●価格か? 付加価値か? 3D対応ビデオカード
3DでのアクセラレーションがトレンドとなっているIBM PC/AT互換機用ビデオカードの製品競争が激化している。まず、価格でリードするのが27日のニュース速報でお伝えしたメルコのWGP-VG4だ。この製品はS3の最新3DチップViRGEを採用し、ビデオメモリを4MB搭載しながら2万4800円という低価格を実現している。3D対応ビデオカードとしてだけでなく、ビデオメモリを4MB搭載したビデオカードとして見ても最も安い部類に入る。
一方、米国で最大のシェアを持つDiamond Multimedia Systemsは日本法人のダイアモンド・マルチメディア・システムズからも同じS3製ViRGEを採用したStealth 3Dを発売する。こちらは価格は2万9900円とメルコ製より高い(と言ってもかなり安い)が、ビデオメモリに高速なEDOメモリ(4MB)を採用している点がポイント。
また、高性能ディスプレイドライバで定評のあるカノープスもS3製ViRGEを採用したPowerWindow 3DVを発売した。3万9800円という価格でビデオメモリ(EDOメモリ)は2MBと少ないが、ハードウェアMPEG再生機能、ビデオキャプチャ機能、ビデオメモリ増設、TVチューナー接続など、豊富なオプションが用意されている。ちなみに、同社はPCIバス用ビデオキャプチャカードPower Capture PCIを参考出品していた。より高品質なビデオキャプチャを実現したいユーザーは要チェックの製品だ。
そして、さらに続くのがアイ・オー・データ機器が参考出品していたGA-PG3D4/PCI(写真)だ。こちらもS3製ViRGEを採用し、ビデオメモリを4MB搭載している(2MB版もある)が、MPEG再生ユーティリティやCD-G再生ユーティリティを添付する予定だ。価格は未定だが、ダイアモンド社とほぼ同等の価格で、ゲームソフトなどをいくつか添付するのではないかと予想している。
3D対応ビデオカードについては、他メーカーからも同様の製品が低価格で発売されると言われており、3D対応ビデオカードの争いはますます激しくなりそうな気配だ。
●パソコンにCCDカメラが内蔵される日
今回のWindows World Expoに出品された数多くの製品の中で、で最も小さく、最も面白かったのがソニーの超小型CCDユニットMicro Unit CCDだ。17.5ミリ×17.5ミリ×9.8ミリという驚異的に小さいCCDユニットで、1/5インチ18万画素カラーCCDを採用し、10ビットカラーCCDデジタル出力を可能にしている。小さくすることに長けているソニーならではの技あり製品だ。デモンストレーションではCCDユニットをコーナーの壁に埋め込んでいたが、このサイズならパソコン本体やディスプレイなどに内蔵することも不可能ではない。ノートパソコンに内蔵して、どこでもCU-SeeMeができる日もそう遠くないのかもしれない。
●EIZOブランドをアピールするナナオ
高品質なディスプレイで定評のあるナナオは、今回のWindows World Expoで新しいユニバーサルブランドEIZOを大々的にアナウンスしていた。EIZOブランドは以前から同社が海外で使っていたブランドネームで、これを国内でも利用するようにしたものだ。ブースでは発売されたばかりのE57Tなどの新製品も展示されていたが、未発表の製品もいくつか参考出品されていた。
まず、目に止まったのが三菱電機製のダイヤモンドトロン管を採用したE57D(写真左)だ。外見はE57Tとほぼ同じもので、画質もE57Tと比べて遜色ない。価格設定をどう変えてくるのかが気になるところだ。
また、1024×768ドットの高解像度に対応したカラー液晶ディスプレイ(写真右)も展示されていた。価格は未定となっているが、液晶パネルの価格だけでも30万円以上すると言われている。パーソナルユーザーにはとても手が出そうにないが、CRTで高い評価を受けている同社の液晶ディスプレイ市場参入はかなり期待できる。ちなみに、今回のWindows World Expoでは日本IBMや三菱電機などもカラー液晶ディスプレイを参考出品していた。今後、高解像度液晶ディスプレイは要チェックのアイテムと言えるだろう。
[Reported by 法林岳之]