【リレー連載 物欲道修行記】
リレー連載 物欲道修行記
第5講 こもの派 師範:広野忠敏
これが2度目の登場となる本講の講師、広野忠敏氏は、小さいモノに目がない。電子手帳はもちろん、小さい系のノート、ビクターのデジタルムービー、などなど、これまでにつぎ込んだ金額はうん百万、持っている電子手帳のたぐいは個数ではなくキロ単位ではないかと噂されている。なお、広野氏が本講座の中で触れている、液晶の割れたLibrettoの持ち主のひとりが、いつもこの紹介文を筆者に断りもなく勝手に書き散らしている編集者である。Libretto本体とほぼ同時に超高い純正メモリを豪快に購入した広野師範に、PC Watch編集部にいるメリットを最大限に利用し、サードパーティ製メモリをいかに安くセコく購入したかを自慢しようと思って楽しみにしていたら、自慢どころじゃなくなってしまったのである。(編集部)
ウケる携帯用マシンを買おう ― 東芝Libretto
1Kg以下のマシンは古くはNECのHandy-98、ヒューレットパッカードのHP100LX、IBMのPC-110など色々なモノがリリースされてきた。実は、私はこの手のものには目がなくHandy-98、HP100LXなどはすべて購入済。唯一PC-110はデザインが気に入らなかったので購入してはいないが、携帯用パソコンのヘビーユーザでもある。もちろん東芝から発売されたLibrettoも入荷当日に定価で購入したクチである。
Librettoは楽しいか? ― ウケこそ物欲のすべてだ
物欲人としてモノを買うということは、そのモノが楽しいかどうかに尽きるハズ。やっぱり買ったモノは楽しく使えるにこしたことはない。スタパ師範も言っているように「便利だ」なんて考えちゃあいけない。やっぱりイカすから買うのだ。Librettoに代表される小さきマシンは、とりあえず出すとウケる。さすがに、ノートパソコンはかなり普及してきたのでいきなり出してもそれほど驚かれないが、小さきマシンを取り出してさささっと使うとかなりウケる。Handy-98もウケたし、HP100LXもウケた、もちろんあのサイズでWindows95がなんとか動いてしまうLibrettoも当然のことながらウケる。ウケるだけでも十分持っている価値があるというものだ。ちなみに、ウケるための大きさにもどうやら法則があるらしいということも発見した。LibrettoやHandy-98くらいの大きさだと100%ウケるが、 これよりもサイズが小さくなるとウケのパワーが減少する。これは、業界人よりも一般人に見せるときにさらに顕著になる。ちなみに筆者はIBMのチップカードも3つほど持ってたりするのだが、これはLibrettoやHandy-98に比べてさほどウケなかった。あまり小さいとPDAだと思われるからだと推測される。
Librettoの良い点・悪い点
比較的ウケの良いLibrettoも長所と短所がある。まぁ、短所があってもウケるからあんまり問題ないかもしれないけどね。
良い点
- 大きさが非常にコンパクト ― 無理をすれば背広の内ポケットに入るかもしれない
- 軽い ― 持ち歩くのに困らない。
- 液晶が非常に綺麗 ― TFTを採用しているので表示は鮮明
- ゴツクない ― デザインが洗練されているので見た目も軽く感じる。
- 大容量バッテリ ― 駆動時間が倍になるがそれほど重くならない。
- 結構ウケる ― これに尽きるか。
悪い点
- AC電源接続で本体使用中はバッテリに充電されない ― 充電するには本体の電源を落とさなければならない。
- CPUがちょっと非力 ― 486DX4-75なのでWindows95はさくさくとは動かない。
- HDDが少ない ― 270Mしかないのは結構つらい
- ポインティングデバイスが使いづらい ― あれは慣れないと使えない。
- 意外と壊れやすい ― 落として液晶を壊した人を2人知っている。
PCカードで武装すればウケは120%
Librettoをただ持っているよりは、さまざまなアイテムで武装したほうがウケのパワーは増大する。当然のことながら武装する手段はPCカードだ。色々なPCカードがリリースされているが是非購入したいカードは「28.8K以上のFAXモデムカード」、「ISDNカード」、「LANカード」の3つ。モデムカードとISDNカードは当然のことながら通信に使う。たとえば、打ち合わせをしているときに「ちょっと、インターネットのメール確認してくるから」とPCカードを取り出して、さささっと通信すればウケのパワーは120%だ。ちなみに、セルラーカードと携帯電話を使うという手もあるがコストパフォーマンスの点からはあまりオススメできない。LANカードはデスクトップマシンなどとのデータ交換につかう。Windows95は標準でネットワークがサポートされているので、LANカードさえあればLibrettoをデスクトップマシンのネットワークドライブとして使うことができる。たとえば、出先にもネットワーク環境があればデータ交換のために非常に便利に使うことができる。データ交換だけならMOなどを使えば良いと思うかもしれないが、LANのほうが断然便利だ。
ウケの少ないPDAか、ウケるパソコンか
Librettoクラスの大きさになると、PDAとしても利用できる(とあまたの雑誌には書いて有る)というのが一般的な考え方。だが、これは幻想だ。決してPDAとしては使ってはいけない。なぜならLibrettoはハイバネーションに入ってしまうと、電源を入れて復帰するまでに2分はかかるからだ。2分あればPDAを使って10回は電話がかけられる。あの重量級のカラーザウルスでさえ使おうと思ったときは、画面をタッチするだけで即座に復帰する。PDAの代わりに使いたいのならば、素直にPDAを買うべきだろう。スタパ師範のようにシャープと戦うのも良い方法だ。とはいえ、PDAでできることはパソコンでもできるが、パソコンでできてPDAではできないことは多い。峠でコンパイルなんてのはザウルスじゃ決してできないもんね。パソコンにしかできないことをやってPDAユーザのウケをねらうのだ!。
[Text by 広野忠敏]
ウォッチ編集部内PC Watch担当
pc-watch-info@impress.co.jp