webzinesは成り立つのか
●「Web Review」誌が財政破綻
米国のニュースサイト「Net Daily News」の日付は、5月17日で止まったままだ。それが、Web出版を行なう関係者の間に、恐怖を与えている。
Net Daily Newsは、昨年7月にオープンしたWeb上の雑誌、いわゆる「webzines(ウェブジン)」のひとつ「Web Review」のニュースコーナーだ。Net Daily Newsは、ニュース量は少ないながらも他のサイトにないスクープネタで売っており、筆者も毎日利用していた。また、ウェブジンであるWeb Reviewも、業界で一定の評価を得ていた。
それが発行を停止することになってしまったのは、財政上の理由からだ。他の多くのウェブジン同様に、Web Reviewも広告サポートを当てにして、購読無料スタイルで運営してきた。しかし、広告は一向に集まらず、ついに発行を継続できないというところまで追い込まれてしまったのだ。
ウェブジンのひとつがついに白旗を掲げたことは、業界に衝撃を与えた。というのは、米国でもウェブジンの多くが赤字経営で、将来の広告増などをあてにして運営している状態だからだ。つまり、Web Reviewの悲劇は、将来の自分たちの姿でもあるというわけだ。それは、もちろん、この媒体-「PC Watch」-にも当てはまる。
現在、Web Reviewの発行元Songline Studios社のDale Dougherty社長は、この窮状を、「404 Not Found」と題した公開メールで訴えている。そして、広告依存モデルでは継続が不可能であるとして、6ヶ月購読で19.95ドルなら、購読する気があるかどうかの投票を、読者に呼びかけている。5000の読者がサポートしてくれるというなら、Web Reviewを再開するというのだ。
Dougherty氏は、読者への呼びかけを「あなたは、Webの将来に対して投票するのです。....こうした問題を抱えているのはWeb Reviewだけではないのですから」としめくくっている。
Web Review誌ホームページ
('96/5/27)
|