●128Kbpsデジタル通信はISDNカードで ISDNの普及に伴い、安価なTAが数多く登場しているが、なかにはBチャンネル2本を束ねて転送するバルク転送をサポートするものもある。しかし、シリアルポートの速度(DTE速度)に制限があるため、現状では十分にパフォーマンスを発揮できない。そこで注目しているのがパソコンの拡張バスに接続するISDNカードだ。今回のNETWORLD+INTEROP'96でも新しい製品がいくつか登場していた。
次に目に止まったのがマイクロコムの新製品のSOLiS-S(写真右)だ。9月に発売される予定だが、製品仕様などについて詳しいことはわからない。OEM供給のみになる可能性もあるそうだ。ちなみに、この製品の他にもモデムを内蔵したSOLiS-FやX.25プロトコルにも準拠したSOLiS-Lも合わせて発表された。
N+Iということもあり、国内ではあまり見かけない海外メーカーも何社か出展していた。
比較的古くからISDNカードを手がけていたDIGI InternationalもPCIバス用ISDNカードDataFire S/Tを展示していた。この製品はすでにISAバス用が7万9800円で住商データコムから販売されているが、PCIバス用も近く国内向けに販売されそうだ。ただ、あまり一般ユーザーを意識していないようなので、店頭販売されるかどうかはわからない。
●意外に少なかったISDNターミナルアダプタ N+Iというともっと通信機器が出てくるのではないかと期待していたが、パーソナルユーザーが利用するISDN TAの新製品は1つしか見かけなかった。逆に、ルーターについては安価な製品がいくつも登場していた。
LBR-64Aは従来製品の低価格ISDNリモートブルータLBR-64にアナログポートを追加したもので、筐体もやや大きくなっている。その他のスペックは従来製品同様で、端末型ダイヤルアップIP接続でもルーターが使えるシェアードTA機能も搭載している模様。気になる価格はLBR-64が9万8000円なので10万円を超えてしまいそうだが、メルコの意地(?)でさらなる低価格化を期待したい。 一方、新規参入となるISDNターミナルアダプタの方だが、非同期/同期PPP変換機能による64/128Kbps、非同期V.110/38.4Kbpsに対応し、アナログポートも2つ備えている。スペック的には現在、最も種類が豊富なタイプのISDNターミナルアダプタと同等だが、メルコならではの低価格路線を期待したいところだ。個人的な予想だが、3万円を切る価格設定になるのではないだろうか。発売時期はやはり9月以降か?
ネクストコムのブースでは、7月15日のニュースでもお伝えした米モトローラのBitSURFER Proが展示されていた。今回展示されたものにはネクストコムのロゴがプリントされていた。製品は順調にローカライズ作業を進めており、何もなければ、9月に発売されるようだ。個人的にも非常に気になる製品のひとつなので、早くテストをしてみたい。
最後に、今回のショーで最も感心したものを紹介しよう。
松下電工が出品していたハブ付テーブルタップTaphub-SR5Pだ。要するに従来の電源タップにハブの機能を追加したもので、4つの電源コンセントと5ポートハブが内蔵されている。しかもマグネット式なので、デスクの側面などにも簡単に設置できる。価格も1万5800円と安い。5ポートや8ポートのハブはコンパクトさと低価格を追求するあまり、外部ACアダプタが必要になるなど、非常に使い勝手が悪い。そんなとき、このTaphub-SR5Pがあれば、パソコン回りのケーブル処理もラクになる。Taphub-SR5の方は電源タップの機能を省いたもので、こちらは1万3800円となっている。
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[Reported by 法林岳之]