後藤弘茂のWeekly海外ニュース
【特別編】

Microsoft Professional Developers Conference(PDC)レポート
第2回

■MicrosoftがSOHO向けサーバーパックの概要を発表

 米Microsoft社は、米国サンディエゴで開催中のソフトウェア開発者向けカンファレンスPDC(Professional Developers Conference)で、今秋発売予定の小規模オフィス向けのサーバーソフトパック「Microsoft BackOffice Small Business Server」の概要を発表した。BackOfficeの中の小規模オフィスに必要と思われるサーバーソフト群をWindows NT Server 4.0とセットにした。Internet Information Server、SQL Server、Exchange Server、Outlook、Proxy Server、FrontPage 97などのほか、Small Business Server向けに4台までのFAXモデムを共有するFAX Server、4台までのモデムを共有するModem Poolingなども新たに開発した。

 Small Business Serverがターゲットにするのは、2~25台程度のパソコンを備えたオフィスで、3,000ドル台のエントリーレベルのサーバーでの稼働を前提としている。ネットワークやサーバーの専門知識がないユーザーでも簡単にセッティングができるように、各種設定のウィザードもつけた。そのほか、インターネットサービスプロバイダへのサインナップを、プロバイダ名を選択しただけで半自動的に行うことができるインターネットウィザードなども備えている。Small Business Serverは、従来「SUM(サム)」というコード名で知られていた製品で、日本でも提供予定があることが明らかにされている。


■MicrosoftがWindows CE 2.0の概要を発表

 いよいよWindows CEは第2世代に入る。PDCで、Windows CE 2.0の概要と今後のロードマップを明らかにした。それによると、Windows CE 2.0は、Windowsとの互換性を高めコミュニケーション機能なども強化する一方、コンポーネント化を進めることで組み込み機器など幅広いデバイスにも適応できるようにするという。

 Windows CE 2.0の新しいフィーチャで目立つのは、JavaとActiveX Controlのサポートが加わったこと。Javaバーチャルマシンを搭載し、開発ツールとしてCE向けのVisual J++パッケージも提供するようだ。ちなみに開発ツールではこのほかVisual Basicも加わるため、Windows CE用アプリケーション開発は格段に容易になると見られる。

 また、Windows CE 2.0では、カラー液晶のサポート、FATファイルシステムのサポート、UNICODE化など機能が大幅に拡張される。コミュニケーション機能では、TCP/IPやIrDAなどの標準サポートのほか、Windows SocketのサブセットやRemote Access APIも加わる。

 その一方で、組み込み向けの機能も強化した。ディスプレイやOSのシェルを使わないことが可能になったほか、その他の機能もモジュール化され、ハードウェアメーカーが選択できるようになった。カーネルとHALだけなら最低限、128KBのROMと32KBのRAMで稼働するという。また、スレッドの管理などを強化し、組み込み用途で要求されるリアルタイムOSとしての性能も高めた。

 また、Internet Explorer for Windows CE2.0も機能が拡張され、小画面液晶からTVまで多彩なディスプレイに対応できるようになる。ただし、現状ではHTML 2.0相当の機能にとどまり、IE 3.0相当の機能はメモリの制約から搭載できないという。となると、DynamicHTMLもサポートできないことになり、PDC初日のキーノートスピーチでMicrosoftのPlatforms and Applicationsグループ副社長のポール・マリッツ氏が主張した、Dynamic HTMLで全てのWebクライアントをカバーするという計画は、少なくともWindows CE 2.0では実現できないことになる。

 このほか、MPUサポートも正式に拡張された。MIPS 3900/4xxx(MIPS32)系、SH3、486、Pentium、PowerPCがサポートされ、ARMとMIPS16も98年第1四半期にサポートされる。

 また、Windows CEの今後の適用分野についても、Microsoftの構想が明らかになった。それによると、Windows CEは今後4つの分野に使われて行くという。(1)は従来通りのモバイルマーケットで、ここではハンドヘルドPCのほか、ウォレットPCや車載タイプなどが登場するという。(2)は組み込みマーケットで、ここでは業務用携帯端末やターミナル、産業機器などに組み込まれるという。(3)はWeb中心のデバイスで、WebTVなどのインターネットTVやWeb電話などが含まれる。(4)はマルチメディア市場で、各種エンターテイメント機器への組み込みが予想されている。

 Microsoftでは、このうち1と2に関してはWindows CE 2.0で対応、3と4に関しては98年に登場するWindows CE 2.0の次のバージョンで対応するとしている。3のWebデバイスに関しては、IE 4.0以上のWebブラウザ機能が必要だと見ているためらしい。また、4のマルチメディア機器ではゲーム機などがウワサされているが、それを実現するためにはDirectXの搭載が必要となると見られる。

 ちなみに、セッションでは、Windows CE 2.0以降の将来バージョンの機能も概要が明らかにされた。それによると、USBやFastIRなど新インターフェイスへの対応、手書き認識サポート、DirectXや動画再生機能のサポート、Internet Explorerの機能強化などが含まれるという。

 Windows CE 2.0は、9月29日から10月3日まで開催される組み込みシステム開発者向けカンファレンスEmbedded Systems Conference Westで、正式に発表される予定だ。

('97/9/25)

[Reported by 後藤 弘茂]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp