プラトゥーンリーダー
発売メーカー:セガ 標準価格:9,800円 対応OS:95 備考:セガサターン版「アドバンスド大戦略」のスタッフが制作を担当。ヘックスやターン制などのオーソドックスなシステムとともに、登場する兵士や武器の細かな設定や新要素も取り入れた、セガ初のパソコン用オリジナルシミュレーション |
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どんなにパソコンのスペックが向上しようと、フライトシミュレータと並んでパソコンゲームの定番の1つに「戦争シミュレーション」が挙げられるのは今も昔も変わりはない。システムソフトの「大戦略」にハマったユーザーも多いはずだ。
しかし、ポリゴンだ、アニメーションだ、という技術的な部分が注目されている現在、昔ながらの戦術シミュレーションゲームが話題の中心になることも少なくなってきたことも事実だ。そうした中、セガPCから発売されたWindows用戦争シミュレーション「プラトゥーンリーダー」は、並々ならない「こだわり」を感じさせるソフトとして、注目できる。
●プレイヤーは小隊長となり、部下の兵士1人1人を指揮
ゲームそのものは、従来のソフト同様、ターンシステムやヘックスを採用したオーソドックスなもの。プレイヤーが対象を指定して「移動」「攻撃」などの指示を1つのターンの中で繰り返し、相手の動きも見ながら戦略を練るというものだ。舞台は第2次世界大戦のアフリカおよびヨーロッパ戦線になる。
このソフトは、従来のシミュレーションのように戦車や1個師団を扱うのではなく、プレイヤーは軍隊の中の小隊長となり、10人ほどの部下1人1人を指揮することになる。指揮する部下は「兵士A」ではなく、ちゃんとした名前や顔写真も設定されており、思い入れも確実に向上するはずだ。
さらに、例えば兵士が銃を構える時でも、立つこともしゃがむことも指定できるし、「身を伏せて攻撃しろ」、「壊れた兵器を修理して使え」といった、従来のシミュレーションでは使えなかったような命令ができるのが嬉しい。また、兵士が遮蔽物から前に出て、銃を撃ち、再び物陰に隠れるといった一連の行動が1つのターン内で可能だったり、戦場で解体して運搬する必要があるような大型兵器は、部品ごとに異なった兵士が持ち運び、さらに組み立てて設置するといった行動が発生するなど、そのリアルさに唸らされることが多々ある。
使用できる兵器も、かなりの専門書でなければ掲載されていないようなマイナーなものまで用意されているほか、あまりなじみのない作戦も地理状況などをリアルに再現。米国からわざわざ取り寄せたという当時の貴重な記録映像も、要所要所でムービー再生されて臨場感を盛り上げる。マニアにはたまらないだろう。
作戦に成功すると昇進してその兵士が休暇モードになる、といったところも従来のゲームと一線を画している。しかし、ともに何度も戦火を潜り抜け、大事に育てた部下が昇進しすぎてしまい、違う部隊にいつのまにか配属されてしまうのはちょっと悲しいものがあった。
●初心者からミリタリーマニアまで、幅広い層にオススメ
このような「こだわり」は、全くゲームとしての快適さを損ねていない。単なる詳細なデータ設定が可能だというだけでなく、「もっと柔軟に兵器や兵士を使いたい」という、今までのユーザーのストレスを解消してくれたことも高く評価できる。基本操作がオーソドックスな上、初心者にも合わせたレベル設定もできるため、ミリタリーマニアはもちろん、そうでない人もとっつきやすいだろう。
[Text by 田沼弓彦]
□Weekend Summary
●マイクロマウス、「X-WING vs. TIE FIGHTER」を発売 ほか
□ゲームソフト発売予定カレンダー
4月・5月・6月・7月・未定・MMX対応タイトル・Power VR専用タイトル