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Intelが2月のISSCCで450MHzのPentium IIを発表予定 ほか


●Intelが2月のISSCCで450MHzのPentium IIを発表

 2月に開催される半導体業界のオリンピック「ISSCC (IEEE国際固体回路会議)」のプログラム概要が明らかになった。このカンファレンスのプログラムというのは、結構いろんなことを示唆してくれるので面白いのだが、今回もかなり興味深い発表が並んでいる。MPUのコーナーである「SESSION FP15」だけ見ても、かなり面白い。たとえば、IBMは1GHz動作のPowerPC整数演算プロセッサを発表する。これは0.15ミクロンプロセス6層メタルレイヤで作ったものだ。IBMはこのほかにも、先日センセーションを巻き起こした、銅を配線に使う製造技術で作ったPowerPC 750も発表する。これは、6層メタルレイヤでダイサイズはなんと40平方mm(現行のPentium IIの5分の1)で、室温で500MHz以上の動作をするという。

 一方、Intelはいよいよ次期Pentium II「Deschutes」のサーバー版を見せるらしい。これは、最大450MHz駆動のバージョンで、搭載トランジスタは現行のPentium IIと同様だが、ダイサイズは131平方mmと60%ほどに縮小している。これは製造プロセスが0.35から0.25ミクロンになるからで、0.35版MMX Pentiumとほぼ同程度だ。サーバー版は、はやり2次キャッシュSRAMを最大2MBまで搭載可能で、MPUコアと同速で駆動する。これは、技術的には可能だが、かなりコスト高になるアプローチだと見られている。また、この新しいPentium IIでは、コアの駆動電圧が1.4Vから2.2Vらしい。これは非常に重要で、モバイル版が1.4Vだとすると、以前、このコラムで予想したよりも消費電力と発熱を抑えられる可能性が高い。300MHzはもちろん、333MHzもおそらくモバイルで実現できるだろう。


●266MHzのTillamookも1月に登場?

 ただし、Mobile Pentium IIの投入は98年になって少し経ってからで、しかも当初はハイエンドノートにしか載せられないと見られている。そこで、すき間を埋めるために、Intelはモバイル用のMMX Pentium(コード名Tillamook)に、現行の233MHzよりもさらにハイスピードな266MHz版を加えるかもしれない。「Intel readies yet another Tillamook chip」(InfoWorld,10/27、http://www.infoworld.com/、リンクはすでに消滅)によると、米Intel社は1月にこのチップを発表する予定だとか。ただし、他のメディアでは今のところ266MHzモバイルMMX Pentiumに関する記事は見つけていない。


●“Slit 1”版Pentium IIが登場??

 このところ、ふたたびMPU関連の話題が華やかだが、ここへ来て、すごいスクープが飛び込んできた。「MORE ON Intel To Enter Low-End PC Mkt. W/ New Interface」(Electronic Buyers' News,11/3)によると、Intelはコンシューマ市場向けにローコスト版Pentium IIと新しいインターフェイスを今週発表するという。うそか本当か、この記事によれば、新インターフェイスとは“Slit 1”と呼ばれるもので、今のPentium IIが採用しているSlot 1とはバスプロトコルは互換だが形状は異なるという。また、このSlit 1用Pentium IIには低コスト化のために2次キャッシュSRAMも搭載されていないのだそうだ。たしかに、かなり前に2次キャッシュレスのP6世代MPUがウワサになったことがあったが、それ以来、そんな話はとんと目にしていない。このネタが他のニュースには一切登場していないという点も半信半疑にさせるポイントだ。ネーミングがあやしい(Slitには卑わいな意味もある)のもひっかかる。まさかジョーク?


●米国はミニノートパソコンラッシュに

 米国では、日立製作所がミニノートブックを出すらしい。「Hitachi readies Windows 95 mininotebooks」(InfoWorld,11/3)によると、重量は1.4kg程度で8.4インチ液晶ディスプレイに133MHzのMMX Pentiumを搭載という。日立は米国ではノートパソコンの安売り攻勢をかけているが、12月に出荷するこのマシンも2,499ドルだと報じられている。また、台湾勢からはAcer Groupがミニノート戦線に加わるらしい。「Acer Readies Mininotebook for Early 1998 Debut」(PC World,10/30)によると、東芝のLibrettoのようなタイプで、166MHzのMMX Pentiumと7.5インチカラー液晶ディスプレイを搭載するとか。ただしリリースは来年になりそうだという。


●Compaqはノートパソコンで低価格攻勢

 ノートパソコンと言えば、Compaq Computerもラインナップを強化するとか。「Compaq to expand notebook line, plans second-generation handheld device」(InfoWorld,10/28)は、Compaqがデスクトップでやったような低価格攻勢を計画しており、低価格ノートを年末までに1,799ドル、98年には1,499ドルにすると、Compaqの幹部の証言入りで報じている。また、Mobile Pentium IIを搭載したハイエンドも98年に投入、これは5GBのHDD、LS-120かZipドライブ、56Kbpsモデム、24倍速CD-ROMドライブを搭載するという。それから、COMDEXではこれまでのようなOEMではない自社開発のWindows CEマシンを発表するらしい。その中には、低価格の業務用端末やサブノートもあるとか。


●Windows CE 2.0ベースのサブノート

 Windows CE 2.0ベースのサブノートは、どうやらコード名「Jupiter」と呼ばれるらしい。「Microsoft targets new Windows CE markets」(Computer Retail Week,11/3)が報じたもので、このほかのWindows CE 2.0マシンのコード名として、これまでにも伝えた「Gryphon」(ポケットサイズPC)や「Apollo」(車載PC)なども登場している。Apolloに関してはこれまでより詳細な話を伝えており、それによると小さなディスプレイにCDプレイヤやエアコン、油圧などの表示が出るようになっているらしい。


●Sunに対するMicrosoftの逆提訴は予測の範囲

 Microsoftを巡る裁判沙汰では、先週、同社がSun Microsystemsを逆に提訴するという新しい進展があった。しかし、「Analysts: Microsoft countersuit against Sun is no surprise」(Computerworld,10/28)によるとこういう逆提訴は、ごく普通の手段で驚くようなことではないという。Microsoftにとっては、Sunから起訴された方の裁判でその裁判にかけた費用を回収できなくても、費用を回収できるかららしい。


●ネーダー氏がMicrosoftを糾弾

 一方、Microsoft包囲網に新たに加わった消費者運動家ラルフ・ネーダー氏は、Microsoftをターゲットとする理由を明らかにするコラムをWebzineに掲載した。それによると、Microsoftがマーケットを支配することで、新規参入のソフトハウスや製品が少なくなりイノベーションも減っていると指摘。また、ソフトの海賊版を嫌っているのに、Internet Explorerは無料でばらまき、Webブラウザ市場を独占しクロスプラットフォームなJavaを破壊し、インターネットを支配しようとしていると糾弾している。デスクトップやWebブラウザを支配することで、Microsoftのパートナーや子会社の製品・サービスへと誘導しようとしていると分析している。さらに、次世代CATVや家電にもOS独占の路線を拡張しようとしている点も問題視している。面白いコラムなのだが、もっと面白いのはこれが掲載されたのがMicrosoftの発行する硬派Webzine「Slate」だということ。「Microsoft Menace Why I'm leading a crusade to stop its drive for cyberspace hegemony」(slate,10/29)

 これは、Microsoftが余裕を見せているというより、もっと自虐的な感じがする。Microsoftというのは、攻撃的に相手の意見を封じる顔と、自虐的に自分の欠点をつつく顔という、両極端の顔があり、いささか分裂症気味じゃないかといつも感じる。これもそのひとつだと思う。おそらく、過剰なまでの攻撃性を、こうした自虐的な行為で相殺しているのではないだろうか。


●ジョブズ氏は、結局"暫定"CEOのまま

 ハワイでの休暇から帰ってきたら、暫定ではない長期CEOになることを発表するかも知れないとウワサされていたジョブズ氏。結局、ハワイのビーチでじっくり考えたら、CEOに長々とどまるのは得策じゃあないと気がついたらしい。「Steve Says He's Not The Man For The Apple Job」(TechWire,10/28)によると、ハワイ帰りのジョブズ氏は、あくまでも暫定CEOだと宣言したらしい。しかし、これは賢いやり方だ。誰かをフロントに据えて、自分は取締役会を仕切れば、業績の責任を問われたりせずに、ずっと影響力を行使できるから。


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('97/11/05)

[Reported by 後藤 弘茂]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp