|
NEW PRODUCTS TESTREPORT |
NECビューテクノロジー | ||
MultiReader 1201U | ||
省スペース性と色再現性を両立させたコンパクトなCCD方式1200dpiスキャナ | ||
TEXT:薮田織也 Oliya Yabuta |
読み取り可能な原稿サイズはA4変型の「DOS/V POWER REPORT誌」よりもやや大きめ。このクラスとしては一般的なサイズだ |
MR1201Uはその主走査部に6ライン型カラーCCDイメージセンサー方式を採用する、いわゆるCCDタイプのスキャナだが、筐体を見るとCISタイプかと思わせるほどスリムなデザインに仕上がっているのだ。主走査部に構造が単純にできるLEDセンサーを使うことで、本体の高さを大幅に抑えることができるCISタイプに比べ、CCDタイプは蛍光管やレンズなどで構造が複雑になる主走査部を持つため、従来では100mm前後の高さが必要とされてきた。
CCD型のフラットベッドスキャナとしては非常に薄い61mmを実現している |
個人的な評価ではあるが、従来のMultiReaderシリーズの使い勝手はあまり好みではなかった。走査時の音も大きかったし、マルチウィンドウタイプのTWAINドライバも使いづらかった。さらに色の再現性に多少わざとらしさがあるのが気になったのだ。その点を考慮してMR1201Uを使ってみると、従来機とは別の性格を持ったスキャナに仕上がっているように思える。音に関してはライバル機に比べるとまだ大きいが、TWAINドライバは一つのウィンドウにすっきりまとめられて比較的操作がしやすいし、色の再現性もMR1200Uに比べて原稿に忠実で好感が持てるものだ。
各種設定がすっきりと収まったTWAINドライバ。従来機のものより分かりやすく、操作性も優れている |
使いやすくなったTWAINドライバではあるが、以前のドライバとはまったくインターフェースが違うため、従来からのMultiReaderユーザーはとまどうかもしれない。それもそのはず、従来機はマイクロテックのOEMだったようだが、MR1201Uはどうやら台湾のAvisionのOEMのようで、MR1201Uのスキャナとしての性格が従来機と異なるのは、このことが大きな要因になっていると言えるだろう。
本体前面にはワンタッチでスキャニングを行なうためのボタンや、スキャニングからメールの添付までを行なうボタンも備えられている |
少し辛口な評価になってしまったが、それでもMR1201Uは、CCDタイプの高い色再現性とCISタイプに肉薄する省スペース性を両立させた、類い希なバランスを持つフラットベッドスキャナだ。設置場所と色にこだわるユーザーにオススメの製品と言える。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□NECビューテクノロジーのホームページ
http://www.nevt.co.jp/
□製品情報
http://www.ias.biglobe.ne.jp/nbg/scan/mr/mr1201u/
□関連記事
【5月21日】NEC、1,200dpi対応の薄型・軽量A4スキャナ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010521/nec.htm