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今年のPC EXPOで一番人気となったデジタルカメラ。昨年のカシオQV-10の登場が火付け役となり、ここに来て一気に開花した感のある(実はまだ3分咲きという説も……)、今回のショーでは発売されたばかりのカシオQV-100を筆頭に、発表直後のオリンパス、ソニー、ミノルタなどを始め、今回初お目見えのコニカまで、各社の意欲作が出そろった、なんとも賑やかなショーとなった(ほんの数ヶ月前だって、こんな状況は想像もつかなかったよね、普通の人には……)。
もちろん、会場での人気も上々で、カメラを手にするのに順番待ちをしなくてはいけないほど。詳しいレポートは実機を入手してからお届けするが、とにかく、これまでのデジタルカメラとは基本的な発想が違うという印象を得た。つまり、ビデオで培った技術や考え方をスチルの世界で実現すると、こうなる。という見本のような感じで、カメラ&フィルムメーカーや他の家電メーカーにはない、“楽しさ”を感じさせる製品だ。
とにかく、写真で見るよりも遥かに小さく、遥かにカッコイイ。しかも、「デジタルカメラだから、こんな楽しみ方ができるんですよ」という遊び心のある機能が満載されている点が、オタク心をくすぐる。それでいて、製品としては決してオタッキーなものではなく、誰でも普通に使える実用性と気軽さを兼ね備えている。
特徴や機能を説明し始めると、きっとスクロールするのに疲れるほどになってしまうので、詳細はSONYのホームページに譲るが、いま、デジタルカメラを買おうと思っている人が欲しいと感じている機能はほぼ完全に網羅されている。まあ、メモリーが内蔵のみ(4MB)だったり、レンズがズームレンズじゃなかったり、AFじゃなかったり、電池の消費が結構多そうだったりするけれど、「だから、どうしたの?」という感じ。
この調子だと、ランキングでは発売されて、いきなりNO.1なんて可能性もありそう。他社がこれに追いつくのには、かなりの時間を要しそうなほどの完成度で、いま、一番発売が待たれる機種という感じだった。
また、SONYは、アメリカですでに発表済みの12倍ズームつきモデル「DKC-D5PRO」も展示。こちらはF1に比べるとあまり人気がなかったが、スペック的には相当なポテンシャルを備えている。受注生産であり、価格も20万円近いが、本格的にデジタルカメラで作品つくりを楽しみたい人にとっては、かなり魅力的な製品といえそうだ(実は、国内発売されなかったら、取材用機材としてアメリカで買ってこようかな?と思っていたんですね……)。
両機ともまだ製品版ではないので、画質に関してはまだコメントできないが、少なくとも「F1」の画質は結構ハイレベル。「DKC-D5PRO」はまだ未知数という感じだった。
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けれど、アクリル越しでも、そのユニークな発想と、使いやすそう(だけど、持ちにくそう)な雰囲気は十分に伝わってきた。もちろん、いまやスタンダードな仕様となった、液晶ファインダーつきモデルだが、2.7倍ズームレンズを採用しており、記録媒体にSSFDCを採用している点は、やはり注目される。しかも、レンズ部分が独立しており、さらに回転させることができるし、延長ケーブルを使えばレンズ部分だけをカメラから離して使えるところがユニーク(この手で、受光部が回転するというカシオの特許から逃れたのね)。
また、ボディー本体はかなりの薄型で、このあたりにも苦労の後が見られる。もちろん、実際に手にしていないので、重いのか軽いのか(実際の重さではなく、どう感じるかが問題だからね)、使いやすいか、操作しやすいかどうかは、定かではない(イイ線いってると思いますけど)。写りだって未知数だ。このあたりは、興味津々なのだが、とにかく実機を手にしてからのお楽しみとして取っておこう(せめて、触りたかったなあ~)。まあ、価格も発売時期も未定だが、当然、年末商戦用なので、あまり遠くない将来に発表されるようだ。
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外観はなんだか”オモチャのカメラ”のようカメラ的なデザインだが、カメラらしい”質感”が感じられず、サイズも「エプソン・CP-100」よりちょっと小さいけれど、結構大きい部類だ(持ちやすいといえば、持ちやすいけどね)。
けれど、中身は結構な本格派。まず、レンズはF2.8と明るい単焦点レンズを採用し、きちんとオートフォーカス機能も搭載されており、7cmまでの接写もAFのままでOK。露出も画面内を分割して明るさを図って露出値を決定する多分割測光を採用している。もちろん、露出補正もOKだ。ストロボも常時フル発光するものが多いなか、必要な光量だけを発光させて充電時間を短くできる調光式。光源にあわせて自動的にカラーバランスを調整するオートホワイトバランス機能もちゃんと採用されている。しかも、記録媒体はたぶん世界初になりそうな、インテルのミニチュアカードを採用している(2MBカードで、ノーマルモードで32枚、ファインモードで16枚、スーパーファインモードで4枚)。
さらに、コニカのホームページからダウンロードできるカスタマイズソフトを使えば、セルフタイマーの作動時間、オートシャットオフの時間、自動露出やピントの検出範囲、輪郭の強調レベル、画像のガンマなどまでも、自分好みにカスタマイズできるというもの。また、PCと接続しておけば、絞りやシャッター速度をPC側で指定・制御して撮影することもできる。ここまでできる機種は、他に例を見ないほどだ(でも、ここまでカスタマイズできる人って、そんなにいるのかな? ぜひ、私はやりたいけど……)。
これだけ機能が充実しているのに、この外観はいかにもアンバランス。機能を考えれば、予価65,000円は十分に納得できるし、お買い得かもしれないけど……。う~ん、正直に言って、私にはこのアンバランスさが理解できなかった。こ、こまったなあ~。
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コニカホームページ
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まだ、テスト機の貸し出しが始まっていないため、画質の評価はできないが、少なくとも35万画素モデルは相当な実力のようだ。81万画素モデルも日に日に成熟しているというから、発売時が大いに楽しみだ。
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カシオホームページ
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「クールピクス100」のデモを見ると、その画質は結構良好でキレイ。操作感もなかなかよく、完成度も高そうだ。今回正式発表されたクールピクス100」は実写デモも行われており、その場で撮影し、ノートPCを使いPhotoshopで切り抜き・合成をして、クールプリントで出力していた。この昇華型プリンターでプリントした画質を見ると、クセがなく、階調や色再現性も必要十分に高いようだ。
年内発売予定の液晶つきモデル「クールピクス300」も便利そうで、こちらはレイヤー構造で画面上にメモや印を書き込めたり、音声を同時に保存できるのがメリット。これなら、画像と文字データや指示データが簡単に保存できるため、取材用機材としては結構便利そうだった。
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('96/9/7)
[Reported by 山田久美夫]