■ゲームソフトインプレッション■
大航海時代III ~Costa del Sol~
ジャンル:ロールプレイング+シミュレーション
発売メーカー:光栄
発売日:発売中
標準価格:9,800円
対応OS:Windows 95
備考:財宝や遺跡発見などを目指して冒険を行なう「大航海時代」シリーズの最新版。Macintosh版も3月21日に発売される。
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【筆者紹介】
・名前:平野裕子
・好きなジャンル:スポーツ・レース・フライトシミュレーション以外
・プロフィール:雑誌「Mac Life」や各種攻略本などに起稿しているフリーライター
【総プレイ時間・ハード環境】
●総プレイ時間:約40時間
●使用ハード:Presario 9542
・CPU:Pentium 100MHz
・メモリ:8MB
・グラフィック:S3 TRIO 64V(2MB)
・サウンド:サウンドブラスタ互換
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良くも悪くも光栄らしい 新要素満載の『III』
(C)1996 KOEI CO,.LTD.
一介の青年が「王様のパシリ→探検家→交易商人→軍人→貴族」と成り上がっていく立身出世物語だったのが最初の『大航海時代』。これが『II』になると、異なった背景を持つ6人のキャラクターが選べるマルチシナリオ形式になり、『III』はさらにキャラが増えるのか?と期待していたらあっさり裏切られてしまった。
「世界中を発掘してまわる壮大な宝探し」というシリーズを通しての基本概念は同じだが、シナリオらしきものはない。高条件が揃っていて親切な解説がつく初心者用キャラが2人用意されているだけで、ノーマルではオリジナルキャラが作成できるようになっている。
●楽しいけどつらい新要素
(C)1996 KOEI CO,.LTD.
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でもって、新要素としてはリッチなおじさまに冒険目的を説明して援助してもらう「プレゼン」と、子をもうけて後を継がせる「世代交代システム」が登場。楽しそうでしょう。楽しいけどつらいよ。良くも悪くもより光栄作品らしくなった、というか、修行を積んでスキルアップするか、能力が高い航海仲間を見つけない限り冒険のヒントとなる図書館の本が読めないし、戦闘にしてもまともに勝てるようになるまでの道のりがやたら長い。
1480年に冒険が始まって、他の航海者に出し抜かれないようタイトなスケジュールで探索をこなして金を貯め(先に発表されると価値がなくなる)、現在1510年。ようやく使えそうな大型船が登場したのはいいが、これがまた目ん玉とびでー価格。
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やっとチュニス港の酒場女を口説き落として所帯を持ち、子が産まれたばかりなのに……探索(金策)に飛び回る日々。前作と違って中古船はないし、陸では原住民が、海上では海賊や敵国の艦隊が、地雷や魚雷のごとく唐突に襲いかかってくる。姿が見えないから戦略の立てようもなく、序盤は逃げるのみ。きっ……厳しい。艦隊さえ作れれば立場が逆転し、敵鑑をつぶしては物資やお金、宝物をごっそりいただけるようになるのだが。たぶんそれまでは世界中の遺跡や謎の生物、未知の大陸、ついでに嫁さんを探し回り、苦労して作ったムービーやミニパズルゲームを堪能してね! ってことなんだろう。
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(C)1996 KOEI CO,.LTD.
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●根っからのシミュレーション好きにお勧め
うーん、今回の『III』を胸張っておすすめできるのは、根っからのシミュレーション好きか、地理や世界史の教科書がそのまま攻略本になる学生さん(特に受験生)。それ以外の人は前作から順当にプレイした方がよろしいかと。
[Text by 平野裕子]
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