IBM ThinkPad 535
使用速報!!

by Kazuhisa Nishikawa


6月12日から発売開始となる「ウルトラ・ポータブルThinkPad 535」の一足早い使用レポートをお送りする。

雑感

筆者はこれまで、ThinkPad 220、230Cs、530CS……と、A5ファイルサイズのThinkPadを全て使ってきた。もちろん、そのれぞれの時代において最強のサブ・ノートであったことには間違いないが、今年もまた欲しくなるようなThinkPadが登場した。

今回の535は、従来のモデルと比較した場合、少し大きくなってしまったが、キーピッチやパームレストのことを考えれば十分納得できるサイズに仕上がっている。それよりも、800×600 HiColorに対応する10.4インチTFT液晶パネルPentium 120MHzを搭載したことの方が重要だろう。いまどき、256色ではInternetやデジタルカメラの画像は鑑賞にたえないし、640×480の解像度では画面の中に入りきらない。また、JPEGやMPEG1の展開はCPUパワーがあればあるほど良い。試しに、ActiveMovieのβ版を入れたところ、非常にスムーズに再生した。

今日で借りてからちょうど1週間になるが、530のときにあった"28,800bpsでの相性"などの問題も無く、ご機嫌に動いている。
ThinkPad 535
写真からは判断できないが、
液晶パネルの発色も非常に良い。

注意点

但し、以下のことに注意する必要がある。

  1. 標準の8MBメモリでは不足。できれば+16MBで24MBとして使いたい。今回は+8MBで16MBにして使っているが、PCIバス・マスターIDEコントローラに助けられ、ディスク・スワップもそれほど気にならない。
  2. MwaveはひとつのDSPでサウンドとモデムの機能を司っているので、基本的に通信しながら音を出すことはできない。例えば、プルダウン・メニューへサウンドを設定していると、通信中は非常にアプリケーションの反応が鈍くなる。また、RealAudioなどストリーム物は通信中に再生できない。
  3. どちらが原因か不明であるが、Netscape Gold Beta4とディスプレイ・ドライバ(xgiw95a.drv)相性が悪く頻繁に落ちる。

今のところ、この程度(?)だ。本格的にInternet接続するなら、別途、PCMCIA ModemかTAを用意した方が良いだろう。

ベンチマークテスト

最近、筆者はあまりスピードについて興味が無いため、ベンチマークテストを行っていなかったが、一応一般的なWinTachでの値を添付する。

WinTach 解像度800×600ドット 32,768色/フォント・スムージングOFFの値であり、筆者が持 っているマシン2台と比較した場合、
  1. Pentium Pro 200MHz + S3 968/4MBに対して約1/4
  2. Pentium 133MHz + Mach64/4MBに対して約1/2
の速度になる。また、DOSゲームでの目安となる3D Benchは90.9となった。
Word Processing 44.87
CAD / Draw 165.43
Spreadsheet 50.56
Paint 85.00
Overall 86.47

この数値から分かるように、最新デスクトップ・マシンと比べてもあまり見劣りはしない。Pentium 60~90MHzのCPUを搭載する一世代前のデスクトップ・マシンと同等かそれ以上に高速だと思われる。

結論

以上のように、ThinkPad 220から付き合いのある筆者にとって、このThinkPad 535は非常に魅力的なNotePCに仕上がっている。絶対買いのマシンだ!! 欲を出せば、外部CRT接続時、1152×864ドット32,768色になれば(現在1024×768ドット256色)、もうデスクトップ・マシンは必要なくなるのだが……。


ThinkPad 535の詳細は こちらをご覧ください。