後藤弘茂のWeekly海外ニュース


ニュースサイトWatch 第2回

■敵の敵は味方 ほか4題

 米国には、多数のニュースサイトがあり、毎日大量のニュースが掲載されている。また、ほとんどの企業がホームページを持ち、プレスリリースを流しているし、プレスリリースを専門に配布しているサイトまである。

 このコーナーでは、毎週それらのサイトで流れたニュースや企業のプレスリリースから、興味深いテーマを拾い集め、ダイジェストして紹介する。

■敵の敵は味方
 ビル・ゲイツ氏とスティーブン・スピルバーグ氏、コンピュータソフトとハリウッドとそれぞれ住む世界が異なる2人が、どうやら同盟を結ぶことにしたらしい。というのは、次世代テレビ規格である「デジタルTV」に関して。デジタルTVは、現在、米連邦通信委員会(FCC)によってハードウェアのガイドラインの策定が進められている。ところが、そのプランがTV業界寄りのもので、PCとの互換性を考慮しておらず、スクリーンサイズも映画用のワイド型ではないため、パソコン業界と映画業界が反発しているというわけ。

◎Dispute over digital TV brewing Gates, Spielberg lobby against standards [The Seattle Times Company 7/25]

http://www.seattletimes.com/ptech/technews/dtvv_072596.html


■ここしばらくで一番景気のいい話
 さて、そのMicrosoftだが、7/22に発表した1996財政年度の決算は、好成績を予測していたアナリストの予測をさらに上回る大躍進だった。売り上げは80億ドルと46%もアップした。ただし、Microsoftの財政年度は7月から始まるため、Windows 95を始めとする強力な新製品は全て96年度に含まれているのでこれも当然という意見も。

◎Microsoft report doesn't tell all the good news Financial performance doesn't include sales results deferred to future [The Seattle Times Company 7/23]

http://www.seattletimes.com/ptech/technews/micr_072396.html


■道があれば人は通る
 Microsoftの売れっ子表計算ソフト「Microsoft Excel」はマクロが強力だが、そのマクロを利用したヴィールスが見つかったようだ。これは、アンタイヴィールスソフトメーカーの米McAfee社が発見したもので、「ExcelMacro/Laroux」と名づけられた。データにダメージを与える類の悪質ヴィールスではないのだが、シートを作ると自己複製して行くという。Microsoft Wordのマクロヴィールスに続いて登場したExcelマクロヴィールス。これはマクロ高機能化の勲章なのか。

◎MCAFEE ISSUES URGENT VIRUS ADVISORY; FIRST MACRO VIRUS TO INFECT MICROSOFT EXCEL SPREADSHEETS DISCOVERED ○[Press Release 7/24]

http://www.mcafee.com/corp/press/072496.html


■Intel以外のCPUメーカーの生きる道
 半導体メーカーSGS-Thomson Microelectronics社は、同社製の486互換MPUと組み込み向けRISC型MPU「ST20」で、Javaの実行をアクセラレートする手段を開発していると報道された。486向けには、JavaのバーチャルマシンのアクセラレータとなるASICセルを開発しており、このセルと組み合わせたワンチップでNetwork Computer向けを狙うらしい。また、ST20はセットトップボックスや携帯電話、PDA向けという。本家SunのJavaプロセッサに対抗して、Javaアクセラレータが次々に登場するか?

◎STM weighs Java accelerator for X86 [ELECTRONIC ENGINEERING TIMES July 22]

http://techweb.cmp.com/techweb/eet/news/news96.html
上のURLでタイトルでサーチをかける

('96/7/29)


[Reported by 後藤 弘茂]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp