NEW PRODUCTS TESTREPORT

	リコー
	MP7200A
	ヤマハ
	CRW2200E-VK
	最大20倍速書き込みに対応したCD-R/RWドライブ2製品
	TEXT：正木堅児　Kenji Masaki

MP7200Aは縦置き動作にも対応しているため、スリムタイプの省スペースPCなどにも搭載可能だ

MP7200Aの背面。インターフェースはATAPI。動作モードはUltra ATA/33に対応する

　16倍速ドライブが発売されてからほぼ半年、20倍速でのCD-R書き込みを可能にするドライブが発売された。今回は各社の中で先陣を切ることになったリコーとヤマハの2製品を紹介しよう。

　リコーのMP7200Aは世界初の20倍速CD-R書き込みに対応した製品である。同社独自のバッファアンダーラン防止機構JustLinkと、書き込み速度制御機能JustSpeedを搭載しており、エラーを極力排除してくれる。

　対応するインターフェースはATAPIで、Ultra ATA/33に対応している。また、背面部にはS/P DIF端子が付いており、音楽CDのデジタル出力も可能となっている。

　20倍速書き込みに対応するため、コントローラやピックアップなどが新規開発され、書き込み／読み出し両方の性能を向上させることに成功。本ドライブはZCLV（Zoned Constant Linear Velocity）方式により最高20倍速での書き込みを実現しているほか、10倍速のCD-RW書き換え、40倍速のCD-ROM読み出しが可能である。ZCLVは、メディアをいくつかの領域（Zone）に分け、そのエリア内で線速度を一定にして書き込む方式である。書き込み開始時は12倍速で、16倍→20倍と速度を上げ、メディアの外側のエリアほど高速に書き込まれてゆく。後述するJustSpeedによるチェックの状況によっては16倍速で書き込みが開始されることもある。JustSpeedはメディアの種別とメディア挿入時に行なわれるテスト書き込みによってメディア特性に合わせた書き込み速度の上限を決定する機構である。なお、書き込み速度の上限はバンドルされるB's Recorder GOLDの書き込み設定画面でも確認可能だ。そのほか、JustLinkも進歩しており、よりつなぎ目が分かりにくい場所から書き込みが再開できるようになっている。

CRW2200E-VKは縦置き動作には対応していない

CRW2200E-VKの背面。こちらもインターフェースはATAPIで、Ultra ATA/33に対応している

　ヤマハのCRW2200E-VKはCD-R書き込み20倍速、CD-RW書き換え10倍速、読み出し40倍速のドライブである。今回使用したCRW2200E-VKはインターフェースにATAPIを採用しているが、そのほかのラインナップには、SCSIとIEEE 1394、USB 2.0（1.1互換モードで動作）の各モデルが存在する。

　高速化の手法としてパーシャルCAVに加え、独自のバッファアンダーラン防止機能、SafeBurnを搭載することで、書き込みミスを回避する作りになっている。同社の16倍速ドライブから採用されたパーシャルCAV方式では、12倍速で書き込みを始め、最高速に達するまではメディアの回転数が一定に保たれている。そのため、外周部に記録域が移るにつれて、書き込み速度は段階的ではなくリニアに上がってゆく。そして、最高速に達すると、20倍速での書き込みを保つために、メディアの回転数が徐々に低下する。回転速度の変化が緩やかなので振動などによる記録品質の低下が起こりにくい点がメリットだ。

　CRW2200E-VKでは、SafeBurnに加えて、8MBものバッファメモリを搭載している。高速な書き込みを行なえば行なおうとするほどバッファアンダーランが発生しやすくなるが、20倍速書き込みでも2秒以上のバッファを保てるためアンダーランが発生しにくくなっている。それでもアンダーランが発生した場合には、SafeBurnが働きバッファに十分なデータがたまるまで書き込みをやめ、たまったところから書き継いでいく。

　また、おまかせレコーディング機能を備え、挿入されたメディア種別と試し書きを行なうことでメディアの状態に合わせた書き込み速度をドライブが自動的に選択してくれる。未知のメディアの場合は、安定性を重視して8倍速での書き込みを行なう。ライティングソフトは、おまかせレコーディングによる速度規制を解除することもできるように対応されたB's Recorder GOLD 1.97が付属する。