一ヶ谷兼乃の

第25回:デジタルカメラへのこだわり
~COOLPIX880を購入した理由~


■筆者のお気に入りデジカメ「DSC-SX550」

 久々に、ここしばらく買い控えしていた、デジタルカメラを購入した。そこで今回は、筆者がこれまで付き合ってきたデジタルカメラのことについてふれてみよう。

 筆者は、仕事上デジタルカメラを使うことが多い。この連載で掲載する画像を撮影したり、取材で持ち歩いてメモ代わりに使うことも多い。その中でも特に頻繁に使う機能が、接写である。この連載で扱う製品の撮影も、数十センチくらいの距離から撮影することがほとんどだ。

 筆者は、特別な撮影機材を持っているわけでもなく、一般的な蛍光灯の下で製品を撮影しているのだが、初めてデジタルカメラを購入した当時は、なかなか接写がうまくできなかった。そのため最初は、筆者宅のような環境でも手軽に接写ができるデジタルカメラがないものか、いろいろ探したものだ。

筆者が所有する「SANYO DSC-SX550」。シンプルな操作性と軽快な使用感が気に入っている

 自分の用途に適したデジタルカメラに出会うまでしばらくかかったが、ようやく、思うように接写できるデジタルカメラに出会うことができた。それがSANYOのDSCシリーズだった。その後は、DSCシリーズの新製品が登場するたびに買い替えを続け、現在所有しているのがDSC-SX550である。DSCシリーズの最新機種はDSC-SX560であるが、DSC-SX550には非常に満足しており、買い替えていない。

 このDSC-SX550は発売されてしばらく経つが、最新モデルと比較しても遜色ない性能を持ち合わせている。まず、すばらしいのが、その起動時間だ。電源を入れてから、撮影が可能になるまでの待ち時間が、極めて短い。また、撮影してから、次の撮影ができるまでの間隔も短いため、ガンガン撮影してデキのいいものだけを残すといった、デジタルカメラならではの使い方ができる。VGAサイズの画像であれば、1~2秒に1枚の間隔で撮影が可能だ。

 また、操作もシンプルで、カメラに詳しくない筆者でも確実に、綺麗な撮影ができるところもうれしい点だ。接写時のオートフォーカスもバッチリ機能し、筆者の使い方では、ほぼ満点の評価を得ている。難しいことを考えず、シャッターを押せば手軽に高品位な画像が得られるDSC-SX550は、今では手放せないものとなっている。

■DSC-SX550では物足りないことも……

 しかし、このデジタルカメラにも、時々物足りなさを感じることがある。それはDSC-SX550がズーム機能を持っていないことだ。

 どうしても遠くのものを撮影しなければならない場合もあり、さすがにそのときだけはズーム機能を持たない本機の限界を感じてしまう。そのため、ズーム機能を持った良いデジタルカメラがないものかと、常に探し続けていた。

 もちろん、新らしいモノ好きな筆者は、これまでにもズーム機能を持ったデジタルカメラを何台か購入している。だが、そのたびに、DSCシリーズのような満足感を得ることもなく、購入しては、手放す、というようなことを繰り返していた。そのため、ここ1年くらいはズーム機能をもったデジタルカメラをチェックしながらも、購入するまでには至らなかった。

 インターネット上のいろいろなサイトやパソコン関連雑誌でも、デジタルカメラの記事は掲載されるが、どれもその道のプロの方が評価しているため、当然のことながら同じ機種を購入しても、筆者には同じような写真は撮影できない。そのため、これらのメディアの情報は筆者にとって、あまり参考にならなかった。

 逆に、非常に参考になったのは、インターネット上にあるデジタルカメラ関連の掲示板だ。こういった掲示板は、消費者側の意見を直接拾うことができるので、筆者にとっては貴重な情報源となった。新製品が登場するたび、その手の掲示板をチェックして、筆者のニーズに合うものがないかを調べるようにしていたものだ。

■久しぶりに購入したデジタルカメラ、COOLPIX880

新たに購入した「ニコン COOLPIX880」。久しぶりに満足できたデジカメ

 そんなデジタルカメラ遍歴を持っている筆者であるが、最近ようやく、ズーム機能を持ったデジタルカメラを購入した。購入したのはニコンの「COOLPIX880」である。これまでズーム機能付きモデルについては失敗を繰り返していたため、正直、興味が薄くなっていたのだが、COOLPIX880だけは発売当初から気になっていた。

 しかし、また満足せずに手放してしまうのではないかという心配から、すぐには購入しなかった。その後も、いろいろなメーカーからズーム機能搭載機が発売され、デジタルカメラ売り場の前を通るたびに新機種を手にとって触ってみたのだが、やはり気になるのはCOOLPIX880であった。そこで、自分なりに、なぜCOOLPIX880でなければならないのか、という自己分析を行なってみた。

 まず、レンズ部分が回転しないということ。自分撮りなどの目的でレンズ部分が本体とは別に縦回転する機種の多くは本体の左右どちらかにレンズ部分が寄っていて、両手でうまくホールドできないからである。もちろん慣れてしまえばいいのだろうが、この回転するタイプのデジタルカメラでは、筆者はすでに数機種失敗しているので、必然的に避けるようになっている。

 次に、色がシルバーであるということ。個人的にはマットブラックが好みであるのだが、マットブラックは意外と汚れが目立つのだ。逆にあまり目立たないのがシルバーだということも、これまでの経験で心得ている。

 もうひとつの条件は、サイズがあまり小さすぎない、ということである。店頭でいろいろな機種を触ってみて、COOLPIX880よりもコンパクトな機種はいくつもあったのだが、ただでさえカメラ操作に慣れていない筆者にとって、小さなボディのデジタルカメラを上手にホールドして、シャッターを押すのは困難だったのだ。

