【リレー連載 物欲道修行記】


リレー連載 物欲道修行記

第38講 非衝動買い派 師範:西川和久

 今回の西川師範のネタは富士フイルムの新しいデジカメ、DS-300です。5月9日にル・マンの取材でフランスから帰ってきたばかりの師範に、フランス直送の画像でレポートしていただきました。
(編集部)


FUJIFILM DS-300買いました!!

サブタイトル:時差ボケにも負けず……

EOS DCS 3c Photo@PARIS
Cafe@PARIS
EOS DCS 3c Photo@LE MANS
(c)1997 Le Mans Internet Project'97

禁じ手になっているカメラ関係もFUJIFILM DS-300ならOKって事で調子にのってちょっと書いてみよう。:-) 実は4/29~5/9まで仕事の関係でLE MANS@フランスへ行ってきた。当初の予定ではDS-300も持って行くつもりだったのだが、器材だけで20Kgを超えてしまい今回は残念ながら断念。6月にもう一度行く予定なので今度は必ず持って行こうと思っている。しかし、金曜日に戻ってから、たまりにたまった原稿を書いていて、まだ一度も自宅に帰っていない。(^^; こんな時に限って、この物欲道の順番までまわってくるとは……。(;_;)

上の二点はEOS DCS 3cで撮影

●なぜDS-300!?

DS-300 Photo "Canon EOS DCS 3c"セット
何時ものセット。
加えてThinkPad560の場合もある。
FUJIFILM DS-300で撮影
さて、DS-300は発表された時から注目していたデジタルカメラである。理由は”ちょっとした取材に何時ものEOS DCS 3c一式を持って出るのは大変なので、気軽に持ち運べるメガピクセル級”が欲しかったのだ。

一般的なデジタルカメラとして見るとサイズは大きいものの、ショルダーバックの中に入ってしまえば関係ないし、液晶モニタも無いのでバッテリー駆動時間を気にせず撮影ができる。更に見た目は迫力(?)があるので、イベント系の取材ではそれだけで人払にもなる。デザインは賛否両論かも知れないが、筆者はカメラっぽくて気に入っている。

もちろん1280×1000ドットの解像度はWebで使うにも、雑誌ネタで使うにも *1 十分なサイズで、細かい事を言いだせば文句も色々あるが、写りは値段を考えれば立派なものだ。

*1 一般的な雑誌は350dpiなので約9×7cmとなる。

●使用感

本体だけでは使えないので、HAGIWARA SYS-COMのATA Flash Disk/20MB二つと、Kenko 40.5mm MCプロテクトフィルタ、ホットシューを買ってきた。ここのFlash Diskは他社のと比較してかなり安く、けっこう大量に出回っているので入手しやすいだろう。信頼性も抜群(?)で、先日かみさんがポケットに入っているのを知らずにジージャンと一緒に漂白剤入りで洗濯→脱水→乾燥機と、とんでもない耐久テストをやってくれたが、二つとも中に入っていたデータとともに無事であった。(^^; フィルタに関しては40.5mmは種類も少なく(SKYフィルタとNDフィルタ程度)、ステップアップリングを使いたいところであるが、色々なセンサーがレンズ周辺にかたまっているのでケラレる可能性が高い。フードについても同様……など、色々付けだすとまた重装備になってしまう。基本的にこのDS-300は"ボディーはそのまま使って、撮ったデータもあまりレタッチを必要としない設計"になっているのだろう。

まだそれほど長期間使っていないし、4/6のJTCC'97以来、屋外撮影日に限って雨になるので、そう言った意味からも今回フランスへ持ち込まなかったのは非常に痛い。何といっても付属のズームレンズが日頃筆者が使っているレンズと比較すると暗く(F3.5/ワイド側~F5.6/テレ側)、ISO感度は100または400となるので、ここにあるサンプルも右下以外は全てシャッタースピード1/4秒となってしまった。おかげで1/4秒で手ブレしないように修行はできたが、ライブなど被写体に動きのあるものだと困ってしまう。ノイズっぽくなってもかまわないので、もう少し感度が欲しいところだ。

DS-300 Photo-A 4/19 撮影
DS-300初撮り@六本木
(右)

4/22 撮影
CASIOPEA@日清パワーステーション/リハーサル
(左)
DS-300 Photo-B
DS-300 Photo-C 4/19 撮影
DS-300初撮り@代官山
(右)

4/21 撮影
内蔵ストロボを使ってシンクロしてみました
(左)
DS-300 Photo-D
全てFUJIFILM DS-300で撮影

次に困っているのはファインダー。視野率80%となっているものの、これがかなり曲者で筆者にとっては難解。外部モニタを付ければ済むと言われても、それではまた重装備傾向になって"お手軽感"が薄れてしまいあまり気が向かない。同じレンジファインダー式のCONTAX G1/G2は正確なので、その気になればもっと精度Upできると思うがどうなのだろう!? >FUJIFILM

EOS DCS 3c Photo@日清パワーステーション
EOS DCS 3cで撮影
今回、130万画素CCDを搭載したDS-300を触って改めて感じたのは、デジタルカメラの"画素数"は、その写りとあまり関係ない事。一番上の2点と左の写真は同じ130万画素CCDを搭載したEOS DCS 3cで撮ったものだ。これだけ縮小した状態でも圧倒的に写りが違う。レンズを含めると価格差は9倍。銀塩カメラでは丁度安価なコンパクトカメラと高級一眼レフカメラとの価格差となる。(ゼロが一つ違うけどね^^;)

そう考えれば写りの違いは納得でき、DS-300は銀塩でいうところの"コンパクトカメラ相当にやっとなった"と考えるのが無難であろう。あまり無理難題を言っても仕方がない。唯一、DS-300が勝っているのはTTL調光できる事。こればっかりは対応していないEOS DCS 3cは勝ち目が無い。とにかくフラッシュを使うときは神経が磨り減ってしまう程気を使って撮影している事を考えると「お気楽DS-300の勝ち!!」となる。

と言う事で、筆者は当初の予定通りあまり欲張らずに、スナップ・取材用のカメラとしてDS-300を気軽にバシバシ使っていこうと思っている。

[Text by 西川和久]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp