PiL Dove x2 56kbpsモデム |
HK Robotics 56kbpsモデム |
左側は香港に本拠地を置くProfessional Information Laboratoryという会社の製品。3comと合併した某社のFAXモデムによく似てるように見えるけど、資料を見てみると、さらに似て見えてしまう。ただ、LEDの部分が丸くなっているので、そのままのOEM供給品ということではなさそうだけど……。
右側の製品は発売元の名前をちょっと失念したが、ブランド名というかシリーズ名を見てもわかる通り、香港の企業だ(笑)。ということは、日本だったらJP Robotics、台湾だったらTW Robotics、フランスだったらFR Roboticsとかなっちゃうんだろうか。イギリスだったらUK Robotics……、これはやめた方がいいかもしれない(笑)。
SYSGRATION Talking Modem |
こちらは台湾にあるSYSGRATIONというメーカーが販売しているK56flex方式を採用した56kbpsモデム。特に機能的に珍しいものはないのだが、まるで電卓のようにテンキーと液晶ディスプレイを内蔵している。しかも配列は電話式(左上に1があるタイプ)になっており、大昔のモデム内蔵電話を彷彿させるようなデザインだ。
しかし、テンキーや液晶ディスプレイは冗談でつけているわけではなく、ちゃんとスピーカーもマイクも内蔵する本格的なボイス機能付きモデムだったりする。留守番電話としても使うことができるそうだ。
ちなみに、同社はこの他にもボイス機能を考えた外付けモデムをいくつか展示しており、モデムに電話の機能を内包することをまじめに考えているようだった。実際に使うかどうかはともかく、来年2月からサービスが開始されるナンバーディスプレイのことを考えれば、再びモデム内蔵電話のような製品が流行るのかもしれない。
Tennyson Technologies CRUSADER ISDN Modem |
FIC NT-200 |
左側はTennyson Technologiesが販売しているCRUSADER ISDN ModemというISDNターミナルアダプタだ。同社はISDNを中心としたオーストラリアの通信機器メーカーで、この他に内蔵タイプのISDNカードなども販売している。
このCRUSADER ISDN Modemは64/128kbps同期通信をサポートし、MPやBACP、V.120といったプロトコルも実装。オプションでSTAC圧縮も搭載可能だ。もちろん、アナログポートも2つ備えており、Windows95/NT用のユーティリティも添付されている。日本の液晶ディスプレイ付きISDNターミナルアダプタに較べるとやや見劣りするが、同社は代理店などが見つかれば、日本の市場にも参入したいと考えているそうだ。
一方、右側はマザーボードなどでおなじみのFIC(First International Computer)の製品だ。意外かもしれないが、同社はマザーボードだけでなく、通信関連製品も数多く手掛けている。
写真中央に見えている黒っぽいものはNT-200というNT-1(日本のDSUに相当するもの)だが、電源部を内蔵し、LEDを装備している。右上に見えている基板はFICardというISDNカードで、日本のINSネット64仕様に合わせたものも用意しているそうだ(日本未発売)。特に、マザーボードのように競争の激しい世界でサバイバルしているメーカーが本格的にISDN機器に参入してくると、技術的な問題こそあるものの、コスト面でかなり有利になるのは明らかだ。ひょっとすると来年あたりは、秋葉原でFICのISDNカードが買えるようになるかもしれない。
シャープ ISDNテレビ電話 |
NTTパーソナルのブース |
シャープのISDNテレビ電話はすでに国内でも展示されているが、海外での展開も考えているようだ。ただ、COMDEX/Fall'97のような会場に持ち込むと、「パソコンでもできるじゃないか」という捉え方をされてしまいそうで、ちょっと存在感に欠ける。もっともシャープのブースはMobilonで盛り上がっていたから、あまり目が向けられなかったという説もあるんだけど……。
