【リレー連載 物欲道修行記】
リレー連載 物欲道修行記
第9講 こもの派 師範:広野忠敏
今回の広野師範のお題は、先週のスタパ師範に続いてラベルライタである。どうやら「シールを作りたい!」熱はプリクラ女子高生のみならず、PCユーザーの間でも広がっている模様なのである。ところで、広野師範は原稿中でもちょっと触れられているが、このたび結婚される運びとなり、29日発売の雑誌の〆切と重なり、めったやたらとお忙しい日々を送られていた。広野師範が結婚されて、今後の物欲道修行になんらかの影響があるかどうかが注目されるところだ。
なお、先週このコーナーにてさりげなく告知させていただいた、気絶派の教書「PC道」プレゼントの発表はこちらです。(編集部)
今ラベルライタが熱い ― ブラザー P-TOUCH PC
実は今週は原稿執筆の仕事に加えてプライベートでもかなり忙しくてお買い物に出かけることができなかった。秋葉原に行かなかった週なんてのはホントに久しぶりだ。たまには物欲しないのもなんだかオツなものかもしれない。そんなワケで今回は手持ちのブツを紹介することにしよう。前回のリレー連載でスタパ師範はどうやらラベルライターにソソられてしまったようだが、私は半年以上も前にソソられて買ってしまったものがある。それが、ブラザーのP-TOUCH PC(標準価格39,800円)だ。
●P-TOUCH PCはふつーのプリンタ●
ラベルライタといえば古くはダイモ、最近ではキングジムのテプラやカシオのネームランドが幅を効かせているが、P-TOUCH PCはテプラやネームランドのようなスタンドアロンタイプのラベルライタではなく、れっきとしたプリンタなのがイカしているところ。こいつをパソコンに繋げばあとはふつーにプリントするだけで、「あっ!」という間にテープのでき上がりというワケなのだ。
こいつとパソコンの接続はRS-232Cケーブルで行う。ラベルの印刷はP-TOUCH PCに付属している専用のソフトを使うのが最も簡単なのだが、パソコン側から見るとP-TOUCH PCは単なるふつーのシリアルインターフェイスのプリンタ。つまり、専用ソフトを使わなくてもいきなり別のアプリケーションからP-TOUCH PCに印刷することもできるようになっているのだ。もし、自分でアプリを書くことができれば専用の印刷ソフトだって作れるのだ。これって結構イカすでしょ。
テープの種類はネームランドやテプラほど豊富には揃っていないが、幅が6、9、12、18、24mmのそれぞれのテープがあるので通常の使用には十分だといえる。また、テープの色や文字の色もいくつかのバリエーションがあり選べるようになっている。さらに、テープは表面がラミネート仕上げのラミネートテープ、テープ表面に直接印刷できるサーマルテープ、レタリングのように転写して利用する熱転写テープの3種類があるのも面白い。テープはラミネートテープが主流だが用途に応じて選べるようになっているワケだ。
●P-TOUCH PC Editorもイカす●
P-TOUCH PCにはWindows用とMacintosh用のラベル作成専用ソフト(P-TOUCH PC Editor)が付属している。ユーザインターフェースはどちらもあまり変わらない(※)。普通のドローソフトのように文字や図形、イメージなどをレイアウトするだけで簡単にラベルを作ることができるようになっている。たとえば、右のようにフォントに勘亭流を使って枠を作ればあっというまに千社札のできあがりというわけだ(所要時間30秒)。極太明朝を使ってエヴェンゲリオン風ラベルを作るのもいいだろう。もちろん、画像を貼り込んでイカすラベルを作ることもできる。また、文字やイメージを利用するだけでなく、バーコードの印刷もできるようになっているのも面白い(用途は聞かないでネ)。
思い通りのラベルが出来たら印刷するとカタカタという音と共にラベルに印刷される。ちなみに、専用ソフトではデータベースとリンクしてラベルを連続して印刷する機能もある。たとえば、住所録などをデータベース化してアドレスのシールを一気に打ち出すなんてワザも可能だ。
※編集部注:実は広野師範が購入されたのは平行輸入品バージョン。Macintosh接続用のケーブルとMacintosh用のラベル印刷ソフトが同梱されており、プリンタ本体にはIBM & Mac Compatibleのシールも貼ってあったという。しかしブラザーの国内販売品はWindows 95/3.1のみの対応となっているので、Macintoshではお使いになれません。ご注意ください。
●イカすラベルの使いみち●
さてと、せっかくのこんな楽しいおもちゃをほっておく手はない。もちろん、ふつうにビデオテープのラベルを作ったり、MOディスクやフロッピーディスクに貼るラベルを作るのもいい。名前と住所のラベルを作ってそこらじゅうに貼りまくるのもいいだろう。また、ファイルの背表紙のラベルを作るなどビジネスの分野でも活用できる。
ちなみに、筆者はこれを買ってすぐにハマりまくり、名前入りのラベルを作ってそこらじゅうに貼りまくったという経験をしている。さらに、表札がラベルだったり名刺の裏にもラベルが貼ってあったり、もちろんフロッピーディスクやMO、ビデオテープにも貼ってあったり、携帯電話の裏にコマンドを印刷したラベルが貼ってあったりと今ではラベル三昧の生活をしている。
まー、スタンドアロンのラベルライターではこんなにはハマらなかったと思う。なんてったってラベル作るのが面倒でしょ。実はカシオのネームランドとかもっと古いペンタイプのプリンタとかも持ってたりするんだけど、スタンドアロンのこの手のツールとパソコンを比べてみると、やっぱりユーザインターフェースはパソコンの勝ちって感じかな。
とにかく、P-TOUCH PCを使えば思いっ切り不精な筆者でも面白いようにラベルを作ることができる。あまりにもラベルを作りすぎて、ラベルを作ってから貼る場所を探すなんてコトも日常茶飯事という具合にとっても楽しいのだ。
そんなワケで、スタンドアロンのラベルライタは楽しいけどラベル作るのが面倒だなんて感じている人がいたら、いますぐコイツを買いに走ろう。
[Text by 広野忠敏]
ウォッチ編集部内PC Watch担当
pc-watch-info@impress.co.jp