【イベント】

山田久美夫のフォトキナ'96会場レポート


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これぞ本命!「コダック・DC25」

 すでに本ページでも紹介されているように、コダックから低価格で充実した機能を備えたデジタルカメラ「DC25」が発表された。

 このモデルは、液晶モニター、光学式ファインダー、PCカード(コンパクトフラッシュ)と、現在のトレンドをすべて盛り込んだ意欲作だ。もちろん、フォトキナ会場での人気も上々だ。

 なかなか魅力的なスペックであり、しかも、ベースとなっているのは画質に定評があるDC20なので安心だ。サイズ的にはDC20に比べるとけっこう大きめだが、手にしてみると、さほど大きい感じはない。操作もわかりやすそうだ。全体によく考えられたモデルで、なかなか魅力的だ。唯一、液晶表示があまりきれいではないのが気になったが、撮影時は光学ファインダーを利用するのが基本なので、確認用と割り切ってしまえばいいだろう。

 価格は未定だが、相当な低価格になりそうだ。もちろん、日本で入手でき次第レポートをお届けしたい。

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ePHOTO307

アグフア初のパーソナル向けデジタルカメラ「ePHOTO307」

 ヨーロッパ最大のフィルムメーカーであるアグフア。パソコンの世界ではスキャナーでも有名だが、同社から今回はじめて、パーソナル向けのデジタルカメラが発表された。このモデルは「ePHOTO307」と呼ばれるもの。スタイルはやはりフィルムメーカーらしさを感じさせるカメラ風のもので、アグフアのカメラの特徴である赤いシャッターボタンもきちんと踏襲されている。

 画像サイズはVGAで、撮影枚数は36枚。記録媒体は内蔵メモリー(2MB)のみで、転送もケーブル経由とシンプルなもの。もちろん、液晶ファインダーもない。価格は599ドルとまずまずのレベルだ。

 サイズはかなり大柄で、ちょうとエプソンCP-100の横幅をちょっと短くした程度。もっとも、重さはかなり軽い。会場でのデモ画像を見ると、これがなかなか良好で、きれいなものだった。日本国内への導入も予定にはいっているという。

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PCカードカメラ

キヤノンからケーブル付きの汎用PCカードカメラ

 IBMのウルトラマンPC用としてキヤノンが発売したPCカード型カメラの改良版。今回のものは汎用タイプだ。もちろん、普通のノートPCは手に持って撮影するわけにゆかないので、このモデルではちゃんとケーブル付きになった。CCDは27万画素で、画像サイズは基本的に320×240ピクセルとなる。しかし、秒間20フレームの動画撮影にも対応しており、このときには画像サイズを小さくしたり、色数を落として転送速度を向上させてスムーズな動画を得られるような工夫もなされている。

 画質は27万画素と思えないほど良好で、色、階調、解像度ともにこのクラスでトップレベルの実力だ。しかも、今回はWin95上で動く汎用機となったので、結構楽しめそう。カメラ部もクリップでいろいろなところに挟み込めるし、接写もOKなので、テレビ会議から名刺のデータベースまで、幅広く使える。ただ、残念なのはケーブルが外れず、より長いものに交換できないこと。ケーブルの長さを考えると、書見台や監視カメラのような目的に使うのは工夫が必要。今回は参考出品というスタイルだが、近々に製品化されるのは確実だ。

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SSC-410N

3倍ズーム・液晶モニター・PCカードと三拍子そろった
韓国製デジタルカメラ「SAMSUNG SSC-410N」

 日本での知名度が急速に高まりつつある韓国のSAMSUNG。今春アメリカで開催されたPMAというカメラショーでもデジタルカメラを2機種参考出品していたが、今回はいよいよ、”3倍ズーム・液晶モニター・コンパクトフラッシュカード”という最新トレンドを搭載したモデル「SSC-410」を出展していた。まだ、プロトタイプというが、完成度はなかなかのもの。会場では撮影デモも行われていた。

 主だったスペックとしては、CCDは41万画素の原色CCD、画像サイズは768×494ピクセル、記録媒体はコンパクトフラッシュで4MBのもので、ノーマルで60枚、ファインで30枚、エコノミーなら120枚もの記録ができる。レンズは3倍ズームで、AFもマニュアルフォーカスもOK。ファインダーは1.8インチのカラー液晶式(TFTではない)で、角度を変えることもできる。画像フォーマットは標準のJPEG。もちろん、ビデオ出力もできる。このほか、1.5秒に4枚の連写や露出補正機能、インターバル再生機能なども装備されている。サイズは125×150×70mm・610g。

 ちょっと大きめではあるが、デザインもオシャレで好感が持てる。「おお、なかなかやるなあ~」というのが素直な感想だ。

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pentax

ペンタックスはスタイル一新の参考出品モデルを展示

 大手カメラメーカーでは唯一、パーソナル向けデジタルカメラを発表していないペンタックス。しかし、今春のアメリカPMAショーなどでは参考出品モデルの展示を行っていた。今回も、また同じものかと思いきや、デザインが大きく変更されていた。発売時期や内容については不明だが、ちゃんとデジタルカメラのプロジェクトが進行しているようだ。

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Vimage V

ついに手に触れた!?「ミノルタ・ヴィマージュV」

 ミノルタブースでは、ついに念願の「ヴィマージュV」に触れることができた。とはいっても、ブースの外にはなく、商談ルームのなかでのこと。手にしてみると、とっても薄型で使いやすそう。レンズが回転するのも便利そう。また、見た目よりも持ちやすくて、操作部もよく整理されており、好感が持てる。とはいっても、私が手に触れたのは、商談用の外観のみのボディー。つまりは、張りぼてで、写らないもの。年内発売予定だが、残念ながらフォトキナには、この外観モデルしか持ってきていないという。でも、なかなかカッコイイし、3倍ズームは魅力的。早く実機を使ってみたいものだ。

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sonycasio

賑わいを見せる「ソニー」「カシオ」「オリンパス」ブース

今回、ソニーはデジタルカメラ中心のブース構成で、12倍ズームモデルがメイン。サイバーショットもあったが、小さくて目立たないのと、本体の機能表示がすべて日本語ということもあって、こちらは思ったよりも人気が薄かった。

 カシオはQV-100とQV-10Aをメインに展開。比較的小規模なブースだったが、やはりQVの人気はヨーロッパでも高く、カメラに触れるのが難しいのほどの賑わいだった(もっとも、私は日本人スタッフがいるときは、遠巻きに見ていたんですけど・・・)。


C800LDirect PrinterFilm Scanner  オリンパスは超小型の35mmコンパクトカメラ「ミュー2」が大人気だったが、それ以上のスペースを割いて、デジタルカメラの展示やデモを積極的に行っていた。もともとオリンパスの人気が高いヨーロッパだけに、人気も上々で、とても好感をもって受け止められていたのが印象的。C-800L、C-400Lはもちろん、直結型プリンターのデモも行われていた。また、先だって発表されたフィルムスキャナーも展示されていた。

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実写レポート in フォトキナ'96

結構よく写る超薄型カメラ「ニコン COOLPIX100」
おや? シャープだぞ!!「フジ DS-7」
おお、さすが81万画素!「オリンパス C-800L」



【参考記事】
山田久美夫が選ぶ「デジタルカメラ・ランキング」(9月2日版)

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('96/9/24)

[Reported by 山田 久美夫 ]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp