600万画素CCD搭載デジタルカメラ
Canon EOS DCS 1cの凄さ!!

by Kazuhisa Nishikawa


最近、巷ではデジタルカメラが流行っている。数年前と違って、パソコンを買うと"高速なCPUやビデオ、大容量のハードディスク、CD-ROM、FAX Modem、盛りだくさんのアプリケーション……。"など、ほとんど必要なものは全て標準で揃っているので、アフターマーケットはカラー入出力系が主になるのも当然だろう。中でもデジタルカメラは"気軽に撮れる"、"写したら直ぐ見れる"などの特徴を持ち、「ホームページへ貼ったり、パソコン上で表示・編集した後にカラープリンタを使って印刷」と、人によって色々な楽しみ方があるようだ。

ただ、一般的なデジタルカメラはCCDの画素数が少なく、機種にもよるが約24万~58万画素程度のもので、普通の写真と画質を比較すると明らかに見劣りする。もちろんこれはコストから来る問題で、実売20万円未満を仮定すると現状では仕方がないことだ。

何が凄いって!?

そこで今回、一般的なデジタルカメラから離れて、プロの現場などで使われている驚異のデジタルカメラ、Canon EOS DCS 1cをご紹介する。

このカメラ、何もかもが凄すぎる。搭載しているCCDの画素数は600万画素。普通のデジタルカメラと比較して、桁違いに解像度が高く、取り込んだ画像は3,080×2,036ドットのフルカラー。これだけの解像度を縮小せずに表示できるディスプレイは無い。当然データ量も膨大になり、とてもじゃないが、16MB程度のメモリを搭載したマシンでは扱いきれない。Photoshopなどでレタッチするなら、メモリは最低でも64MBは必要だろう。(最近メモリが安くなったので128MB実装してもそれほどかからないという話もあるが……)写した画像はPCMCIA Type 3のATAHDDへ収納され、130MBで20枚となり、パソコンとのやり取りは、内蔵しているSCSIインターフェースか、PCMCIAのカードベイを使う。

価格も凄く、本体だけで380万円!! どう考えても趣味で買える値段ではない。ボディーや操作性はEOS-1 Nと同じで、EFレンズがそのまま使えるのも大きな特徴である。

もちろんこのカメラは、趣味で使う用途は全く考えていない。かなりハイスペックのパソコンをスタジオに設置し(一般的にはMacが多いらしい)、ポラを使わずに撮影しながらモニタで確認……といった手順でプロが使う道具である。

この写真は、Kodak DC50 Zoom
を使って撮影

サンプル画像

さすがに、あきれるほど画質が良い。特に右側の画像はホコリやサビなど、かなり細かいところまで写っている。デジタルカメラにありがちな味付けした色でなく、自然でいい感じだ。弦の部分にモアレが出ているのは、エリア・センサータイプ1CCDの宿命ともいえる。注意する点としては、35mmフィルム面と比較してCCDの方が小さいため、EFレンズを取り付けた時の焦点距離は、レンズに表示されている焦点距離の約1.3倍相当になることだ。


3080×2036ドットから、
640×426ドットへ縮小した画像

3080×2036ドット中、
640×480だけトリミングした画像

数日間借りていたが、運悪く天候が良くなかったので室内で撮影
デジタルカメラ歴約1年、アナログカメラ歴たった3ヵ月の筆者なので、画質に関してはお許しを……(^^;
レンズはEF28-70/2.8L USMを使用

雑感

使用期間が短かったのでどちらかといえば、カメラに使われていた気はするが、それでも一般的なデジタルカメラとの差は圧倒的である。実際触った感じでは、普通のカメラと比較してクセが強く、センシティブである。かなり使い込まないとモノにならないだろう。とはいえ、編集に使うパソコンの能力や、手が出る価格の範囲を遥かに超えているため、一般ユーザーには無縁の話だ。ただ筆者は今世紀中に「このクラスが1/10程度まで価格が下がる」と予測している。もし、そうなればマニアなら十分射程距離に入ってしまう。今後が楽しみな超高級デジタルカメラである。


Canon EOS DCS 1cの詳細は こちら をご覧ください。
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