後藤弘茂のWeekly海外ニュース
【ニュースサイトWatch】


●ゲイツ氏がアメリオ氏、ジョブズ氏と密会!?

 先週前半、ニュースサイトを駆けめぐったのは、Microsoftのビル・ゲイツ会長兼CEOが、米Apple Computer社のトップと密会をしたというスクープだった。火元はNew York Timesで、同紙を引用する形で主なニュースサイトもこの件を報じた。なんでも、このミーティングは1月の中旬頃に持たれたもので、ゲイツ氏とApple本社で会ったのはギル・アメリオ会長、スティーブ・ジョブズ氏、そしてAppleのCTOであるエレン・ハンコック氏だったという。えっ、MicrosoftとAppleって仲が悪かったんじゃないの? 前に訴訟問題があったり、こないだもアメリオ氏がMicrosoftのことを悪魔だとか言っていたし...と思う人もいるかも知れない。だが、コトはそう単純じゃあない。Microsoftが知的所有権問題などで争っていたのはあくまでもスカリー時代のAppleで、ゲイツ氏はもともとジョブズ氏とは仲がよかった(Microsoftのセミナーとかにもちゃんとジョブズ氏が出ていたりする)。それに、米国ビジネスマンは、悪口を言い合っていても、手を結ぶべきところではしっかり手を結ぶ鉄面皮だ。ただ、両社のトップが友好的に交流することがこのところ絶えてなかったのも確かだ。まあ、このところMicrosoftはApple支援策を次々打ち出しているから、別にミーティングを行ったとしても不思議ではない。だが、トップ同士の秘密会談となると気になるのはその内容。AppleがWindows NTのライセンスを受けるとか、Intelプラットフォームへ進出するといったウワサが、ニュースで流れたが、真偽はまだ不明だ。


「Gates,Apple meet for closer ties」
[CNET,1/27]などで。
http://www.news.com/News/Item/0,4,7348,00.html


●MicrosoftがOffice 97の供給戦略に新プラン

 さて、そのMicrosoftは、Office 97のディストリビューションプランに変更を加えるらしい。「Microsoft to announce new Office 97 distribution plans」(InfoWorld,1/31)によると、これまでのOfficeの価格は、VAR業者向けとパソコンメーカーのOEM向けで格差があったが、それを是正するつもりだという。ようはVAR業者を支援しようというわけだ。この件については、Microsoftが米国時間の2/3 午前9時からテレフォンカンファレンスを開催すると発表している。この、Office 97の価格(供給)戦略は、日本の供給戦略にも影響を与えるかも知れない。

「Microsoft to announce new Office 97 distribution plans」
[InfoWorld,1/31]
http://www.infoworld.com/cgi-bin/displayStory.pl?970131.eoff972.htm

「Microsoft to Announce New Office 97 Distribution Plans」
[Microsoft Press Release,1/30]
http://www.microsoft.com/corpinfo/press/1997/Jan97/Nwof97ma.htm


●NetscapeのConstellationは予定よりも遅れる

 予想よりも好成績の業績を発表したばかりの米Netscape Communications社だが、同社の野心的なプロジェクトである次世代デスクトップ環境「Constellation」は、β版と最終版の出荷ともに、予定より後ろへずれ込むらしい。「Netscape Communicator Beta Pushed Back」(COMPUTER RESELLER NEWS,1/31)が報じているものだ。Communicatorのセカンドプレビューリリースは来月(2月)に出るらしい。

「Netscape Communicator Beta Pushed Back」
[COMPUTER RESELLER NEWS,1/31]
http://techweb.cmp.com/crn/dailies/weekending013197/jan31digD.html


●AOLが怒れる顧客に料金を返還

 先週のコラムで伝えた、固定料金制移行によるアクセスの急増で苦境に陥った米国最大のパソコン通信AOLだが、また動きがあった。AOLは、全米36州の検事局から消費者保護のため何らかの保証を行うように求められていたが、それに応えて、会員に対して固定料金制移行の過去2ヶ月間の払い戻しを行うと発表したのだ。しかし、その内容は15時間以上アクセスしていたら払い戻しできないとか、返金を求める電話がまたつながらないなどのトラブルが当初生じるなどで、またまた不満と混乱を引き起こしてしまったという。もっとも、事態はようやく収拾の気配を見せてきたようだ。

「AOL cuers try to make sense of refund process」
[USA TODAY,1/31]
http://www.usatoday.com/life/cyber/tech/ct731.htm


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('97/2/3)

[Reported by 後藤 弘茂]


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http://www.usatoday.com/life/cyber/tech/ct731.htm