ショップブランドパソコンは汎用品の多いDOS/Vパーツを利用し、ショップ側で組み立てて完成品としてユーザーに提供します。組み立てて完成品となったパソコンはメーカー品のパソコンと変わりない、一つの立派なパソコンとなります。最近は非常に少なくなりましたが「ショップブランドパソコン=メーカー品より劣ったパソコン」というイメージが初心者ユーザーを中心にいまだに残っているようですが、そんな事は「絶対ありません」。逆に勝っている部分の方が多いのではないかと思いますが、これは先に触れたとおり、メーカー品とショップブランドの差が無くなってきたためです。
さらにショップブランドパソコンを作っているパソコンショップの中にはメーカーへの脱却をはかっている所もあります。すでにメーカーと呼べる域に入っているショップもあります。アメリカのメーカーの中にはショップからメーカーになった所もあります。日本でも有名なGateway2000社がその筆頭で、Gateway2000は最初はそれほど有名ではなく、ショップブランドを作っている小さいメーカーだったのですが、今では世界展開をはかる有名メーカーの一つです。
つまり、ショップブランドとメーカー品を完全に区別するのは難しいのです。ですが、ここではパソコンのシェアを握っている大手メーカー(富士通・IBM等)のパソコンと一般的なショップブランドパソコンを比較して利点・欠点をみたいと思います。
ふたつめの利点は「ユーザーの定着」があります。ショップブランドの良さは汎用品を使っているため、増設や、マシンのアップグレードが用意できるということです。あるショップのパソコンを買った人なら、増設用のパーツなども同じショップで買おうとする人が多いのではないかと思います。
また、ユーザーは常にショップブランドのパソコンを見るたびに買ったパソコンショップを思い出すわけですから、どんなショップより印象が強くて、何かを買おうとする時に、まずそのショップを思い浮かべます。つまり「ショップブランドが売れる=将来パーツも売れる」という図式ができるわけです。パーツなどの購入では価格も重要ですが、それと同じぐらいに思い入れの強いショップで買おうという潜在的な意識ができあがると思います。
パーツのメーカーについても、個人個人で思い入れのあるメーカーがあることも多いでしょう。例えば、HDDはWestern Digitalが一番良いと思ったりするわけです。そんな時に自由に組み替えのきくショップブランドは有利です。これは2台目のパソコンの購入や、ユーザーの会社でパソコンを購入する時、かなり影響するところだと思 います。
反面、欠点としてはやはりサポートを自社でやらなければいけないという一番の問題を抱えています。不良品が出てきたり相性問題が出てきて動かないなど、多種多様の問題が出てきます。台数を売ればそれだけサポートの人員も増やさなくてはいけません。これは非常に大変で、ショップにとっても軽視できない部分です。自社で全てをやらなければいけないショップブランドでは自社で全てを解決する必要が出てきます。また新しいパーツが出てきたときに、それがちゃんと動くか、日本語環境で問題が出ないか、など下調べをしなければいけないことがたくさんあります。メーカー品でしたらメーカーのサポートにお願いすれば非常に簡単に済みますし、決まったスペックでしか売りませんから問題が発生することは少ないという利点があるわけです。
また、ショップブランドは汎用品を組み立てる分、個性という物に多少欠けている部分があります。ショップ毎に個性を出そうといろいろな工夫をしています。長い期間の保証や永久アップグレードの保証とかオンサイトサポートなど多種多様です。いろいろな個性を作るという手間のかかる事もする必要があります。広告費をかけてユーザーにショップブランドの名前も知ってもらわなくてはなりません。大きなメーカーがやっているようなことを、ショップでやるのは非常に大変です。ですが利点と欠点を比較したときにやはり、利点の方が大きいと思ってショップブランドを販売しているところが多いのだと思います。
