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NEW PRODUCTS TESTREPORT

東芝
Libretto L2/060TNML
人気のワイド液晶ミニノートがEthernetポートを装備
TEXT:一ヶ谷兼乃 Kenno Ichigaya


本体底面には増設用のメモリスロットが存在する。スロット形状はMicro DIMM
 ミニノートPCの草分け的存在である東芝のLibrettoシリーズ。今年5月には東芝から久々に新機種「Libretto L1」が発売され好評だが、この機種のユーザーからのニーズが高かったのがEthernetポートの内蔵であった。

 パワーユーザーが比較的多いL1のユーザーが家庭や職場でEthernet環境を利用したくなることは十分に考えられるが、東芝では一早くこの声に応え、新機種を発売することになった。それがこの「Libretto L2」だ。今回は、L2のWindows Me搭載モデルである「Libretto L2/060TNML」のレポートをお届けする。

 Libretto L2は、幅268mm、奥行167.2mm、最薄部20.5mm、重量1.1kgのコンパクトなボディながら、1,280×600ドットというワイドタイプの10型低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイを搭載するモバイルPCだ。CPUはTransmetaのCrusoe TM5600 600MHz、メモリは128MB、HDD容量は10GBという基本仕様はLibretto L1と同様だ。

キーボードはミニノートとしては余裕ある作り。B5サイズのノートと同等の快適さと言ってもよいだろう
 使い勝手のよいキーボードも健在で、キーピッチは18mm、ストロークが2mmとB5サブノート並で、入力もストレスなく行なうことができる。ハードウェア面で異なるのは、L1に搭載されていたIEEE 1394がなくなり、10Base-T/100Base-TXに対応したEthernetポートが装備されたところだ。このほか、内蔵モデム、二つのUSBポート、Type 2のPCカードスロット、外部ディスプレイ出力、マイク、ヘッドホンといった端子は、L1と変わりなく装備されている。

 L1でのウリだった長時間のバッテリ駆動も継承されており、Crusoe TM5600が持つ省電力機能のLongRunに加え、液晶画面などもコントロールする東芝独自の省電力ユーティリティによって、標準バッテリ使用時で最長4.2時間、オプションの大容量バッテリ使用時には最長12.6時間という動作を実現している。

 モバイルといえども高性能を求めるユーザーにとって、デスクトップ機と同等の内蔵Ethernetポートはかなり優先順位の高い項目と言える。機器を拡張する必要なく、自宅や会社などのネットワークに直接接続して、ブロードバンドインターネットを楽しんだり、ネットワーク上のストレージやプリンタを利用したりすることができるようになるためだ。今回、小型で拡張ポートが少ないL2にEthernetポートが標準装備されたことで、単に高性能モバイルPCとしてだけでなく、家庭内やビジネス環境でのセカンドPCとしても利用することができ、L1に比べて利用範囲が大きく広がった。

本体左側面にはType 2のPCカードスロットを備える。L1にあったIEEE 1394ポートはなくなっている 本体右側面には本機の特徴とも言えるEthernetポートを備える。形状は一般的なRJ-45タイプだ

ワイド液晶の搭載によりB5以下のサイズながら、高解像度の表示が可能となっている
 IEEE 1394ポートはなくなってしまったが、DVカメラなどを接続して動画を扱うには、内蔵HDDが10GHBのストレージはもの足りないもので、このポートの重要度はそれほど高くなかったのではなかろうか。Ethernetポートに置き換えたことで、より多くのユーザーに受け入れられる仕様になったと言えよう。

 また、Ethernetポート以外に、L1ユーザーから要望の多かった点として、Windows 2000の導入が挙げられる。L1のWindows 2000搭載モデルは存在していなかったものの、東芝からWindows 2000対応ドライバが提供されており、一部のユーザーは個々にWindows 2000化を行なっていたが、L2ではWindows 2000プリインストールの「060TN2L」も用意された。OSやアプリケーションの動作の安定性を追求するユーザーにはうれしい仕様だろう。

 また、060TNML、060TN2Lとも、この秋に登場するWindows XPへのアップグレードキャンペーンが用意されていることもあり、長期間使っていける魅力的なモバイルPCとなっている。


  • 製品名:Libretto L2/060TNML
  • 標準価格:オープン(実売140,000円前後)
  • 問い合わせ先:東芝
  • TEL:0570-00-3100
  • URL:http://www.toshiba.co.jp/
  • CPU:Crusoe TM5600 600MHz
  • チップセット:TM5600+ALi M1533
  • メモリ(最大):100MB PC100対応SDRAM(256MB)
  • HDD:10GB
  • ビデオチップ:S3 Savage IX
  • ビデオメモリ:8MB
  • ディスプレイ:10型FLサイドライト付き低温ポリシリコンワイドTFT液晶
  • 最大解像度:1,280×600ドット/1,677万色
  • サウンドチップ:ALi M1533内蔵
  • モデム:56kbps(V.90対応)
  • キーボード:84キー
  • 拡張スロット(空き):PCMCIA Type 2×1(1)
  • インターフェイス:USB×2、ディスプレイ(専用端子)×1、ヘッドホン×1、マイク×1、モデム(RJ-11)×1、10Base-T/100Base-TX×1(RJ-45)×1
  • 電源:リチウムイオンバッテリおよびAC電源
  • バッテリ駆動時間:約4.2時間
  • 本体サイズ(W×D×H):268×167.2×20.5(最薄部)~29.3(最厚部)mm
  • 重量:約1.1kg
  • OS:Windows Me
  • 付属ソフト:LaLaVoice 2001、KaraOK! for Windows、VirusScan for Windowsなど

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □東芝のホームページ
    http://www.toshiba.co.jp/
    □製品情報
    http://dynabook.com/pc/catalog/libretto/010802l2/index_j.htm
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    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010802/toshiba.htm


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