■ゲームソフトインプレッション■
レーシングゲームはどれがお好き?(C)KALISTO Entertainment 1996-1997 ●感動モノのグラフィックの「ULTIM@TE RACE」、ただゲーム性は・・・ まずは鳴り物入りで登場したPowerVR対応のレースゲーム「ULTIM@TE RACE」だ。これは昨年、COMDEX/FallのNECブースで大人気だったゲーム。「3Dアクセラレータはこう使うんだ」といった気概の感じられる、絶品のグラフィックスが特徴。プレイするには、NEC-HEの「PC 3DEngine」が必要となる。 800×600ピクセル/32,000色のグラフィックは感動モノ。朝方、もやのかかった橋の上を通ったり、強い日差しの中、森の木陰を切り裂いていく描写は、アーケードゲームを含めても「絶品」と評価できる。PowerVRの制限でテクスチャマッピングが粗く見えてしまうんだけど、それをのぞけば最大の賛辞をあげたい。しかも、これだけ美麗なグラフィックにも関わらず、描画はいたってスムース。コマ送りになって雰囲気台無し・・・なんてことはない。 ドライビング感覚そのものは、まるでスリックカートのようによく滑るのだが、逆にドリフトコントロールの楽しさにつながっていてGood。アクセルワークやブレーキを使わなくても滑り始めるのはちょっと安易だが、まぁゲームなんだからブレーキとアクセルで加重をコントロールして・・・なんてことにこだわる必要はない。 ただゲーム性となると、ちょっとキビしい。走るコースは1つしかないし、コンピュータとの対決は退屈だ。DirectPlay対応なので、ケーブルやLAN、モデム、インターネットを使った対戦もできるけど、現状ではPowerVRとULTIM@TE RACEの両方を持っている友人を捜すのは難しいだろう。ドライブそのものを楽しむだけというなら、なかなかのものなんだけどね。
Copyright 1996 Sierra On-line,Inc.and Papyrus Design Group,Inc. All Rights Reserved. (C)1997 Sierra Pioneer Inc. ●リアルタイムシミュレーションの「NASCAR Racing II」 お次はPC用レースゲームの第1人者でもあるPAPYLUSの「NASCAR Racing II」。前作は'94年に発表されている。EDGE 3DやMGA Milleniumなどにもバンドルされていたから、知っている人も多いんじゃないだろうか。 レーストラックが16種類に増え、参加するレースカーのペイントも、実際のNASCARシリーズに出ているマシンそのもの。ついでにオヤジばっかりだけど、ドライバーたちのプロフィールも見ることができる。 ゲームそのものの本質とは関係ないけど、車のボディのペイントを自分で編集できるのはおもしろい。オリジナルペイントの車で優勝すれば、そりゃあ誰だってうれしいもんね。 ゲームの中身はといえば、それはもうPAPYRUS製品を知っている人なら、誰でも想像が付く内容。若干ハンドリングは簡単になっているが、それでも難しく緊張感の必要な独特の雰囲気はそのままだ。タイヤへの負担を気にかけながら、スムースに走らないとレースには勝てない。 爽快感を求めるゲームではなくて、完全にリアルタイムシミュレーションの世界。「サーキットを駆け抜けて、ライバルたちとテールツーノーズの戦いをしたい!」と思っても、なかなか思うようには走らせてくれない。でも、リアルなだけにやり込みがいがあるのも確か。通信対戦にも対応している。 ところで、このNASCAR。そのゲーム性よりも、処理が重いことで有名だった。SVGAでフルポリゴンのレースゲームを動かすんだから、そりゃぁ、かなりのCPUパワーが必要だ。これはIIになっても同じ。でもその分、描画のディテールは向上しているから、相対的にはパフォーマンスも向上しているんだろう。Pentium Proなら、結構高速に動いてくれる。 でも、おすすめはRenditionのVeriteチップを使った3Dアクセラレータ上でのプレイ。テクスチャのフィルタがしっかりと効いて、背景のリアリティも大きく向上する。Verite対応の実行ファイルは、最初から同梱されている。Veriteユーザーなら買って損はないと思う。
SEGA RALLY CHAMPIONSHIP: (C)SEGA ENTERPRISES,LTD.1994,1995,1997 ●もっともゲーム性は高い「セガ ラリーチャンピオンシップ」 最後は発売(1月31日)されてちょっと経っちゃったけど、セガのラリーチャンピオンシップ。元はアーケードでヒットしたゲームで、ダートでのドリフト感覚がなんとも言えず、いい味を出すレースゲームだ。Windows 95版は、サターンからの移植だ。 ここで紹介している中では、もっともリアリティが低いんだけど、逆にもっともゲーム性は高い。「レースゲーム、何を買えばいい?」と聞かれて、誰にでも「これかな?」と答えられるのは、間違いなくこのゲームだ。 同じセガのWindows 95版デイトナUSAは、通信対戦をサポートしていなかったけど、セガラリーの方はしっかりとDirectPlayに対応している。サターン版ではモデムを持った友達がいなくて、せっかくの通信機能を生かせなかったという人は少なくないだろう。でも、Windows版ならモデムの問題はない。 ただ、処理の方は少々重い。Pentium Pro 200MHzのマシンにTotal3Dの組み合わせでも、32,000色の640×480ドットモードでは、爽快感や操作性がすこぶる悪くなってしまう。640×480ドット256色で遊ぶのがベストだ。ただ、あまりCPUの速度は関係ないのか、Pentium 166MHzのマシンで動かしたときも、ほとんど操作性に変化はなかった。
●メモリは必須、ハンドルコントローラも欲しい 3つとも個性が強いから,好みがはっきりと分かれると思う。少なくとも、セガラリーが好きでせっかちな人にはNASCARは勧められない。 ゲーム内容とは別に、まずメモリは買った方がいい。DOSゲームのNASCARはそうでもないのだが、Windows 95用の「ULTIM@TE RACE」と「セガラリーチャンピオンシップ」はとにかくメモリを食う。16MBのメモリではつらい。 もうひとつはハンドルコントローラも欲しいところ。特にULTIM@TE RACEは、すごくスリッピーで逆ハンドルのコントロールもシビア。パッドで操作して楽しいのは、セガラリーぐらいのものだ。 結局、この手のゲームって金食い虫なんだよね。シミュレーション好きが多いのには、結構そんな理由もあるんだろうか? ゲームなんかでPCの強化なんて馬鹿らしい・・・なんて思いながらも秋葉原に足が向かう自分が悲しいな・・・ホント。
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