よく初心者や企業の人からショップブランドは敬遠されがちですが、これまでに述べたように、パソコンの質だけで見たら、メーカーが同じ部品を採用しているぐらいですから心配はありません。もっとも初心者の場合は、たくさんのソフトが最初から付いているメーカー品も良いかもしれません。しかし、メーカーの最大公約数的なスペックに満足できなかったり、一般にバンドルされているソフトの不要なユーザーなら、ショップブランドも良いのではないかと思います。
また企業の場合、添付ソフトはワープロなどの限られたソフトだけが必要な場合が多いため、Office製品1本を別に購入するだけで良いこともあるでしょう。そんな場合は、ショップブランドでも良いかもしれません。こうした企業導入の場合、ショップブランドで一番気になるのがサポートの質でしょう。
基本的に、売った後のサポートの質が後々のリピーターになるとショップでは考えています。ショップによっては下手なメーカーサポートより柔軟で高レベルな対応をしてくれるところもあると思います。大手メーカーのサポートがオペレーターをたくさん用意してマニュアルによるサポートをするのに比べて、ショップのサポートは少数精鋭型で、柔軟な応対が可能ですから良いところもあると思います。
メモリはEDO-DRAMの64MBがすでに標準です。メーカー品はまだ32MBのモデルが多いですが、Windows 95を快適に使うには64MBが必要だとユーザーも感じてきているのかもしれません。128MBを搭載する人や、SDRAMによって組む人も多くなってきました。
CPUは予想通り、MMX対応の、Pentium with MMX(P55C)の200MHzが一番人気です。4月に入って、K6もかなり聞かれますが、物が出てこないのでは何にもなりません(詳しくは後述)。また、Pentium Proは、Pentium IIの発表が近かったこともあり、人気はいまひとつです。
マザーボードは、ショップによってオススメ商品が違うので一概に言えませんが、おそらくASUSTeKのP/I-P55T2P4が一番人気だと思います。ただし、これも新しいTX97シリーズに人気が移りつつあります。また、最近の傾向として、ATX人気が高いことが挙げられます。ここにきて、やっとATXが定着したという感じです。このままATXが 標準として進んでいくでしょう。
HDDの容量はすでに2GBではなく、主流は2.5GBから3.2GBあたりです。どんどんハイスペック化しています。う~む、みんなお金持っているなぁ……。ショップブランドはハイエンド指向の人が多いのかな?
こうしてスペックをみていくと、ショップブランドユーザーには、やっぱり初心者は少ないのかもしれません。
■■4月のショップ動向■■●K6空振り、Pentium II待ちか?
さらにK6-233が早くても5月末か6月からの出荷開始に遅れたという話。何があったのか分かりませんが、出荷開始が遅れたということは、何らかのトラブルでも発生したのでしょう。う~む、残念の一言。ちゃんと物が出てくれば市場は今とは全然違う状況だったかもしれないと思う今日この頃です。
Pentium IIが5月7日に発表されて、市場はかなり動きが激しくなってきました。新しいマザーボードもたくさん出てくるだろうし、今一番CPUの世界がホットですね。
そうそう、忘れちゃいけないCyrixのM2も出荷が間近? う~む、おもしろいぞこれは。
じわじわ値下がりしているだけなのに価格の競争は相変わらず。10円単位での争いになっている気がします。そんな中で隠れた価格競争になりつつあるのがSD-RAM。Intelの新チップセットの430TXが出てSD-RAM熱に一気が火がついたようで、とうとう品不足になりつつあります。価格の変動共々気になるところですね。
しかしながら、4月末からのゴールデンウィークは結構な人手がありました。やはり4月の低調は一時的なもので、すぐ元の秋葉原に戻りそうです。この暇な時期を狙って店舗の改装などを行なっているお店もみかけます。5月は4月の反動や新製品ラッシュもあって、結構にぎわうのではないかと思います。このまま昇り調子で6・7月の 夏のボーナス商戦に突入しそうですね。低調だと逆に夏のボーナスでの反動が大きいのではないかと思います。楽しみです。
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