月1回連載:スタパ齋藤のパソコン的衝動買い的日常コラム第1回:結局ノートが好きなんです |
で、よーくよーく考えてみると、俺の場合、その安定&便利なマシンは、いつもノートパソコンだった。だからデスクトップパソコンの数十倍の時間、ノートパソコンを使っている。
俺にはデスクトップパソコン運がないのかもしれないが、デスクトップ機を使うといつも必ず困った事態に陥る。ディスクがクラッシュしたとか、デバイスを認識しないとか、ソフトが動かないとか、いろいろなトラブルをデスクトップ機で体験した。
が、ノートパソコンではほとんどトラブルを体験していない。
たぶんノートパソコンにはユーザーが手を出せる部分が少ないからで、デスクトップパソコンはユーザーがどんどんカスタマイズできるというのが原因なのだが、まあそれにしても俺にとってデスクトップ機というのはイマイチ信用ならないマシンであり、ノート機というのはまったく便利でノープロブレムで落ち着く存在である。
まず、ノートパソコンの静けさがいい。ハードディスクが回転する音がわずかに聞こえてくるくらいで、他には音がしないのがいい。些細なことかもしれないが、俺は動作音がデカい電子的装置があまり好きではない。よく、どデカいファンがついたデスクトップ機や、すげえシーク音がするディスクを使っていて平気な人がいるが、俺はやかましいと感じた時点でそのデバイスにムカつきを禁じ得なくなる。そしていくらムカついても相手が機械じゃしょうがねえので結局、そのデバイスを使うことが苦痛になってくるのだ。そういったわけで、俺は必要がない限り、デスクトップパソコンは起動しない。
それから、ノートパソコンの液晶画面がいい。ていうかだいたい、カソードレイチューブとゆー装置は不甲斐ない。我々が画面で見ているものというのは平べったい図柄であり色であり光なのだ。そんなモンをわざわざあんなに奥行きがあってデカくて重い装置の表面だけを使って見るとは何事か!! 平べったいモンは平べったい装置で見るのが正しい!! だから俺は液晶だッ!! わかったかCRT!! って怒ってどうする。でもいつも「なんでCRTってこんなにでっかいわけよ~使うのは表面だけなのに~」と思っている。紙の上の文字を読むのが液晶ディスプレイならCRTは石版を読んでいるようなモンだ、と言えば言い過ぎだが、やっぱり場所を取るのは困りモンだ。
さらには、比較的最近の話ではあるが、ノートパソコンは楽勝感が高い。昔はノートパソコンというと、拡張性はないわ特殊な部分が多いわクセがあるわで、わりと使いづらいパソコンだったが、最近はどのマシンも非常に楽勝である。通常必要なポートはだいたいあるし、PCカードスロットもあるし、処理速度もデスクトップ並みだし、キーボードだって打ちやすくなっている。「買ってすぐ使える」というフレコミのパソコンはいろいろあるが、ノートパソコンはホントにそうかもしれない。
あと、ノートパソコンはやっぱりカッコイイ。なんつーか、ギュッと性能が凝縮されている感じで、高密度で……、うまく説明できないので、知人のセリフを借りてみる。
デスクトップパソコンを見た知人は言う。
「こんなにでっかくて偉そうなんだからこのくらいできて当然って感じだよね」
またノートパソコンを見た知人は言う。
「何これノートパソコンってやつ~すげえじゃん薄いじゃん画面キレイねー。うわっデスクトップとおんなじコトできるんだーすげえよコレ山椒は小粒でナントカってやつだねー」
抽象的だし非論理的だが、なるほどそうかもしれない。巨大な悪の組織に独りで立ち向かうとヒーローとなり、柔よく剛を制すが美しくて、弱く小さい者が底力を発揮するのを小気味よいとする日本人の当然の反応かも知れない。ノートパソコンは生まれながらにして人に好かれる要素を持っているのかも知れない。
当然のことだが、ノートパソコンは可搬性に優れているというか、どこにでも持っていって使える。これは便利なことである以上に、非常に楽しいことだ。ある程度パソコンに慣れると誰でも感じると思うが、例えば「あっコレはパソコンに入力しよう」と思うようなデータや「おっコレってパソコンで調べればわかる」ということが出たとき、デスクトップというのは憂鬱な存在だ。いちいちデスクトップパソコンがあるところまで行かなければダメだというのは、手軽ではない。かったりい。つまり「あー面倒だからいいや」=何もできない→つまらない、ということだ。
でもノートパソコンならソレを“今ここでできる”のだ。しかもレジュームなりハイバネーションなりのモードにしておけば、液晶を開いて即マシンを使える。“今ここでできる”ことがなぜ楽しいかはつまり、パソコンというのは使えば使うほどデータが蓄積され、そうするとよりコンピュータを使うようになり……という相乗効果で、コンピュータを使いこなせるようになり、コンピュータを楽しめるようになる。というかコンピュータをツールとして使ったときに初めて見えてくる世界を堪能できるようになるのだ。
モバイルできるのとできないのでは、大きな違いが生じてくるというわけだ。
ハードウェア的な面のおもしろさとしては、やはり正直言ってデスクトップ機の方が深く楽しめはする。チューンナップ、カスタマイズ、拡張、改造など、いろいろな楽しみがある。ビデオカードを変えたり、ディスクを増設したり、マザーボードに手を加えたり、その他数え切れないほどのカードが存在しそれを試せる……まさにディープに楽しめる。が、「コンピュータいじりが趣味です」と言い切るような人でなければ、そこまではハードウェア的おもしろさにはこだわらないだろう。
そこまではこだわらないけど、おもしろそうなハードウェアならちょっと使ってみたい、という向きには、絶対的にノートパソコンが楽しい、と俺は思う。なぜなら、まず接続が簡単で楽だからだ。サウンドカードやビデオカードの性能を追求したり、特殊な目的のカードを使うというのでなれけば、たいていのハードウェアが試せる。例えばPCカードをサクッとスロットに挿してサクサクッと使えるようになるPnPなフィーリングは、ハード自体よりもハードが実現してくれるコトに興味がある人向きだ。
別の意味でノートパソコンはハードウェア的におもしろい。それはやはり、ポートリプリケーターとかドッキングステーションと呼ばれるノートパソコン用のドック(台座)だ。ドックに装着できないノートパソコンも多いが、ドックに装着できる機種は案外楽しめる。
例えば、単に「ガチャッと合体して、戦闘ロボみたい」というふうに愉快だ。また、「ガチャッと合体して、ガンダム感が高い」と喜ぶ人もいる。ともかく、多くの人々は合体したり分離したりする装置にことのほか弱いのである。
まあ現実的な話、ドックがあると、ノートパソコンがいきなり高度に拡張されたり、ノートパソコンをデスクトップ機のように据え置きにして使うのに便利になったりする。ある意味、ドックに収まるノートパソコンは、デスクトップとしてもノートとしても使えるのだ。
ついでに、ノートパソコンはやはり液晶がキレイでよい。と言ってもTFTカラー液晶の機種だが。どーゆーわけか、最近のノートパソコンはどの機種もすんげえキレイなTFTカラー液晶が搭載されている。先ほどCRTのイマイチ感を記述したが、いいTFTを使うと、CRTなんか見ていられなくなるほど快適だ。俺思うに、CRTのボヤケ具合こそ目を悪くする元凶であり、同時にヘボい液晶のノートなんざぁノートの良さ75%減であり、ノートパソコン買うならまず液晶の良さを見よ!! といった感じである。
とか書いていたらおもむろに新しいマシンが欲しくなってきたので(ここで一時執筆停止:ラオックス入間店に向かう)、くわッ!! コレだコレだぜ買ったんだぜすげえぜ新マシンだぜやっぱノートパソコンなんだゼ~ッ!! というわけで、自分の原稿に煽られて思わず新しいノートパソコンを買ったので、次回に紹介したりしてみたい。
●スタパが買ったかもらったかしたコンピュータ(PDA等除く)●SHARP MZ-80B NEC PC-8801 NEC PC-8801mk2SR NEC PC-9801VM2 Fujitu FM77AV40 AMIGA 800 NEC PC-98LT Fujitsu FM8 NEC PC-9801VM0 SHARP X68000XVI EPSON PC-286V NEC PC9801N NEC PC9801UV11 EPSON PC-386M Apple MacintoshIIci NEC PC9801NSE Apple Macintosh Classic Apple Macintosh Centris610 EPSON PC-486SR NEC PC9801NST Apple Macintosh Quadra840AV Egoware 333 EPSON QC-11 Sinclair ZX-81 NEC PC9801NSA Apple PowerMacintosh 8100/80AV HP-100LX(1MB) OlivettiQuaderno33J Gateway2000/466 OlivettiM482Modulo IBM TP230Cs P5-60MHz(自作) NeXT Cube HP-200LX(2MB) NEC PC-9821Xa7e IBM PC110 Apple Powerbook 5300Cs P5-90MHz(自作) MicroQ(グロリアシステムのAT互換機/半自作/486-66) Micron MILLENNIA 166 (Pentium166MHz) DEC HiNoteUltraII 120 Apple PowerMacintosh 8500/150 MicroQ(グロリアシステムのAT互換機/P120) TOSHIBA Libretto20CT NEC PC9821La10(note)/S8modelC Panasonic Let'sNote(AL-N1/133MHz) TOSHIBA T3400(486/33,note) TOSHIBA Libretto30CTA Apple PowerBook1400c NEC Mobile Gear MC-MK12 Safari 200 |
[Text by スタパ齋藤]