Weekend Watch【'97/7/3版】

 今回のゲームソフトインプレッションは、アートディンクThe Settlers IIです。
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■ゲームソフトインプレッション■

The Settlers II
(日本語版)



ジャンル:シミュレーション
発売メーカー:アートディンク
標準価格:8,800円
対応OS:DOS
備考:漂着した未開の島で、ローマへ帰還するためのゲートを発見することが目的となるシミュレーション。
【筆者紹介】
  • 名前:尾道晃
  • 好きなジャンル:シューティング、格闘、アメゲー、競馬モノ
  • プロフィール:パソコン雑誌や単行本などに寄稿。元雑誌の編集者
【プレイ時間・ハード環境】
  • 総プレイ時間:約15時間
  • 使用ハード:自作PC/AT互換機
    CPU:6x86-P166
    メモリ:64MB
    グラフィック:S3 ViRGE(4MB)
    サウンド:Sound Blaster16


The Settlers II

 The Settlers IIはドイツのBlue Byte社が開発し、アートディンクがローカライズしたシミュレーションだ。対応OSはDOSだが、Windows 95から起動できるなど、日本に合わせた変更なども行なわれている。アートディンクでは、今後もBlue Byte社のゲームをプロデュースするようで、この秋に2作目を発表することが決まっている。


Copyright Blue Byte 1995-97 All Rights Reserved.
Licensed by Artdink

●目的は領土を広げ、ローマへ帰還するゲートを見つけること

 この「The Settlers II」は未開の地で生活するというテーマのゲーム。プレーヤーは難破したローマ帝国の船長「オクタビアス」となって、セトラー(入植者)たちを率いて、未開の地を開拓し、ローマ帝国へ帰還するための道を探さなければならない。

 最初にゲームの流れを紹介しておこう。まず、なにはともあれ建物を建てる資材が必要になるので、木こり小屋と石工小屋を作る。そして、小屋から司令部へつながる道を作る。すると、セトラーたちは、木を切り、石を削って、資材として、司令部へ保管してくれる。木は切ってしまうとなくなるので、植樹小屋を建てて、木を植えておく。次に食料を確保するため、漁師小屋と狩人小屋を建てる。ここからも司令部への道を作っておく。
 ゲーム初期は、小屋を建てられるスペースも狭く、資源の量もかなり限られてくる。そこで、領地を広げるために、バラックを建てて兵士を配置する。そうすれば、領地も広がって、いろいろな資源、たとえば鉄や石炭、石や金の発掘も可能となってくる。

 このように、どんどん未開の地の領土を広げていき、島のどこかにある(たいていは原住民の住んでるところ)、ローマへ帰還するための「ゲート」を見つけて、そこへ行けばマップクリアーとなる。クリアー条件はオプションで変更できるので、「3/4の領土を征服する」、「原住民をすべて倒す」といった条件にすることも可能だ。

●すべては道から始まる

 このゲームの重要な要素は「道」だ。入植した場所にはいろいろな地形があって、道を作れる場所とそうでない場所に別れている。道としてはあまりそぐわない場所(傾斜がキツイとか)もあるので、これを考えて建物をたてないと、セトラーたちの作業効率が落ちてしまう。プレーヤーは、セトラーたちに「あれ作れ」「これ作れ」という指示しかできないのだ。これがこのゲームのおもしろいところ。実際にプレーするとわかるのだが、変な道を作ると資材が滞ってしまったりする。資材の運搬がスムーズにいかなければ、思ったように品物が作れなくなる。

 セトラーたちは、各々独自の技術をもっている。それをいかすことも重要だ。キャンペーンをすすめていくと、いろいろなモノが作れるようになる。支配地が広がっていく毎に、農場や養豚場も建てられるようになる。これらは、セトラーたちの食料や、さまざまな物に加工するための原料ともなる。たとえば、農場では主に麦が生産されるが、これがビールになったり、パン、ブタの餌へとなる。もちろん、農場から直接ビールになるワケではない。農場から道を通ってビール工場へ運ぶのだ。パンの場合は、粉ひき風車で小麦粉を作って、パン屋へ行くことになる。ゲーム序盤はいろいろ施設を建てなければならないので、どこに何を建てるのかを頭に入れておかなければならない。もちろん、どのような道を通って行くかも重要なのだ。


Copyright Blue Byte 1995-97 All Rights Reserved.
Licensed by Artdink

●原住民と闘おう!

 ある程度支配地が広がってくると、原住民との国境が見えてくる。ローマへ帰るためのゲートも見えている。ところが、原住民はゲートに触らせてくれない。そこで、止む無く戦争となる。だが、原住民も武装している。そこで、原住民と対抗するために、兵士を増やしたり、能力を上げる必要があるのだ。

 まずは武器を作る。これは鉄鉱山から鉄を発掘して作る。鉄鉱山はたいてい近場にあるので、それほど問題ではない。それより問題なのは金貨なのだ。なぜか知らないが、兵士は金貨を払わないと訓練してくれない。金貨は金鉱山から発掘するのだが、その金鉱山がなかなか見つからない。原住民の領地にしかないということもある。そういったときは、カタパルト(投石器)を作って、敵の防御力を弱めておいてから、攻撃する。基本は金貨で兵士の能力を上げてから、攻撃という手順を覚えておこう。

●全13マップを制覇するのはたいへんだが、初心者でも安心

 The SettlersIIは、全体的にすごくほのぼのとしたゲームだ。画面上に表示されたセトラーたちは、それぞれ独自の動作でプレーヤーを楽しませてくれる。ゲーム内容は、なんとなく「コロナイゼーション」に似ているように思うが、あちらよりはとっつきやすく、インターフェイスも洗練されている感じがする。ただ、キャンペーンタイプのゲームにしては、1マップが終わるまでの時間がけっこうかかるので、ちょっと気軽にプレーとはいかないのが残念。ちなみに、私がプレーした場合、1マップに3時間ほどかかっている。

 ゲーム自体はすごく素直で、変な要素がないので、シミュレーションに不慣れなユーザーでも安心してプレーできそうだ。オーソドックスなので、ポピュラスなど面クリア型のシミュレーションが好きな人はとっつきやすいだろう。

 最後に、The Settlers IIはDOS/Vマシン用で、PC-9800シリーズでは動作しないので注意しよう。

[Reported by 尾道晃]


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●マクシス、「Sim City 3000」など6タイトル発表 ほか ほか

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