MicrosoftもNetscapeも、 みんなイントラネットに夢中
●高度サービス提供で囲い込みがはじまる
まるで誰もが、イントラネットという熱病にかかったようだ。先週は、米Microsoft社が「Intranet Strategy Day」カンファレンスを開催、そして、米Netscape Communications社も、それにぶつけて「Intranet Vision and Product Roadmap」というイントラネット戦略を発表。さらに、その前の週には、米Oracle社に米Novell社、米Sun Microsystems社がイントラネット関連の戦略や製品を発表した。こないだまではインターネット戦争と言っていたのが、いつのまにかすっかりイントラネット戦争になってしまったようだ。
しかし、なぜこんなにみんながイントラネットと騒ぐのだろう。その理由は、もちろんビジネスになるからだ。
例えば、Netscapeの戦略を見てみよう。Netscapeは、企業の情報システムをすべてイントラネット上に構築するフルサービスイントラネットを目指して、次世代のNavigator「Galileo(Navigator 4.0?)」とサーバー群「Orion」の開発を進めている。この製品戦略を簡単に説明すると、クライアントであるNavigatorとサーバー製品群が緊密に連携することで、イントラネット上でグループウェアの代わりまではたしてしまおうということになる。そして、その上で、アプリケーションを作れるAPIやサービスも提供するというわけだ。もはや、単純なHTMLドキュメントをWWWサーバーからWebブラウザに転送するという牧歌的な世界はそこにはない。
この狙いは単純だ。オープンプラットフォームのイントラネットではあるが、もしNetscape製品でサーバーもクライアントも揃えると、簡単に効率よく高度なイントラネットが構築できますよと誘っているわけだ。米国では、イントラネットは単なる情報提供の段階を過ぎて、WWW上でのアプリケーション構築へとステップを進めつつあるわけだが、Netscapeの戦略に乗ると、それがフルサービスで提供されることになる。それなら、たとえMicrosoftがInternet ExplorerをWindows 95に融合させようとも、ユーザーはNetscape製品を導入したくなるだろうというわけだ。
じつは、この図式は、他のほとんどのメーカーのイントラネット戦略で共通している。つまり、囲い込みといったら言葉は悪いが、ユーザーに自社製品をセットで導入させ、サーバー製品をさらに買わせようという戦略がイントラネットであるわけだ。そして、さらに従来グループウェアやネットワークOSの拡張機能などがカバーしていた領域も、イントラネット向け自社製品で飲み込んでしまおうという仕組みだ。
さてさて、本当に、イントラネットはふればカネが出る打ちでの小槌になるのだろうか。
Microsoftのイントラネットストラテジーデイのページ
Netscapeのイントラネットビジョンと予定製品のページ
Oracleのグループウェア紹介ページ
('96/6/17)
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