たまたま通りかかった電子文具売り場では、キングジムのテプラとカシオのネームランドが激しく戦っていた。「ああファイルやビデオテープに貼るラベルを印刷するアレか」と思ったうえに「まあ、俺はこんなスタンドアロンな装置買わないけどな」とまで思ってそれらを何となく眺めていたら、突如そのチラシが目に飛び込んできた。そのチラシにはカラー印刷ができるネームランドが登場したと書いてある。ビデオ画像をそのままカラーのシールにできると書いてある。むむッと思ってよく読んでみると、さらにオリジナルスタンプを簡単に作れるしQV-10などとつながるとも書いてある。むむむッと思ってさらに読み進めると、パソコンでネームランドを制御できるソフトも発売中だヨと書いてあるではないか!! むむむむむむむッ!! これはイカス!! 欲しい!! 欲し過ぎる!!
ということでカラー版ネームランドKL-C100とパソコンリンクソフトFA-800(Macintosh版/Windows版としてはFA-700がある。どちらも定価12,800円)を速攻で購入して使いまくってケーブル分類ラベルやシリアル番号ラベルなどを作り、さらに目玉機能のシール印刷機能を使った瞬間、俺はハマってしまった。シール作りが異常に楽しくなってしまったのだ。
KL-C100はカラー印刷ができるネームランドなのだが、パソコンリンクソフトを使った場合には色の指定などができない。ネームランドの一般的なラベルは、あらかじめラベルの色と印刷される文字の色が決まっている。カラー印刷をする場合は専用のラベルカートリッジを使い、KL-C100で文字色と背景色の指定をするのだが、パソコンリンクソフトを使うとそれらの指定ができなくなるというわけだ。なので、ふつーのラベルカートリッジは使えるが、カラーラベルカートリッジは使用不可能。
ところで、何だかイマイチ腑に落ちないのが、QV-10とKL-C100の接続性だ。KL-C100には、QVシリーズやパソコンと接続するためのデジタル接続コネクタがある。QVシリーズをパソコンとシリアル接続する時と同様の働きをするポートだ。ちなみにQV-10もKL-C100も、このデジタルコネクタは同じ形状で、パソコンと接続するケーブルは流用できる。つまり、QV-10用の接続ケーブルがパソコンにつながっていれば、そのケーブルをそのままKL-C100で使えるのだ。
で、腑に落ちないというのは、QV-10とKL-C100をこのデジタルコネクタを利用して接続した場合は、カラーのシール印刷ができないということ。カラーシールを作るためには、QV-10とKL-C100をビデオ出力ケーブルで接続しなければならない。QV-10とKL-C100をデジタル接続すると、モノクロのシールしか作れなくなってしまうのだ。
他分野の製品なのにこれほど規格面の統一をしてるカシオさんなのに、どうしてQV-10とKL-C100を接続した場合は、カラーのシールは作れず、モノクロのシールができちゃうんですか? 値段が高くなっちゃうんですか? まあこれは仕様なので仕方がないのだが、どうしてこんな風な制限が!? 定価48,000円なのに。高い機械なのに。ちぇ。
という疑問を抱いたのをすっかり忘れて家電店にラベルカートリッジを買いに行ったら、ななな何とQVシリーズ専用のシールプリンタが!!
ともあれ、シールにハマってしまった俺としては、この、シールを作るためだけに存在しているプリンタを見逃すわけにはいかない。よくよく見てみると、この、シール量産機QG-100の用紙は、KL-C100のカートリッジとクリソツだ。シールを作る動作もでき上がったシールの感じも、ほとんど同じだ。これはさらに見逃せない。もしかしたらまったく同じ製品でイレモノが違うだけなのか~ッ!? 脳内に疑問が渦巻いた俺は突如気絶した。
そして気づいてみると、俺の机上にはQV-10とKL-C100とQG-100が並んでいたっていうか本当は俺が衝動買いして何度見てもイイ感じになるように並べておいた。
で、さっそくテスト。QV-10の画像をシール化したとき、KL-C100とQG-100のどっちがキレイかということである。
元になった画像とQVに転送した後の画像(圧縮されるので少々汚くなる)を以下に掲載する。
元になった画像 | QV-10Aに転送した画像 |
また、双方で印刷できるシールのサイズが異なるため、ここではそれぞれで印刷できる各サイズのシールをそのままスキャンしたものを掲載する(JPEG、156KB)。スキャン条件が変わらないように、1枚の方眼紙上に両機種の各サイズのシールを貼り、1度にスキャンしている。各シールを一望するとわかるが、QC-100で印刷されるシールは、元の画像がほんの少しトリミングされてしまっている。1枚印刷時より、マルチ印刷時の方がよりトリミングが強くなる。端から端まで印刷してくれよという気がするが、まあほんの少しなのでよしとしよう。が、KL-C100の場合は、かなり強引にトリミングされてしまう感じだ。画像撮影時は、シール化することを考えて上下を広く撮っておかないと残念感溢れるシールになってしまうだろう。
それから、KL-C100とQG-100のシールを比べると、コントラスト・色合いともにQG-100の方が元の画像に近い(JPEG、234KB)。なおKL-C100にもQG-100にも、画像を調整する機能があるが、KL-C100は画像を調整しない状態、QG-100はコントラストのスライドボタンを中央の状態で印刷している。テストを行ったり原稿を書いたりしたのが9月28~29日の土日だったので、カシオさんにQG-100の印刷密度(dpi)を問い合わせることができなかった。手際が悪くてすいません。が、この印刷結果の差は、プリンタのdpi値から来るような種類のものではないような気がする。気がするだけですいません。
結果、俺の独断と偏見で、このシール対決はQG-100の勝利となった。
何だか今回は偏った観点のレポートですみません的フィーリングである。PC Watchをお読みの方で「シールが作りたくて作りたくてしょうがない」という方はあまり多くないと思うが、いや、ほとんどいないと思うが、今月はとりあえずシール系の装置を2台も買ってしまったので、こんなレポートをしてみたというわけだ。
で、ウェブブラウザとしてや、パソコン通信の端末として使ってみたのだが、まあしっかり使えはするものの、やはりタッチペンだけでの"通信"はちょっと疲れる。が、メールの送受信は非常にいい。そんじょそこらのパソコン用電子メールソフトなどかなわない使い勝手だ。また、非常に合理的にメールを読んできてくれる。例えばニフティーサーブ専用のターミナルソフトのように、必要な送受信がない時は常にオフラインという感じで、最小限の通信費でメールを活用できる工夫がなされている。MIME形式のメールも送受信してみたが、JPEG画像を問題なく開くことができた。
意外にすごく便利なのが、ホストをいちいち気にせずメールを使えるという点だ。俺はbekkoameとAIXとニフティーサーブとアスキーネットと草の根などけっこう多くのホストを使ってメールをやり取りしている。こんな感じだと、複数のアカウントを使い分けて、複数のホスト内の複数のメール相手を意識していないと、メールの送り忘れなどがあってけっこう混乱するものだ。また、多くのメールソフトは、複数のアカウントを同時に扱えないようなしくみになっていたりもする。この点、ザウルスのメール機能は秀逸だ。ホスト名がどこだろうといくつあろうと、どこから送られてきたメールだろうと、基本的にはザウルスくんが勝手に仕分けしたり送り分けたりしてくれるのだ。このままパソコン用のメールソフトとして移植して欲しいほど使いやすい。
というわけで、もーパソコンでメールすんのめんどくさいからメールは全部ザウルスにしちゃおっかな~でもペン入力だと長いメールとかアレだしな~、とザウルスでメール一本化計画を発動しそうになったりしている昨今である。
現在は、まだカラーザウルス専用のパソコンリンクソフトがない(画像を転送できるソフトならある)のでアレだが、パソコン上でカラーザウルスの全データを編集できるようなソフトが出たら、メールはザウルスだけに任せてしまってもいいような気がする。
[Text by スタパ齋藤]