 その他にも、記録メディアとして、なるべくならDSC-SX550と同じCFメディアが使える機種を選びたい、という条件もあった。

 非常に単純であるが、とりあえず自己分析で得られたのはこんな条件だった。あとは前述のように掲示板をチェックしたり、知り合いのCOOLPIX880オーナーの意見を参考にした。  他にも2機種ほど候補があったが、店頭で体験した操作性と、掲示板から得た、接写時の使い勝手に関する情報などから、残ったのがCOOLPIX880であった。

 筆者としては、ここまで時間をかけて購入を検討するのは非常に珍しい。これほど検討して得た結論なら、失敗しても仕方ない、という気持ちにも後押しされ、ようやく4月中旬に購入した。購入したのはACアダプタと充電式バッテリがセットになった「COOLPIX880パワフルキット」である。

 COOLPIX880に内蔵できる電源は、2CR5型のリチウム電池か専用充電式バッテリーだが、2CR5型のリチウム電池は量販店でも1本1,200円程度であり、長期間使うのであれば確実に充電式のバッテリーが必要になると考えて、このパワフルキットを購入した。

■使いこなしたいと思わせるデジタルカメラ

 実際に実機を手にして感じた第一印象は、多機能であるということだった。記録データの品質や解像度だけでなく、すでに用意されている撮影モードだけでも10種類以上ある。これだけ数があると、実際に撮影するシチュエーションになったとき、どの撮影モードを使うのがベストなのか、判断するのが大変なのだ。しかし、こればかりは慣れるしかないので、徐々に習得しようと考えている。

 今のところ、主にポートレートモードを使って撮影しているが、とりあえず十分満足のいく撮影ができている。光量が十分な場合にはもちろんのこと、デジタルカメラでは厳しいかな、と思うような場合でも、バチッとピントは合うし、お手軽に撮影することができる。ズーム操作もスムーズで、今のところ満足している。この先もめげずに使っていけそうな感じだ。

 購入してから、それほど時間が経っていないが、接写時以外でのCOOLPIX880のクオリティには、十分満足しており、今回の買い物は概ね成功したと判断している。カメラに詳しいユーザーであれば、本機の機能を活かして、より素晴らしい撮影ができるのであろうと容易に想像できる。そのため、もっと使いこなしてみよう、という気持ちが湧いてくるような魅力があるのだ。

 デジタルカメラは、ユーザーごとの環境や使い方によって、一概に「この機種が良い」と薦めることは難しいが、COOLPIX880は発売から半年以上経過してはいるものの、とりあえず購入候補のひとつにあげてもいい機種ではないだろうか。

■光・IP通信網サービス導入レポート【番外編】

 前回掲載した「光・IP通信網サービス」の記事が好評だったので、その後を軽くレポートしたい。

 問題となっていた通信のパフォーマンスだが、4月前半までは どんどん低下する一方だった。最も高いパフォーマンスが期待できるはずの早朝でも、1Mbps程度になり、最も混雑する深夜では、900Kbps程度になってしまったのだ。

 ベストエフォートのサービスとはいえ、さすがにこの速度では納得いかず、フレッツサポートセンタに電話をかけてみることにした。しかし、これが繋がらない。パソコンメーカや周辺機器メーカーのカスタマサポートも繋がらないことで有名だか、それ以上に繋がりにくいと感じた。

 何度か電話をかけ直しているうち、どうにかフレッツサポートセンタと連絡がとれた。まずは、NTTの収容局から筆者宅までの光ネットワークに何か障害があるのではないか、と考えていたので、その調査を依頼した。ところが、結果は異常なし。その後もいろいろな原因を考えて調査を続けてもらうことになった。ここでは非常に親身な対応をされ、心強いものを感じることができた。

 ちょうどそのころ、NTTの光ケーブルに関するサービスが発表された。7月以降には10Mbpsのサービス料金が値下げになり、100Mbpsのサービスが追加されるという。少なくとも、100Mbps対応のサービスをサポートするとなると、各プロバイダは地域IP網と100Mbps以上で接続されていなければならない。各プロバイダと地域IP網との接続速度は公開されていないが、100Mbps以上で接続されているところは稀なのではないだろうか。

 10Mbpsのサービスである現状でも、対応予定プロバイダの半数以上が今だにサービスを開始していない。NTTが100Mbpsのサービスを開始しても、プロバイダが対応しきれないのではなか、という心配さえ感じる。

 ところで、引き続き先ほどの調査は続けてもらっていたのだが、4月の後半になったころ、急にパフォーマンスが改善されはじめた。深夜帯でも3.5~3.8Mbpsのパフォーマンスが得られるようになったのだ。最もパフォーマンスが得られる早朝の時間帯では4.5~5.3Mbps程度になる。何が原因であったのかは結局わからないのだが、速度が改善されれば、何も問題はない。現在は非常に快適な環境でインターネットを楽しんでいる。

 ちなみに、パフォーマンスが低下する一方だったころには、筆者が契約した「基本メニュー」ではなく、もしかすると「高スループットメニュー」に変更すれば何か状態が変化するのではないか、とまで考えていた。これも実際に問い合わせをしたところ、コースを変更すると、最悪、新規に申し込むのと同じ費用が発生すると言われ、悩んでいたところであった。結局パフォーマンスは改善したので、高スループットメニューへの変更はしないですんだ、というわけである。

 また、何か変化がみられたら、この連載のなかで報告していきたい。


□SANYOのホームページ
http://www.sanyo.co.jp/
□ニコンのホームページ
http://www.nikon.co.jp/main/index.htm
□関連記事
【2000年8月28日】ニコン、シルバーボディの2.5倍ズーム334万画素機「COOLPIX880」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000828/nikon.htm


[Text by 一ヶ谷兼乃]


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