毎週金曜日更新


Weekend Watch【'97/4/11版】

 今回のゲームソフトインプレッションは、ケイエスエス「映画監督物語」と、ジャストシステム「スティーブン・スピルバーグのディレクターズチェア」です。
 インプレッションや記事に関するご意見・ご感想、とりあげて欲しいゲームソフトや企画などは、pc-watch-info@impress.co.jpまでお寄せください。


■ゲームソフトインプレッション■

映画監督物語


ジャンル:映画製作シミュレーション
発売メーカー:ケイエスエス
標準価格:9,800円
対応OS:95、3.1
備考:'70年代~'90年代の日本の映画業界を舞台に、世界的な成功を目指すシミュレーション。「恋愛」、「ドキュメント」、「アクション」など9ジャンルの映画製作が体験できる。

スティーブン・スピルバーグのディレクターズチェア


ジャンル:映画製作シミュレーション
発売メーカー:ジャストシステム
標準価格:7,800円
対応OS:95、3.1、Macintosh
備考:スティーブン・スピルバーグ監修監督の実写映画製作シミュレーション。「インディー・ジョーンズ」の製作スタッフによる、クエンティー・タランティーノ主演のオリジナル映像が収録されている。

【筆者紹介】
  • 名前:尾道晃
  • 好きなジャンル:シューティング、格闘、アメゲー、競馬モノ
  • プロフィール:パソコン雑誌や単行本などに寄稿。元雑誌の編集者
【総プレイ時間・ハード環境】
  • 総プレイ時間
    「映画監督物語」:約10時間
    「スティーブン・スピルバーグのディレクターズチェア」:約7時間
  • 使用ハード:自作PC/AT互換機
    CPU:6x86-P166
    メモリ:64MB
    グラフィック:S3 ViRGE(4MB)
    サウンド:Sound Blaster16


映画製作の願望を簡単にシミュレートできる「映画監督物語」と
「スティーブン・スピルバーグのディレクターズチェア」

 映画というメディアは、ちょっと近寄りがたいところがあるけど、魅力もある。私のような文章を書く仕事をしている人間でも、やってみたいと思わせてくれるメディアだ。でも、実際にやるとなれば、人もお金も大量に必要となるワケだが、簡単にシミュレートできるソフトがある。それが映画監督物語とディレクターズチェアだ。ちょっとマニアックなネタなのは我慢してね。まずは、映画監督物語から。

(C)KSS

●RPG的要素をもった映画シミュレーションの「映画監督物語」

 映画監督物語のゲームの流れは大きくふたつのパートに分けられる。ひとつは人材を確保する街モード、そして映画の撮影と編集を行う撮影モードだ。街モードでは、いろいろな場所へ行き、人と会い、映画のスタッフとなる人を探したり、脚本を書いてもらうように依頼する。そして、脚本とスタッフがそろったら撮影モードへ移行する。撮影は、基本的に助監督任せなのだが、スタッフ同士でトラブルが起きたらなだめたり、女優の演技指導を行ったり、スケジュールを変更したりと、けっこう忙しい。なんやかんやで、撮影が終わったらフィルムを編集する。これが終われば晴れて上映となる。映画ができあがると、映画祭に出展することもできる。そこで、受賞すればお金が手に入り、その後、映画館へ行けば、自分で作ったものが見られるというわけだ。

 簡単にゲームの流れを説明したが、このゲームにも一応ストーリーがある。ストーリーにそって、映画を1本撮るごとに時代が進む。この進行ぐあいによって、エンディングが変わるようになっている。ゲーム中にやることは、前述したとおりなのだが、使うスタッフによっては、映画の評価が大きく変わってくる。評価が高ければ、賞のひとつも取れるだろうし、上映期間も長くなる。それだけ収入が増えて、高価な器材を購入できるし、いい編集スタジオも利用できる。まあ、このゲームはなんどもプレーして、いろんな映画を撮るのが目的だから、最初から映画の善し悪しは、意識しないほうがいい。とにかく、なんどもプレーできるのがこのソフトのいいところ。登場するキャラクターも個性的で、いろんなパターンのキャスティングが楽しめる。

 映画監督物語は、一応シミュレーションと銘うっているが、そんなに肩肘はってプレーするものではない。気楽に映画作りを楽しめる、良質のゲームなのだ。ちなみに、キャラクターデザインは知る人ぞ知る、さっぽろモモコさん。そういえば某「ようこそシネマハウス」のキャラデザインもモモコさんだったような……。

(C)1996Knowledge Adventure,inc/(C)1997JUSTSYSTEM

●映画作りの雰囲気をそのままソフトにした「ディレクターズチェア」

 ディレクターズチェアは、まさに映画監督をシミュレートするソフト。脚本から編集、サウンドやはてはポスターやチケットまで作れてしまう。映画を作ることに徹したゲーム? なのだ。その分、映画作りに興味のない人には、ツライゲームとなってしまう(あたりまえなんだけど……)。

 映画製作といっても、スピルバーグやほかのスタッフによる説明がうるさいくらいことこまかに教えてくれるので、なんにも知らなくてもとまどうことはない。ただ、制作日数と予算があらかじめ決められているので、このあたりに注意すること。プレー開始直後は、監督のレベルも低いので、できることが少ない。とりあえず、1回映画を作って、プレーの感覚に慣れることが必要かな。最高レベル4までスキルは上昇する。こうなると、カメラのアングルやエフェクト、サウンドなど、こりまくったあなただけの映画ができる。ちなみに、脚本は2種類しかない。これをなんども撮影する。

 正直なところ、最初はなんか退屈なゲームだなぁ、と思ってプレーしていた。だが、2回目以降は、かなり凝った演出ができるので、すごく楽しく感じる。とにかく撮ったフィルムを編集するときが、いちばんおもしろいと思う。同じシーンでも数種類のアングルで撮影し、好きな部分だけを切った貼ったする。そして、できあがった映画を見ると、映画って本当に楽しいのねって、実感できる。映画が好きな人、あるいは映画を撮ってみたいと思ってる人なら絶対に楽しめると思う。ただし、CD-ROM 3枚組と「ファイナルファンタジーVII」を彷彿とさせるボリュームなので、できれば高速なCD-ROMドライブがあったほうがいい。

 ちなみに、このディレクターズチェアの開発元であるKnowledge Adventureは、良質のエデュテイメントを作っているところで、けっこう日本語化されているものもある。

●どちらもオススメ

 2種類の映画モノを紹介したわけだが、どちらも対象としているユーザーははっきりしていて、映画監督物語はやっぱりゲームとしての映画を楽しみたいと思っている人、ディレクターズチェアは映画作りをしてみたいという人向け。私はどちらもおもしろいと思ったけど、どちらかひとつといわれたら、ディレクターズチェアを選ぶと思う。だって、映画作ってみたいんだもん。

[Text by 尾道晃]


Weekend Summary
●東京ゲームショーレポート ほか

近日発売ソフトタイトルカレンダー
●4/11~4/18発売予定ソフトタイトル
●新規追加、発売日変更ゲームソフトタイトル

ゲームソフト発売予定カレンダー
4月5月6月7月未定MMX対応タイトルPower VR専用タイトル


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp