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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
infoMagic | ||
Matrox RT2500 | ||
G400を搭載した高機能DV編集カード | ||
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano |
ブラケット部のIEEE 1394端子のほか、ブレイクアウトボックス上にS-VIDEO/VIDEO入出力端子を持つ |
今回のRT2500は、同社が従来から発売しているDVキャプチャカード、RT2000の事実上の後継機種にあたる。両者のもっとも大きな違いは、RT2000がキャプチャカード部とビデオカード部の「Millennium G400」の2枚構成であったのに対し、RT2500ではPCIカードが1枚だけの構成となった点だ。
DVキャプチャカードであるはずのRT2000にビデオカードがセットになっていたのは、G400が持つビデオ信号出力機能と、3Dレンダリング機能を活用していたためだ。これによりRT2000は、3Dエフェクトのリアルタイムプレビューを実現していたのだが、その半面、ほかのビデオカードと組み合わせて使用できないという大きな欠点を持っていた。
ビデオチップとして有名なG400であるが、本製品ではリアルタイム3Dエフェクトを実現するために採用されている | 搭載されるDVコーデックチップはC-Cube DVXpressMX25 |
G400はビデオカードとしては定評のある製品だが、RT2000の場合、エフェクト用に3DアクセラレータとしてG400を使う関係上、ビデオ編集時の画面解像度は最大でも1,280×1,024ドットまでしか利用できなかった。高解像度で利用したほうが圧倒的に効率がよいビデオ編集でこの制限はかなり厳しい。RT2500では、この問題を解決するため、DVキャプチャカード上にG400チップを搭載している。グラフィックス表示能力は持たせず、ビデオ編集専用にこのチップを搭載したことで上記のような問題は解決され、さらにAGPスロットを持たないマシンでも利用できるようになったことは、非常に大きな改善点だ。
リアルタイム編集は、カード上に搭載されたDVコーデックチップ「C-Cube DVXpressMX25」の機能として実現される。このチップは、2ストリーム+1静止画のリアルタイム編集が可能であるため、RT2500の編集能力もこれに準ずる。なおリアルタイム処理は、プレビューとアナログ出力のみで、IEEE 1394出力にはレンダリングが必要となる。また、このチップはDVのほかMPEG-2もサポートしているのが特徴で、RT2500も編集向けのMPEG-2 Iフレームキャプチャや、DVとMPEG-2のミックス編集、DV/MPEG-2変換機能などをサポートする。アナログ入力から直接MPEG-2キャプチャすることも可能だ。
IEEE 1394コネクタはブラケット部に2ポート用意されており、アナログビデオ入出力は三角形のブレイクアウトボックスとしてケーブル経由で外部に置かれる。
ビデオ編集ソフトは、アドビ システムズのPremiere 6.0を使用する。エフェクトやトランジションはRT2500専用のものだけがリアルタイムで処理できるが、G400のおかげで3D効果を用いるエフェクト類もリアルタイムでプレビューできるのは、大きなメリットと言えよう。
このほか、16:9ワイド画面モードのサポートや、各エフェクトにクロッピング機能を付けた点など、RT2000と比べても機能は着実にアップしており、魅力的な製品に仕上がっている。
編集ソフトは、Premiere 6.0を使う。G400の機能を活かしたエフェクトも用意されている | ボード上のG400チップの威力で、3Dトランジションもリアルタイムでプレビューできる |
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□infoMagicのホームページ
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