また、ちょっと驚かされたのはNTTパーソナルが出展していたことだ。PHSは人口密度の高い日本やアジア諸国にはマッチした通信インフラストラクチャだが、アメリカのような国は移動距離が長いため、あまり適していない。にも関わらず、ブースには数多くの人が訪れ、熱心に説明員のデモを見ていた。お客さんもアジア系の人が多かったが、これを機に日本の便利なサービスが海外でも提供されるようになれば面白そうだ。来年はCOMDEXの会場内限定でサービスをしてくれると、個人的にはうれしいなぁ(笑)。
LAVA COMPUTER LAVAPORT-PCI |
まず、ISDNターミナルアダプタなどで高速通信をするときに欠かせない高速シリアルボードだが、今のところ、ISAバスのものが主流となっており、国内ではNECがPC98-NXシリーズのオプション品としてPCIバス用を提供しているに過ぎない。
ところが、海外ではすでにPCIバス用高速RS-232Cボードが出荷されている。左の写真はLAVA COMPUTER MFGが開発したPCIバス用高速シリアルカード『LAVAPORT-PCI』だ。最大460.8kbpsまで対応するRS-232Cポートを2つ備えており、Windows95/NTに対応するドライバが添付されている。IRQの共有にも対応しているため、数多くの周辺機器を内蔵しているユーザーにお勧めだ。
同社はカナダに本拠地を置く周辺機器メーカーで、シリアルやパラレルといったI/O関連のボードを数多く販売している。国内に代理店はないが、BIOSなどでおなじみのAMI(American Megatorend Inc)の日本法人が一時期販売していたことがあり、筆者もISAバス用をテスト機などで愛用している。このLAVA-PCIも入手できれば、ぜひ使ってみたい。それにしても、どこかのメーカーで扱ってくれないでしょうかねぇ。これからPCIバス用はいろんな場面で需要があるはずなんだけど……。
一方、こちらはパソコン本体のUSBポートの先にRS-232Cインターフェイスを持つ周辺機器を接続するためのジェンダーチェンジャーのようなものだ。左側のUSBコネクタとパソコン本体を結び、右側のRS-232CインターフェイスをモデムやISDNターミナルアダプタに接続して使う。
PERACOM USB・RS-232Cチェンジャー |
PERACOM USB・RS-232Cチェンジャー接続図 |
接続図を見てもらえればわかるように、これを使えば、USB未搭載のモデムやISDNターミナルアダプタなどもUSBポートの先に接続できるようになるわけだ。PDAやデジタルカメラなどとの接続に利用しても便利だだろう。ただ、DTE速度が最大115.2kbpsまでしか対応していないのが惜しいところ。ドライバを改良し、最大230.4kbps以上に対応できれば、日本でもウケそうな気がする。
続いては、携帯電話をデータ通信に使うための無線モデムカードだ。日本はPHSでデータ通信専用カードが販売されているが、環境の異なるアメリカでは携帯電話用のものが登場しはじめている。
SIERRA WIRELESS AirCard |
Uniden Data2000 |
左はSIERRA WIRELESSというメーカーのAirCardという製品だ。Type IIのPCカードで先端からアンテナがついている。このAirCardはCDPD(Cellular Digital Packet Data)に準拠した無線カードなのだが、モデム部分と無線カード部分が分かれた2枚構成になっており、それをコの字型のジョイントで接続するようになっている。
また、Windows95上で動作するAirCard Watcherというソフトも添付されており、動作状況をリアルタイムで把握することが可能だ。オプションでアンテナやモデム部分を通常のアナログ回線に接続するためのケーブルも用意されている。
右はユニデンの米国法人が発表したUniden Data2000という無線カードだ。こちらはPCMCIA TypeIIのカードの外側に無線部分の箱がついた形になっており、アンテナがついている。アンテナを使わないときは箱の部分に収納することが可能だ。こちらもCDPD方式に準拠した無線カードだが、箱の部分に単3乾電池を4本格納することで、Windows CEマシンなどでも利用できるようにしている。
いずれも日本にはあまり関係ない製品だが、携帯電話の無線カードモデムが出てきたのは気になるところ。日本でもこういったバリエーションが増えると面白いのだが、個人的にはPHSの方が楽しいような気がする(ISDNターミナルアダプタにも子機登録できるしね(笑))。
[Text by 法林岳之]