月1回連載:スタパ齋藤のパソコン的衝動買い的日常コラム第2回:VAIOノートPCG-715は男らしいパソコンだ! |
買ったのはソニーのVAIOノートのPCG-715という機種。MMX Pentium 166MHz、2.1Gのハードディスク、平均12倍速(最大14.5倍速)のCD-ROMドライブ、そして12.1型TFT液晶ディスプレイには1,024×768のデスクトップを表示できるとゆー、なんかデスクトップマシンみたいなノートパソコンである。ちなみに、サイズは幅297mm×高さ37.6mm×奥行き236.5mmで重さは2.4kgだというから、今時のノートにしてはやっぱりデカくて重いデスクトップマシンっぽい雰囲気のノートパソコンだ。
だが俺はこーゆーのが欲しかったのだ!! 何も持ち歩くだけがノートパソコンの意義ではない!! 最初っから必要な機能が全部入っていて、液晶部分をパカッとやるだけでON/OFFできて、動作音が超静かで、うさぎ小屋を犬小屋にまで圧迫することのないコンピュータ。ノートパソコンのメリットはそーゆー部分にだってあるのだ。すげえ小さくて薄いデスクトップパソコンを買ったと思えば、これはもう素晴らしく嬉しい感じがしてくるというわけだ。
「ボクなんかウォークマン3回も故障したし」
「ソニーのビデオカメラが故障しちゃってテープ出てこないんだよね」
「ソニーのヘッドホンがさあ、コードがさあ、露出しちゃってさあ」
なんか、ソニーの話をすると、故障の話がよく出てくる。
しかし、俺が使っているソニー製品は全然故障しない。ソニーのビデオデッキを3台も使っているし、ソニーのAVセレクタも使っているし、MDもCDもラジオも使っているが、どれも全然壊れやしないどころか、すこぶる調子が良い。テレコム博士の法林さんに譲っていただいたソニー製の11型テレビなんざぁ、毎日5時間くらい使っててもう3年くらい経つのに、まるで支障が出ない。
「そりゃ齋藤さん、アレですよ、齋藤さんはソニーと相性がいいんですよ。あるんだな、ソニー製品との相性」
とか言われたりなんかもするが、これも違うような気がする。考えてみれば俺は、ハードウェア全般を非常に丁寧に扱っている。ハードウェアを落っこちそうになれば捨て身でハードウェアを守って傷やアザを作る奴なのだ。だから故障しないのだと思う。それから、巷にはソニーの製品が溢れまくっていてユーザーが多いから故障した話もよく聞く、というだけのことに思える。
だから俺のVAIOノートは絶対に故障しないんだーゼ~ッ!! ソニーの製品だからって故障するなんてのは迷信だーゼ~ッ!! 大丈夫だーゼ~ッ!! きっと故障しないわ快適だわでウハウハだーゼ~ッ!! とか躍起になってソニー製品故障説を否定している俺は、実はソニー製品は故障しやすいのかも~と思ってアセっている小心者ですか?
ともあれ、VAIOノートを買ってから既に1ヶ月ほど使っているが、もちろん全然故障してないし、快適だし、愉快である。
それから、プリインストールのソフトもよかった。あのワープロやあの表計算やあのスケジュール管理ソフトなどは一切入っていなくて、入っているのは画像をどうこうするソフトとか音をなんかするソフトとか通信であれこれするソフトだけ。いちばんパソコンを買いたがるであろうビジネスユーザーのことなんざぁ全然考えちゃいねえという点が立派だ。“パソコンを使えば仕事が効率的に進むし時代を先取りするしキレ者になれる”というありがちなテーマを一切掲げていないところが男らしい。
だいたいいつからパソコンが仕事のツールになったんだ。まあもちろん仕事のツールにもなるが、パソコンっちゅーモンは基本的には趣味の道具なのだ!! 嬉々としてキーボードを叩き、爛々と輝く目で画面を見、何時間もかけていろいろやって、結局はただ充実して満足すればそれでオッケーなのだ!! 作業の効率化だの情報の円滑な運用だのは単なるオマケであって余興であって二の次未満なのだぁッ!! おもしろがることこそパソコンの中核!! それ以外のことはどうでもよしッ!!
という考え方はもはや通用しないかもしれないが、俺がずっとパソコンを使ってきた真の理由をしっかり肯定してくれるような内容の、このVAIOノートは、なんつーか俺が買わずして誰が買う~みたいな存在なのであった。
本体は今時のパワフルなノートパソコンらしく、ハイスペックだったり、バッテリーが長時間(最大8時間)持ったり、1台でだいたい何でもできるような感じだ。仕事もできればゲームもできる。申し分ないスペックのマシンだ。
で、“愉快”なのが、数々のプリインストールソフト。
まず、画像系。PictureGearとAdobe PhotoDeluxeが入っているのだが、これらを使うと静止画の管理と加工を十二分に楽しめる。PictureGearでデジカメから転送した画像を管理し、画像に手を加えたいナと思ったらPictureGearから直接Adobe PhotoDeluxeを起動してフォトレタッチできる。これらは基本的にデジカメの画像をどうこうするソフト群で、今時のパソコンになら入ってそうなモンだが意外に入ってなかったりする。これがプリインストールだという点が愉快だ。
それからDV静止画キャプチャー(というソフト)。ドッキングステーション(後述)を通じて入力した動画をどうこうするソフトなのだが、ソニーのデジタルビデオカメラを直接コントロールできたり、カメラ内の画像をデジタルで撮り込んだりできる点が良い。PictureGearもそうだが、ソニーのサイバーショットやDV端子付きデジタルビデオカメラと連携させる向きにはバッチグーなソフトなのだ。マシンを買ったその日からデジカメやデジビデと合体させて使えるという点に、すこぶるわくわくしちまう。
あと、ナビ研の各種規格の地図CD-ROMを見たりなんかできるNavin'youとか、VAIOノートをCDデッキやビデオCDデッキとして使えるMediaBar、それから各種インターネット系ソフトなど、非仕事な感じのプリインストールソフトがたくさん入っているのだが、俺としてはCommunicationCenterという電話/FAXソフトをすげえ気に入ってしまった。
CommunicationCenterを起動すると、VAIOノートがそのまま留守番機能つき電話になり、FAXになり、メール端末となる。で、おもしろいのは電話の機能。CommunicationCenterで電話したり電話を受けたりすると、相手の声がVAIO本体から出るわ自分はVAIOに向かって話せばいいわで、非常に楽しい。電話にもなるノートパソコンなのだ……え!? そんなの前にもあったって!? そうそうあったあった。が、ノートでコレができるという点が楽しい。電話したりテレビを見たりするためにわざわざWindows 95を起動しなきゃいけないデスクトップとはわけが違う。さあ電話しよっと、パカッ、プルルル、もしもし、と。レジュームしまくりのノートだからこそ、電話機能が実用的なのだ……と書いてはみたが、もしかしたら既にこーゆー機能って一般的なんスか!?よく考えてみたら、俺って通信系の最新ハードやソフトに案外疎いかもしんない。ともあれ、俺にとってVAIOのCommunicationCenterは、なんかわけもなくいじくり回しちゃう的愉快ソフトなのであった。
あと、CommunicationCenterの留守番電話機能もかなり実用的で、というかすんげえ便利で、まるでメーラでメールを管理するように、録音したメッセージを音声ファイルで管理できる。パソコンで声の情報を利用する、というコトにピンと来なかった俺だが、留守番電話の録音メッセージをパソコンで利用するのがこんなに快適なことかと思い知った次第である。例えば留守番電話の前でペンと紙を手にしてからメッセージを再生するような、比較的面倒だし情けない状況とは一切オサラバできたりして、とても気分がいい。
ハードウェアとしてのおもしろみは、やっぱりドッキングステーション(VAIOノートの機能を拡張したり他のハードウェアの接続性を高めたりする装置)だろう。VAIOノート(PCG-719,PCG-715,PCG-713)用のドッキングステーションは2種類ある。低価格モデルのPCGA-DH7には、DV端子、ビデオ出力端子、オーディオラインIN/OUT、それからシリアルパラレルマウスモデムゲームUSBディスプレイなどの各種端子がある。使うと映像の入出力ができるようになるという点以外は、ほかのノートパソコンのソレとだーいたい似たようなモンである。
で、高価格モデル(?)のPCGA-DB7の方だが、こちらにはさらにLAN(10BASE-T)とSCSIインターフェイスが内蔵されている。必要になりそうな機能がほとんど入っている、いわゆるひとつの全部入りドッキングステーションがこのPCGA-DB7だ。VAIOノートとPCGA-DB7があれば、なんつーかもうデスクトップマシン以上に速攻かつ楽勝にいろんな機器を利用できるようになる。もちろん各種ドライバ類はVAIOノートに入っているので、ドッキングステーションはただつなぐだけで使えるようになる。俺の場合、“ただつなぐだけでこの全部入りを使えるようになる”というところに強くソソられて、思わず買ってしまった。