★ ゲームソフトインプレッション ★

RIVEN THE SEQUEL TO MYST
(日本語版)

ロゴ

  • ジャンル:アドベンチャー
  • 発売メーカー:SME・インターメディア(制作:サンソフトCYAN
  • 標準価格:8,800円
  • 対応OS:Windows 95/Macintosh(ハイブリッド)
  • 発売中
 
【ゲームの内容】
     全世界で350万枚以上を売れたという大ヒットアドベンチャーゲーム「MYST」の続編。3時間を超えるムービー、7,000枚にも及ぶコンピュータグラフィックスで構成された謎の異世界を舞台にあちこちにちりばめられたパズルや謎を解きながらストーリーを進めていく。「MYST」で解かれなかった謎が「RIVEN」で解き明かされていく……。
     アメリカでは10月の最終週から店頭に並んでいるが、人気は上々で10月の「NPD's Softrends sales data」によれば初登場3位を記録。4位の「MYST」と並んでかなりの売上を上げているという。
【動作環境】
    Windows 95
  • CPU:Pentium 100MHz以上
  • RAM:16MB以上
  • HDD:75MB以上の空きスペース
  • 解像度:640×480、16bit Color以上表示可能なもの
  • CD-ROMドライブ:4倍速以上
    Power Macintosh
  • OS:漢字TALK7.5以上(Mac OS8対応)
  • CPU:PowerPC 90MHz以上
  • RAM:9MB以上
  • HDD:65MB以上の空きスペース
  • 解像度:640×480、32,000色以上表示可能なもの
  • CD-ROMドライブ:4倍速以上


サンソフトのホームページ
http://www.sun-denshi.co.jp/soft/soft-j.htm
CYAN社のホームページ(英文)
http://www.cyan.com/
「RIVEN THE SEQUEL TO MYST」のページ(英文)
http://sirrus.cyan.com/online/AllThingsMyst/Sequel/Splash
「RIVEN THE SEQUEL TO MYST」テクニカルサポート(和文)
(RIVEN FAQ、Windows版アップデータ1.0.2J、Macintosh版アップデータ1.0.1J)
http://www.sun-denshi.co.jp/soft/riven/index.htm

【9/12】Weekend Watch:「RIVEN」開発者インタビュー
MYSTから4年、期待のアドベンチャーゲーム「RIVEN」とは?

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970912/weekend.htm


 前作「MYST」が、世界中で350万枚以上ものセールスを記録、発売から3年を経過した現在でも、ロングセラーとして売れ続け、PC用ゲームとしてだけではなく、他のコンシューマー機への移植で、ますます広いファン層から支持され、プレイされ続けていることは、皆さんもすでにご存知のことと思う。その「MYST」の完全な“続編”としてリリースされるというだけでも、この新作「RIVEN」に対する注目度、期待度は高く、とりわけ「MYST」ファンにとっては、今か今かと待ち望んでいたタイトルだろう。
 果たして、実際に「RIVEN」をプレイしてみても、その期待が裏切られるようなコトは絶対にない。きっと、プレイ開始の直後に、前作のレベルを大きく上回る、重厚なタッチの美しいグラフィックスと、繊細なサウンドによって構築された「RIVEN」の世界に、グッと心を惹き付けられるハズである。

画面写真1 画面写真2 画面写真3
水の質感、澄み切った空などが本物以上に気持ちよく描き込まれている。 ゲーム中に登場するオブジェクトのデザインは前作に相通ずるものがある。 岩肌も一つとして同じ物がない……と思わせるほど書き込まれている


●孤独で美しい「RIVEN」の世界

ゲーム画面4
何気なく描かれたグラフィックだが、木の質感、ベッドのフワッとした感じなどが素晴らしい。
 特別なインクと本を使って、世界を記述することによって、そこに世界を創り出す“力”を持った「ドニ」の末裔アトラスと、その二人の息子との対立が描かれていた「MYST」に続き、今回もまた、アトラスと、その父親ゲーンとの確執の中に、プレイヤーは問答無用に巻き込まれることになる。前作では人物が登場しなかったこともあり、そんなストーリー設定は、あくまで設定として添えられていただけのように見えた。しかし「RIVEN」では、実写との見事な合成によるキャラクター達が登場するシーンがオープニングに使われていることもあって、物語がもっと思わせぶりにゲームに関っていると言える。
 ただ「MYST」同様、プレイヤーの冒険はあくまで孤独で、厳しい。オープニングに登場するアトラスは、プレイヤーに対して「RIVEN」におけるプレイヤーの使命を面と向かって伝えてくれるが、その後、冒険が始まってからの人間とのコミュニケーションは、殆ど皆無なのだ。しかし、前作とは違い、「RIVEN」の世界には明らかに人間たちが存在している。彼らはプレイヤーに解る言葉を話さないし、書かない。しかし、鉄格子越しにほんの少しだけ、プレイヤーの前に姿をあらわしたり、村を作って集団で住み、プレイヤーの突然の進入に警告の鐘を鳴らしたり、あまつさえ、遠くからプレイヤーの姿を認めて、慌てて住居の中に身を隠したりするのだ。そして、たとえそのドアをノックしても、一切返事は返ってこない。洞窟の中に刻まれた絵や文字はあっても、プレイヤーにとってそれは単なる記号以上の意味はなさないのだ。
ゲーム画面8
前作「MYST」では登場しなかった生物だが、今回は大きな意味合いを持ってくる?
 そういった、人間がいてもコミュニケーションできない、という状況の中で、プレイヤーの孤独さは一層際立たせられることになる。「MYST」同様、こっちのスイッチを何回押して、あっちのレバーを上げると、今度は向こうのドアが開き……といった、ひどく大掛かりなパズルを解かされている間、彼らはまったく、何のヒントも与えてはくれないのである。「RIVEN」の世界の中で、彼らはただ生活しているだけであり、アトラスや彼の父親ゲーン、そして、この「RIVEN」のどこかに閉じ込められているというアトラスの妻、キャサリンたちは、ただひたすらプレイヤーの活躍を、どこか上の次元から、じっと見守っているだけなのだ。プレイヤーが、何か間違ったことをしようが、するべき事を忘れていようが、彼らはそれについて警告を与えてくれるワケでもなく、かといって導いてくれるワケでもない。プレイヤーは、自分で、そこで何をなすべきか考え、どちらへ進んで行くべきかを決定しなくてはならないのである。


●恐怖を感じるほど“リアル”なグラフィック

ゲーム画面5
一瞬写真家と見紛うCG。異世界を演出するためにCGの作成には徹底的に気を配ったという。
 そんな、ひどく孤独な状況にあると、「RIVEN」の美しく繊細なグラフィックスは、時にプレイヤーにとって恐怖をもたらす。次々に現われては消える緻密に描き込まれたグラフィックすべてに、何か秘密が隠されているような気がしてならないし、スイッチを見つけようものなら、果たしてコレを今押してしまっていいものかどうか悩まなくてはならない。押すなら何回押せばいいのか、もしかすると、もっと後に押すべきなのか、はたまた、もっと以前に押しておくべきモノだったのではなかろうか……と、それこそ、心配し始めるとキリがない。意地悪なことに、このゲームには、一度動かしたスイッチを、キレイに元の通りにリセットしてくれるような、陳腐だけれど優しい機能が付いていたりはしないからだ。
オブジェクト
ゲーム内に出てくるオブジェクトのひとつ。
 そのうえ、「RIVEN(=引き裂かれた)」の世界は、その名のとおり5つの島に分割されている。そのエッジには美しい湾もあるが、切り立ったガケも存在している。それぞれの島が小さいため、道は曲がりくねり、あちらこちらに繋がっていて、しかも急勾配になっている。島と島は、目も眩まんばかりのつり橋で繋いであったり、ジェットコースターばりに方向を変えながら上昇/下降するゴンドラで移動したり、乗ってしまったら最後、2度と浮上することはないのではないか、というような、古びた潜水艦で海を渡ったりしなくてはならないのだ。そして、常に空気のような存在であるプレイヤーの目線で進行していくこのゲームの中では、一歩足を踏み出そうというそのとき、プレイヤーは自分自身の足を見ることはないのである。もし、アナタが高所恐怖症のケがあるとしたら、特に、階段や梯子を降りる時には、股のあたりにスーッと冷たい風を感じるに違いない。「RIVEN」のグラフィックとサウンドには、そんな不安を感じさせるくらいの力がある。その効果は素晴らしく、だからこそ恐ろしい。

