Weekend Watch【'97/7/11版】

 今回のゲームソフトインプレッションは、システムソフト「White Diamond」です。
 インプレッションや記事に関するご意見・ご感想、とりあげて欲しいゲームソフトや企画などは、pc-watch-info@impress.co.jpまでお寄せください。


■ゲームソフトインプレッション■

White Diamond


(C)1997 SystemSoft Corporation
(C)1997 STUDIO TRON

ジャンル:恋愛RPG
発売メーカー:システムソフト
標準価格:9,800円
対応OS:Windows 95
備考:中世風の「ランスウェル王国」に遊学中の騎士となり、「黒竜」と呼ばれる男に奪われた「黒のオーブ」を取り戻すというRPGと、遊学期間として残された100日間で、知り合った女性キャラクターたちの悩み事などを解決しながら好感度を上げていく、恋愛要素を取り入れたソフト。

【筆者紹介】
  • 名前:尾道晃
  • 好きなジャンル:シューティング、格闘、アメゲー、競馬モノ
  • プロフィール:パソコン雑誌や単行本などに寄稿。元雑誌の編集者
【プレイ時間・ハード環境】
  • 総プレイ時間:約10時間
  • 使用ハード:自作PC/AT互換機
    CPU:6x86-P166
    メモリ:64MB
    グラフィック:S3 ViRGE(4MB)
    サウンド:Sound Blaster16


※画像をクリックすると、登場キャラクターのイベントシーンが一覧表示されます
(C)1997 SystemSoft Corporation
(C)1997 STUDIO TRON

 恋愛、RPG、リアルタイム要素などいろいろな面をもつゲーム「White Diamond」がついに登場した。発売前から話題が先行していて、麻宮騎亜氏によるキャラクターデザイン、70曲以上におよぶBGM、豊富な声優陣、そしてなによりあのシステムソフトがRPGを作ったというのが、個人的にはいちばん大きいのではないかと思う。
 この話題のWhite Diamondが、システムソフトの代表作となりうるのか、実際にプレーし、そのあたりもちょっと書いてみようと思う。

●時間の概念をいち早く理解しよう

 まずは簡単なストーリー紹介から。プレーヤーは新米の聖騎士ラルフとなって、隣国へ遊学へ赴くところからゲームは始まる。その途中で、同国の騎士団がある男に襲われる場面に遭遇する。騎士団はその男にオーブを奪われ、その場にいたラルフも傷つくが、危ういところを助けられる。で、倒れているラルフを見つけてくれたのがリステイン(いちおう、このゲームのヒロイン、なのかな?)。で、ラルフはランスウェル王国に留まって、オーブを盗んだ男の手がかりを探すのだが……と、まあこんな感じ。
 でも、はっきりいってストーリー、関係ない。というのも、登場する女性にいかに気に入られるかがこのゲームの重要なところで、エンディングも変わってくる。もっというと、女性に気に入られるためにどのようにラルフを鍛えるか、というのがプレー中に頭に置いておくことなのだ。

 White Diamondでは、時間がとても大切だ。1か月は4週、1週間が5日で構成されていて、1日は紫・緑・黄・赤・白の5色で呼ばれている。ただ、これは思いっきりわかりにくい。ゲーム中のメッセージではすべてこの色で日にちを表わすので、いちいち考えないといけない。また、1日も朝・昼・夜とあって、それぞれ6時間ずつ。だから寝る時間もつねに6時間。
 主人公以外のキャラクターはリアルタイムで行動し、何曜日にいつ、誰がどこでなにをしているか、スケジュールがすでに決まっている。プレーヤーはお気に入りの女の子のスケジュールを調べて、追っかけまわす。なにもしないでいると、時間だけがどんどん過ぎていくことになる。遊学の期限は100日なので、この時間をいかにうまく使うかが、ゲーム攻略のカギとなる。

●攻略のカギは女の子の行動を把握すること

 登場する女の子は、ラルフを倒れているところを見つけてくれた3人、ランスウェルのお姫さま、病院で寝ている子、までは簡単に知り合いになれる。私は、最初のプレーで、このほかに女剣士とダークエルフと知り合えたが、ほかにもう1人いる。
 知り合うきっかけはいろいろだけど、期間限定である場所にいたり、イベントで会ったり、偶然宿屋にいたり、などなど。このへんはまめに町をうろうろするしかない。ただし、たいてい1人くらい、女の子のスケジュールにくわしい人がいるので、そっちを探したほうが早いかも。

 じつは私の場合、最初お姫さまを追っかけまわしていたのだ。ところが、あまり見つけられなくて、ぜんぜんいないなぁ、と思ってたところ、たまたまエメ……。ネタバレなので、くわしく書かないけど、たまたま温泉の出る街で、あるモノがある日入るという情報を得てから、急激に接近したという経緯がある。その後、やっぱりマメにメモらないとダメだということに気づき、お姫さまの行動パターンを理解した。お姫さまのパターンをちょっと紹介しておこう(これでも絶対ではないので注意)。
 紫の日は、お城。午後は空中庭園。緑の日と白の日はランスウェルの城下町。赤の日はエメラルドリゾート、とこんな感じ。
 とにかく、このゲーム、女の子の行動パターンをいかに早く理解するかにかかっている。パターンを理解すれば、仲良くなるのも、難しくない。あとは、ラルフを女の子好みに育てればいいのだから。


(C)1997 SystemSoft Corporation
(C)1997 STUDIO TRON

●戦闘はカンタン。キーボードでも難なく操作

 ラルフの育て方だけど、これはギルドで仕事をもらい、ミッションに参加することで、パラメータを成長させる。ラルフのパラメータは攻撃力、防御力、魔法攻撃力、魔法防御力の4つで構成され、使ったパラメータが伸びるようになっている。剣で攻撃を続けると、攻撃力が上がり、魔法を使えば、魔法攻撃力が伸びる。防御力も同じしくみ。敵の攻撃を受けると、防御力に経験値が入るようになっている。
 ギルドで仕事をもらうと、対象となる場所に移動できるようになる。町とイベント個所の移動は、マップ上から場所を選ぶだけなので、非常にラク。戦闘はアクティブバトル(イースタイプといえばわかりやすいか?)なので、敵とぶつかっているだけでサクサク進むし、敵も強くないので、難しくない。これらのミッションは、本当にラルフを育てるためとお金を得るためだけにあるので、ある程度こなせばいい。ミッションばかりやっていると、女の子と知り合う機会をのがすゾ。あと、ミッションを行なっている間は時間が止まるので、ミッション自体はいそいでプレーする必要もない(移動の時間はアリ)。

 ラルフを育てながら、女の子と親しくなっていけば、女の子特有のイベントが起こり、ストーリーが進んでいく。で、100日後、ラルフはランスウェル王国を離れることになるのだが……。エンディングがどうなるかは、プレーしてのお楽しみ。

●システムソフトの恋愛モノは名作となりうるか?

 White Diamondを恋愛ゲームとして見るか、RPGとして見るか、難しいところだけど、私が思うにやっぱり恋愛ゲームなのだと思う。というのも、RPG部分である、ランスウェル王国での生活やメインシナリオだけでは、正直物足りなさを感じる。ストーリーもそれほど奇をてらった感じではないし……。RPGというのはこういうものだ、といわれるとそれまでなのだが。それならそれで、もう少しリアリティがほしい気もするしなぁ。
 でも、女の子を追っかけまわしていれば、それなりにイベントが発生するし、けっこう楽しめる。やっぱり、このストーカー的な行動がこのゲームの醍醐味なのだろうと思う。

 で、恋愛ゲームとして見た場合、重要になってくるのがキャラクターとメッセージ(セリフ)。キャラクターに関していえば、個人の好みがあるだろうけど、私としては、もう少し変化がほしかった気もする。マンガをみてるようで……。恋愛モノでキャラクターに魂がないと、なんどもプレーするという気がおきない。たったひとつのイベントをみるためにプレーする、そんな気にさせてくれるようなキャラクターでないとダメなのだと思う。あとメッセージも、なんというか、キャラクターに合ってないように思う。RPGを意識しすぎてるのかもしれないが、ムリヤリ言わせているセリフのような感じ。セリフひとつひとつにこだわりがほしかった気がする。

 White Diamondを部分的にみると、システムソフトの底力を感じさてくれるところもある。雲の影が流れるCGとか、ゲーム中の雰囲気などなど、なかなかよくできてると思う。恋愛ゲームとRPGを組み合わせることは、けっして悪いことではないし、おもしろい方向性かなと思うけど、White Diamondに関していえば、どちらも中途半端で終わっているというのが私の感想だ。それでも、けっこう楽しめる作品になっているのは、さすがシステムソフト、というところだろうか。
 いろいろ書いたけど、なんだかんだいって楽しめた。でも、システムソフトならこれをもっとおもしろくすることができると思う。White Diamondもこれで終わりにしないで、次にいかしてほしいと思う。

[Reported by 尾道晃]


Weekend Summary
●クエスト、3D CG採用の「銀河英雄伝説」シリーズ最新作 ほか  ほか

Weekend Watchバックナンバー


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp