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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
プレクスター | ||
PX-W1610TA/BS | ||
全周16倍速書き込みに対応したATAPI接続CD-R/RWドライブ | ||
TEXT:正木堅児 Kenji Masaki |
背面部には冷却ファンを備える。読み書きの際のみ動作するため、動作音はそれほど気にならない |
16倍速書き込みに対応したドライブはすでにヤマハから発売されているが、これはディスクの内周部と外周部で書き込み速度が異なるパーシャルCAV方式を採用しているため、常に16倍速書き込みを実現できるわけではなかった。これに対し本機ではディスク全周にわたって同一の速度で書き込みを行なうCLV方式を採用したことで、完全な16倍速書き込みを実現している点が最大の特徴と言える。
CLV方式ではアクセスがメディア内周部に近付くほど回転速度が上がるために、振動が発生しやすくなるほか、16倍という速度を常に維持するため、これまで以上に安定したデータ転送も必要とされる。そして、これは裏を返せば、従来と同じマシン環境においてはバッファアンダーランエラーが発生しやすくなったことを意味する。
プレクスターオリジナルのCDバックアップソフト、DiscDupe 2000。簡易なインターフェースが魅力 |
また、ドライブが内蔵するバッファメモリは2MBと比較的少ない容量だが、これもBURN-Proofのようなエラー対策や、安定した書き込み技術に対するプレクスターの自信の現われと見てもよいだろう。
MVP2000ではMP3、WMAファイルの再生のほか、これらをソースに音楽CDを作成することも可能 |
この機能が組み込まれたことで、本機以外の多くのドライブでも高速に読み出すことのできるCDが作成できるようになった。ただし、次々と発売されるメディアに対応するため、ファームウェアのバージョンアップは欠かせない作業となる。
このほか、書き込み時の発熱を抑えるためにファンが装備されているが、これはドライブが動作中のみ働き、騒音を少なくするよう配慮されている。
バンドルされるライティングソフトはBHAのB's Recorder GOLD。これ1本でさまざまな作業が行なえる |
読み出しの高速化としてもう一つ、CD-RW読み出しが最大32倍速で行なえるようになったことが挙げられる。これによって、パケットライトでCD-RWを使用する際の使い勝手も上がった。ただ、読み書きの高速化に伴い、ドライブの動作音がやや目立つようになった。これは、今後のモデルでの改善に期待したい。
添付のライティングソフトは「B's Recorder Gold」、パケットライトソフトは「B's CLiP」となっている。このほか、同社の高機能ユーティリティ「Plextor Manager2000」も付属する。このソフトはCDバックアップや、「CDDB」にも対応し、MP3やWAVファイルをCD化できるマルチメディアプレイヤー「MVP2000」、音楽CDをWAVファイル化する「AudioCapture2000」などをタスクトレイから呼び出すことができる。
使ってみると、動作中の音やトレイの開け閉めがやや遅い点が多少気になるものの、高速な書き込みがその不満を吹き飛ばしてくれる。とにかく速く、高品質な書き込みを行ないたいならば候補に加えておきたいドライブである。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□プレクスターのホームページ
http://www.plextor.co.jp/
□製品情報
http://www.plextor.co.jp/products/pxw1610ta/pxw1610ta.html
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【1月17日】プレクスター、全周16倍速書き込みの16/10/40倍速CD-RWドライブ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010117/plextor.htm