●身の安全のためにもSAVEはこまめに

ゲーム画面6
柱に彫り込まれた昆虫には、なにか深い意味が込められているのだろうか?
 美しいけれど、明らかに虚構である「RIVEN」の世界と、自分とは一切無関係な世界に生きる人々、そして、現在自分のいる位置がどこなのか、全く把握できない……どこにいても、それは決して“間違った”場所ではなく、だからといって“正しい”かどうかは解りようもない……状況の中、もう2度とここからは出られないかもしれないという不安や、これに乗って行ったら、もう2度と元の場所に帰ることは出来ないかもしれないという覚悟と共に右往左往する、という状況に、きっとアナタは、まるで広大なテーマパークの中に閉じ込められてしまった様な気分を味わうことだろう。どんな乗り物も、どんなアトラクションにも参加は自由、ただし、コントロール装置のスイッチは、アナタがご自分で入れて下さいね、と言うワケだ。  テーマパークの中にいる限り、プレイヤーの安全は完全に保証されている。どんなに鬱蒼としたジャングルの中にいようとも、突然バカでかいトラに食われてTHE END、なあんて事態は絶対に起こらないし、目の前を飛び交う得体の知れない虫に刺されて、ふくらはぎをパンパンに腫らす、なんてことも起こらない。どんなに危なっかしいハシゴだろうと、それが突然切れて、ガケから真っ逆さま、なんて危険もないのだ。降りられるハシゴなら、無事に降りられるし、降りられない所は、何とか工夫して降りられるようにしない限り、まず降りられない。しかし、だからといって、降りた後にそのハシゴが、何らかの理由によって、2度と昇ることが出来ないようになってしまう可能性は十分にある。そんな心配をしないためには、こまめにセーブをすることだ。そうやって、せいぜい自分自身の手で、安心できる材料を残してやることだ。美しく、安全な「RIVEN」の世界には、それでもなお、「MYST(=霧)」のような不安が、依然として立ちこめているのだから。

(C)Software copyright 1997,Cyan,Inc.and SUNSOFT.Aii rights reserved.

【筆者紹介】
  • 名前:吉田メグミ
  • いま熱いゲーム:仕事以外では、とにかく「ポケットモンスター」。トイレに入るときでさえ「ポケモン」を携えるほど。もちろん幕張で“ミュウ”をゲットだぜぇ。
  • プロフィール:フリーライター、1970年生まれ。CD-ROM評論家協会副会長。impress「PC-DECO」他、デジタル系雑誌で活躍中。
【総プレイ時間・ハード環境】
  • 総プレイ時間:約24時間
  • 使用ハード:Apple PHX300OS
  • 使用ソフト:漢字TALK7.6


「RIVEN完全日本語版」の一部機種における不具合について

 「RIVEN」日本語版のプレイ中に一部機種では、一部機種において不具合が発生する場合がある。この場合パッチをあてることで以下の不具合が解消する。

Windows 95
 ファイル名 : rivenupdater1_02.exe
 ダウンロードサイト : http://www.sun-denshi.co.jp/soft/riven/win_UpDate.html

  • ムービーが2度再生される。
  • ボイラーのレバーの動作で異なったムービーが再生される。
  • 回転ドームの手前のスコープの操作しずらくなる場合がある。
  • トンネルの奥の水中が見える所でライトのOn/Offが行ないにくい場合がある。
  • フルサイズのムービ再生中の操作がしずらくなる場合がある。
PowerMacintosh
 ファイル名(圧縮ファイル) : RivenUP101J.hqx
 ダウンロードサイト : http://www.sun-denshi.co.jp/soft/riven/Mac_UpDate.html
  • ボイラーのレバーの動作で異なったムービーが再生される場合がある。
  • 回転しているドームを止めるスコープが操作しずらくなる場合がある。
  • トンネルの奥の水中が見える所でライトのOn/Offが行ないにくい場合がある。
注 : このパッチは完全日本語版に対応したもので、英語版に関しては動作を保証しません。
 


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp