガピクセルモデルといえる。
蛇足ながら、コダックのデジタルカメラが、長野オリンピックのオフィシャルカメラなのだから、やはり、カメラの起動時や再生時に、液晶モニターにオリンピックマークがオープニングとして表示されるような、おしゃれな「長野オリンピック記念モデル」を作って欲しかった。もっとも、2月6日発売では、もう、間に合わないだろうが……。
■注意■
('97/1/30)
[Reported by 山田 久美夫 ]