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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
ヤマハ | ||
CRW3200E-VK | ||
音楽CD専用モードを備えた24倍速CD-R/RWドライブ | ||
TEXT:正木堅児 Kenji Masaki |
インターフェイスはATAPI。Ultra ATA/33に対応しているため、CPU負荷は比較的小さい |
CRW3200E-VKはATAPI接続の内蔵型ドライブである。その基本スペックを見ると、書き込み速度はCD-R書き込み最大24倍速、CD-RW書き換え最大10倍、CD-ROM読み出し最大40倍速となっている。
バッファアンダーランエラー防止機能としては、同社独自の「SafeBurn」を備える。これは、メディアタイプを検知してエラーを防ぐ「おまかせレコーディング」、バッファアンダーランを検知すると書き込みを一時停止し、バッファがたまってから1μm以下の誤差で書き込みを再開できる「バッファアンダーラン防止技術」、「8MBの大容量バッファメモリ」の3つからなる総合的な機構である。また、内周部から外周部に向かって、徐々に書き込み速度を上げていくパーシャルCAV方式は本機でも採用されており、書き込み速度を上げる前に一度書き込みを止める他社製のドライブと比べて高品質なCDが作成できると言う。
今回導入された高音質記録機能、AudioMASTERとはどのようなものか説明していこう。以前より音楽CDをPCで作成するコツについては、いろいろな説があった。たとえば「等速で焼く」、「外付けドライブで安定した電源を供給する」といったものだ。しかしながら、諸説入り乱れる中でどういった手法が本当に役立つのか分かりかねていたユーザーが多かったことも否定できないだろう。
ローディング方式はトレイ式。縦置き動作には対応していない |
付属のライティングソフトはAudioMASTERをサポートしたB's RecorderGOLD 3.12である。このソフトには、書き込み速度や書き込みモードを選択するダイアログにAudioMASTERの使用を選択するエリアがある。ここでAudioMASTERの使用を選択すると、バッファアンダーラン防止機能が解除されると同時に、書き込み速度は4倍に変更される。バッファアンダーラン防止機能が解除されるのはデータが継ぎ目なく記録されていないと部分的に音質が低下する可能性があるためであり、4倍速に書き込み速度を抑えるのはバッファアンダーランを起こさないためだ。
本機にはAudioMASTERに加えて、もう1つの特徴がある。それが、パケットライトの新規格、「CD-MRW」(Mount Rainier)に初めて対応したことだ。これはPhilipsを中心に策定された規格で、データを書き込んだメディアをさまざまなドライブで読み込めるように規定したものである。パケットライトソフトはB's CLiPが付属するが、パッケージに付属するのはMRW非対応版なので、アップデータをBHAのWebサイトからダウンロードする必要がある。
速度ばかりが進化していたCD-R/RWドライブであるが、本機のように音楽面にも強いという、特定のポイントを明確化したドライブが登場したことは歓迎すべきだろう。速度や安定性に関しても最新の技術が投入されているため、音質にこだわるユーザーはもちろん、幅広い層に受け入れられる製品となりそうだ。
付属のB's Recorder GOLDからは本機の特徴であるAudioMASTERモードの使用を設定できる。設定画面にはこのモードの使用に付随するいくつかの制限事項も表示されている | B's CLiPのCD-MRW設定画面。チェックボックスをONにするだけで使用可能になる(画面は試作版のもの) |
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□ヤマハのホームページ
http://www.yamaha.co.jp/
□製品情報
http://www.yamaha.co.jp/product/computer/products/crw3200/crw3200.html
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【9月17日】ヤマハ、「CDの原盤並みの高音質を実現する」CD-RWドライブ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010917/yamaha.htm
【10月29日】高音質記録モード「Audio Master」とは?(AV)
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20011029/dal32.htm